愛命園育成会だより 第64号


愛命園育成会副会長 田尾 秀春

 梅雨もあけて、朝夕はひぐらし、昼は蝉の大合唱に夏の到来を感じる今日この頃です。今年の梅雨は台風8号の影響もあり、九州地方を中心に記録的な豪雨となり、各地に大きな被害をもたらしました。幸いに広島は大きな影響はないようでしたが、皆さまにはお変わりありませんでしたでしょうか。
 山里の自然のなかを木々の緑や香りを嗅ぎ、せせらぎの音、鳥のさえずりを聞きながら歩いていると、季節の移ろいが感じられ心身ともにパワーを貰える気がします。
 「万緑の 惹かれり山に 息をのむ」
 「美晴白(みはるしろ) 粋に紫 花菖蒲」
 「山裾に 陽ざし微笑む 菖蒲かな」
 「夕暮れに ひとり蜩 夕涼み」
 毎回「あゆみ」を読むのを楽しみにしております。野菜作りや手芸、貝殻通しなどの生活・作業活動、花見などの楽しい行事の企画、グループ外出など利用者の皆さまが、楽しみながら日々笑顔で過ごされている様子が伝わってきます。今回も劇団四季「ミュージカル桃太郎の冒険」を観劇されたり、節分や花見の様子を楽しませてもらいました。
 そうしたなかで、利用者の方も年齢を重ね頑張る馬力も影を潜め、自分のことが思うに任せなくなっておられる状況がありました。
こうした利用者の方々に対して、体力低下、歩行や移動能力の低下を防ぐために、訓練機器の充実や、専門的な視点でのチームアプローチを進められることは重要であると感じました。
 国の動向として今年2月、障害者福祉の転換点ともなる国連の「障害者権利条約」への批准が、7年の歳月を経て実現しました。この条約は障害者の市民的権利、教育・保健・労働・雇用の権利、社会保障、余暇活動へのアクセスなど、さまざまな分野における障害者の権利実現のための障害者に関する国際条約で、「障害者の権利に関する条約」いわゆる「障害者権利条約」(略称)です。
 今日の障害者福祉は、1981年国際障害者年における「完全参加と平等」のスローガンの基、障害者の固有の尊厳が尊重され、共に生きる社会をめざすことの重要性が各国に波及し、我が国も世界の大きな流れを受け、2011年に「障害者基本法」が改正され、2012年に現在の障害者福祉の柱となる「障害者総合支援法」が成立しました。そして、2013年に「障害者差別解消法」の成立、「障害者雇用促進法」が改正されて、今回の、「障害者権利条約」への批准となりました。
 すべての人々が、それぞれの個性や人格を尊重し、互いに支えあい、安心して暮らせる社会の実現に向け、多くの方々の理解を得て共に手を携えていく必要があると感じます。
 これからも、愛命園の活動が活発で、笑顔のあふれる愛命園となりますよう育成会として支援してまいりたいと思います。どうぞ、引き続き愛命園並びに育成会の事業推進に、ご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。



【寄せられた善意】
[平成26年4月26日〜平成26年7月25日]
(順不同敬称略)
《 寄 付 》
友田 耕二朗
田島 定
竹原 幹
林出 ミヨ子
土居 京子
湯来モータース
どんぐり会

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。
 都合により掲載を控えさせていただいた方もあります。



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 投稿内容 「随想、詩、短歌、俳句、川柳」
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  FAX 0829ー83−1112
  メール sakura@aimeien.jp
問い合わせ 愛命園育成会事務局
   電話 0829ー83−1111



【編集後記】
6月の初めに、今年度の会費のお願いを送付させていただきました。早速に入金をいただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。