愛命園育成会だより 第69号


愛命園育成会副会長 田尾 秀春

 まっ青な空にゆれるコスモス、通りに漂う金木犀の香りに秋を感じるこの頃、皆様にはお変わりなくお過ごしのこととご拝察いたします。
 このところのニュースにふれ、社会の動きが大きく変わろうとして、何かしらせわしなく感じるのは私だけでしょうか。安全保障法関連案の成立、原発の再稼働、関税撤廃に関わるTPPの大筋合意、来年1月から利用開始のマイナンバー制度の導入、消費税率の値上げに伴う軽減税率の実施、新しい政策として打ち出された一億総活躍社会の実現など、新たな政策が打ち出されています。
 子どもたちが将来にわたって心豊かに生活できるよう、若者も高齢者も障害者も、みんなが安心して生活できる社会を創るためにどのようにしたら実現できるのか。これまでの政策をよく検証し、人が生きていくのに何が大切なことかを基底に、しっかり道筋を示して多くの国民の理解が得られるなかで実施していく必要性を感じます。
 そんななかで、愛命園では昨年10月に施行された「障害者虐待防止法」に基づいて、今年度、より一層『虐待を考える』ことを重点にマニュアルの見直しや、どんな立場からでも互いに気をつけるという目的で、利用者・職員同士から投書できる『目安箱』が設けられました。そうした声をもとに互いが悩みを共有し、利用者が自分らしく生活できる場をつくっていくための日々の取り組みがなされています。
 この最近で嬉しかった心に残るニュースはありますでしょうか?
本当はカープがCSに進出し優勝するはずだったのですが、夢ははかなくも消えてしまい残念です。
 今年も2人の日本人ノーベル賞受賞がありました。医学生理学賞に大村智さん、物理学賞に梶田隆章さんが受賞されました。特に心惹かれた大村氏は「寄生虫による感染症とマラリアの治療薬の発見」が評価され、その薬(イベルメクチン)は河川盲目症などの治療に使われ、多くの患者を失明から救い、動物に寄生する線虫を駆除する動物薬は世界で多く使われているそうです。その発見は、日々コツコツと微生物を採取しているなかで、行っているゴルフ場の土壌からの微生物だったそうです。いつも自然に目を向けて、地道な研究を続けた結果が発見をもたらした。
 受賞インタビューで「私はたいしたことはしてません。微生物のおかげです」の言葉に惹かれました。小さい頃はカバンがほこりをかぶるくらいよく遊び、最初は定時制高校で教鞭を執られ、油にまみれて目をこすりながら勉強する学生の姿に感動し、大学で勉強し研究の道を志すきっかけとなったとありました。高校でのスキーの合宿でのエピソードを、教え子の方が「汗をふくくらいなら、一歩でも前に進め」厳しかった反面、夜、腹が空いているのをみて、パンと当時は珍しいチーズを差し入れてもらったとか、みんなが寝ているなかでも、先生の部屋は電気がつき勉強されていた。と当時のエピソードが語られてました。美術にも造形が深く、これまで収集した絵画を広く見てもらうために、私費を投じて出身の山梨県に韮崎大村美術館を開館されるなど、人間味あふれる生き方、人となりに感銘しました。
 恒例の愛命園園祭りが11月23日(月)に行われます。多くの方々に参加いただき,利用者、会員の皆様との繋がりと交流を深める機会にしていただければと思います。当日はステージ発表や作品展示、バザーなど楽しい催しが盛り沢山です。
 当日、愛命園からJR五日市駅北口に8時30分発の迎えのバスが用意されます。希望される方は愛命園に11月13日(金)迄にお申し出ください。愛命園の電話は0829ー83−1111です。
 今後とも愛命園の充実・発展のため、皆さまのご支援ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。



「こころの交流の場」
原稿を引き続き募集します。
愛命園事務局

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  メール sakura@aimeien.jp
問い合わせ 愛命園育成会事務局
   電話 0829ー83−1111



【寄せられた善意】
[平成27年7月25日〜平成27年10月26日]
(順不同敬称略)
《 寄 付 》
田尾 秀春

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。
 都合により掲載を控えさせていただいた方もあります。



【編集後記】
ここのところ晴れの日が多く、日中は過ごしやすい反面、夕方になると気温が一気に下がるようになりました。体調管理の難しい季節です。皆さんくれぐれもご注意ください。