愛命園育成会だより 第109号


育成会副会長 大成 敏正

 お彼岸も過ぎ、やっと日中出歩ける気温になってまいりました。愛命園育成会の会員皆様健やかにお過ごしでしょうか。予報では、10月半ば過ぎまでは残暑が続くようです。体調には十分お気をつけてお過ごしください。
 さて、全国的には関東地区では、インフルエンザ感染症の流行が報道されています。また、私の住む広島県東部では、新型コロナウィルス感染症第8波が拡大し医療逼迫警報が出されました。(9月8日から14日までに1医療機関13人以上の患者が発生)私も8日夕方に喉の痛みを覚え、12日に発熱外来受診で新型コロナ感染が確定しました。熱も、咳も出ませんでしたが、噂通りものすごい喉の痛みで、2日間ほぼ飲まず食わずに過ごしました。お医者様は、「頑張って、飲んだり、食べたりしてくださいネ」と軽く言われますが、大変でした。脱水症になるのではと心配しました。災害用に備蓄した食料品で何とか生き延びましたが、2日間で体重が3kgは減ったでしょうか。(食事がとれるようになると体重は直ぐに戻りました。)
 食事がとれなかったこの時、私は突然父の語ったシベリア抑留時の体験談を思い出しました。父は戦時中の話はほとんどしたことはありませんでしたが、ただ一度だけシベリア抑留中の収容所の状況を話してくれたことがありました。収容所の中は十分な食事が与えられず、衛生状態も悪く、収容者全員下痢をしていたそうです。そして、「下痢をするから、食べない」と言って、食事をとらなかった人は、みんな死んだ。おいしくない食事でも、何とか食べていて、下痢をしても食べてた人は、みんな生きて戻った」というのです。父は「いくら下痢をしても、食べたものが、すべて無駄になるものではない。必ず歩留りがある」というのです。
 幸い「菌の数を減らす薬」が効いたのか、受診翌日には喉の痛みは減り、食事も飲水も苦痛なくできるようになりました。私は長く医療機関に勤務していましたので看護師さんがよく「食い力」というのを聞いたことがありました。特に小児科の看護師さんは、赤ちゃんが口から自力で食べたり飲んだりするようになると見る見るうちに元気になる。どんな点滴や薬よりも「食い力」だ、というのです。
 まさに脱水症におびえていた時私は父のいたシベリアの収容所の塀の上を歩いていたようなものでした。喉の痛みが薬の効果で直ぐに治まってきたため助かりましたが、もう一日か二日あの喉の痛みが続けば命はなかったのではと思ってしまいます。
 ところで私は何故コロナに感染したのか振り返ってみましたが、全く覚えがありません。咳をしている方と接触していませんし、会合で同席した人にも感染者はいませんでした。ただ少し外出機会が増えていたのはありましたが。コロナ全盛期のように常時のマスク着用や頻回の手洗いやうがいはしていませんでした。目薬をさしたり、顔の汗を拭いたりすることは多かったとは思いますが。コロナが5類感染症になってから警戒感が薄れていたということでしょうか。
 終わりに、今回は私のコロナ初感染の話ばかりで申し訳ありませんでしたが、会員の皆さまの健康管理の参考にしていただければと思います。
 会員の皆さま、例年どおり愛命園では11月23日「園まつり」が行われます。準備にあたる職員の皆さまや利用者の皆様は、何よりもインフルエンザや新型コロナ感染症を警戒して基本的な予防策を行っていただき、何事もなく「園まつり」が開催できることを願っています。会員の皆さまには、体調には気を付けられ万障お繰り合わせの上、「園まつり」にご参加いただければ幸いです。



編集後記
 ここ数日で、急に朝晩の冷え込みを感じるようになりました。季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですが、皆様お変わりございませんか。副会長のお話にもありますが、新型コロナだけでなくインフルエンザや百日ぜき等の感染症も広がりを見せているようです。一人ひとりできる範囲で予防をしていくしかないのでしょう。
 「あゆみ」で、夏まつりが3年ぶりに開催できたという話題が出ております。愛命園では夏になると新型コロナの感染が広がるというサイクルが続いておりましたので、今回それを脱却することができ、胸をなでおろしたところです。
 11月には園まつりも控えております。愛命園における新型コロナの流行が、夏から秋に移るということにならぬよう願うばかりです。
 感染症や熊等心配事は尽きませんが、まずは旅行を無事終えること。そして、園まつりに向けた準備をしっかりと着実に進めてく。愛命園は今そのような状況です。