愛命園育成会だより 第97号

育成会副会長 大成 敏正
 実りの秋を迎え過ごしやすい季節となりましたが、会員皆さま健やかにお過ごしでしょうか。
 猛威を振るった新型コロナウィルス感染症の第7波もようやく底をうった様子で、政府も屋外でのマスクの装着緩和や、外国人旅行者の人数制限の撤廃等、ウィズコロナ下での生活を見据えた政策が始まっています。
 この度の第7波では、ついに愛命園にも集団感染が起きてしまいました。不幸中の幸いですが、重症化した利用者・職員はおられなかったようですが、皆さん移動制限や感染予防対策で大変不自由な生活をされたようです。対応にあたられた職員の皆様、協力してくださった利用者の皆様お疲れさまでした。引き続き感染予防にはお気をつけください。
 さて、前号で心配したとおり愛命園最大の行事「園まつり」が正式に中止となりました。通例であれば勤労感謝の日に地域の方々や利用者の親族、多くのボランティアの協力を得て、地域に開放された楽しい一日が過ごせたはずなのですが、今回もコロナ禍のため3年連続開催できなくなりました。従って、2年に1回「園まつり」に合わせて開催の育成会総会も集合形式での開催は中止とさせていただきます。会員の皆さま、残念ですがこのような事情ですので前回2020年同様書面での総会とさせていただきます。追って事務局より総会資料をお送りいたしますので、返信のほどよろしくお願いいたします。
 ところで私、今年9月19日台風14号の襲来の際、愛命園の皆さんと共に避難生活を体験いたしました。利用者・職員全員避難しなさいとの命令に従い愛命園近くの避難所(サンピア湯来)に消防署の用意したマイクロバスや園の車で避難しました。私も一緒に避難所に避難いたしましたが、まあたいへんでした。当日は敬老の日の祭日でしたが、愛命園近くに住む職員などが招集され平日の日中並みのスタッフがおり、比較的スムーズに避難はできたとは思いますが、避難所に移動しても排泄介助、食事の準備、食事介助は行わなければなりません。投薬の管理や水分の補給も行わなければなりません。落ち着きのない利用者は、皆から離し職員が1対1で対応しなければなりません。一般の避難者とは隔離された区域を優先的に利用できたものの全員が横になれるほどの広さはありません。当初はテレビ・ラジオもありませんでしたので台風の情報もわかりません。今回幸いにも日中の避難であり、多くの職員が対応に当たることができましたが、また夕方には雨も小康状態になり帰園できましたが一晩泊まれと言われたとしたら考えるだけで恐ろしくなります。今回の避難体験は、現在建設中の避難棟の必要性をより強くさせられる体験となりました。
 現在愛命園西側運動場水内川側に避難棟の建設が始まっており、基礎部分のコンクリートが流しこまれており、徐々に完成時のイメージが浮かんできます。避難棟は2023年4月末には完成予定です。今回自己資金での建設を決断に至った背景には、近年の自然災害の頻度の増加と規模の大きさがあります。今回の補助金なしでの建設は避難棟完成の時期を格段に早めたとは思いますが、愛命園施設設備等の管理に負担となると思われます。今後も育成会として園の希望に寄り添った支援を継続していきたいと思いますので、会員の皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。
 終わりに季節の話題をひとつふたつ記します。一つは例年稲刈りが終わり朝夕の冷え込みが始まるころになると愛命園周囲では「カメムシ」が発生するのですが、今年は全く姿を観ません。「温暖化のせいなのか」「雪はふらないのかな」と皆で心配しています。
 二つ目。10月8日土曜日の夜、9時過ぎ外出から帰った際、あまりにも明るいので夜空を見上げると、そこには十三夜の月と左上に木星が輝いていました。私の視力は左0.03で身障手帳2級ですが、裸眼で月の左上に何かあるのが見えました。そこで常時携帯している単眼鏡を取り出して観て確かに木星であるっことを確信したしだいです。(ネットで調べて木星であることを知ったしだいです。)この時思ったのはかぐや姫が、おじいさんやおばあさんに別れを告げ月の世界に戻っていったのはこんな夜だったのだろうということでした。あまりの明るさで警護の武士も矢をはなてなかったのだろうと思った夜でした。



寄せられた善意

令和4年7月23日〜
令和4年10月22日
(順不同敬称略)

《 寄 付 》
土居 京子    寺中 久美子

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。都合により掲載を控えさせていただいた方もあります。



編集後記
 大成副会長が書かれておりますように、今年も「愛命園園まつり」が中止となりました。今年の愛命園育成会総会は、書面で皆様から決裁をいただくことになります。決議資料と賛否を表していただくための返信ハガキを、11月中に皆様にお送りしたいと考えておりますので、そのようにご承知おきください。
 9月18日から19日にかけての雨については、水内川の水位が堤防を越えるのではないかという危機感は、平成30年の西日本豪雨以上でした。幸いそうはならず、交通への影響も深刻なものはありませんでした。避難でお助けいただいた多くの皆様に感謝申し上げます。
 さて、愛命園からまわりを見渡すと、まだまだ緑ばかりの印象です。園の敷地に立つ2本のイチョウも、緑の葉を茂らせています。夕方、日が暮れるのが早くなり、朝晩ぐっと冷え込むことも増えてきました。これからの秋の深まりとともに、山の木々も色付いてくるのでしょう。
体調を崩しやすい時期です。新型コロナの感染は続いており、インフルエンザが流行する季節でもあります。皆様くれぐれもご注意ください。