愛命園育成会だより 第103号



育成会副会長 大成 敏正

 愛命園育成会会員の皆さま、健やかにお過ごしでしょうか。
 今年の桜は、当初温暖化の影響でずいぶん早く開花との予想でした。愛命園でも「お花見」行事を1週間ほど早めて計画をされていたところでしたが、3月半ばの冷え込みにより例年より少し遅いぐらいの開花となりました。準備をされていた職員の皆様はずいぶんと心配されたと思いますが予 定日(4月1日)には、7分咲きぐらいにはなり、天候も良く利用者も職員の皆様も楽しく過ごされたと聞いています。
それにつけても近年の気候変動には気をつかわされます。例えば昨秋からの少雨です。愛命園のレンガ通りの直ぐ北側を流れる夜無谷川の水が私の記憶では1か月半以上にわたり全く水が流れていませんでした。私は山火事が起こるのではと心配していましたが、各地のダムの取水制限の話題が出始めた頃、広島特産のカキの不漁の話が伝えられるようになりました。海水の温度上昇と少雨のため川からの栄養たっぷりの水が流れてこないためにカキの身が大きくならなかったそうです。各地のカキ小屋も中止になってしまいました。
 また、後期高齢者間近の私にとって、冬場の暖かさは大助かりでした。降雪量の少なさや冷え込みの少なさは、交通機関の乱れもなく、こちらも大助かりでした。まあスキー場の方や冬物の衣料を取り扱っている方には気の毒でしたが。苦あれば楽ありということでしょうか。
 さて、コロナ禍も沈静化し愛命園にも平穏な日常が戻ってきています。恒例の行事が今まで通りできるような状況ではあります。しかしながら高齢化の波は愛命園にも襲い掛かってくるようで、体調を崩され入院される利用者が多くおられるようです。入院が長引き退所となる利用者も増えているとのことです。
 愛命園の利用者の定員割れは、コロナ禍前から少しありましたが、このような傾向が急速に進むと愛命園の経営にも影響がでるのではと心配しています。 ただ、親の高齢化で施設入所を希望される知的障害者は全国的にみれば2万人以上おられるとのことですので入所のニーズは潜在的にはあるようです。知的障害者のみの入所者を増やすことは、開園時の目的である視覚障害と知的障害を併せ持つ人たちの永久の施設からは少し外れてしまうかとは思いますが安定的な経営のためにはやむを得ないと私は考えています。
 私が愛命園にかかわるようになってからでも車椅子使用者は10名を軽く超えています。当然、食事や排せつなど介助の手を必要とする利用者が増えていることになります。このような状況は、「育成会」としてもしっかりと認識して、愛命園の利用者・職員の処遇改善にどのような協力ができるか考えていかなければとおもいます。今年は、「園祭り」の日が対面での総会の予定になっていますので、会員の皆さま何事もおこらないように祈ってください。
 終わりに、今年は元日に能登地震、その後の日本各地での地震の頻発、そして台湾東部地震と地震災害が続いています。国際的にはロシアとウクライナの紛争、イスラエルとパレスチナ、イランとの紛争の行方がどのように推移するのか心配でなりません。中東での紛争は、石油価格に大いに影響するでしょうから、物価高騰の引き金になりかねません。人為的な災害は勘弁してほしいものです。
 では、皆さんと世界の平和が一日も早く来るよう祈りながら結語とします。



寄せられた善意

令和6年1月26日〜
令和6年4月25日
(順不同敬称略)

《 寄 付 》
愛命園家族会


※いつも暖かいご支援ありがとうございます。都合により掲載を控えさせていただいた方もあります。



編集後記
 新緑が眩しい季節となりました。桜は終わりましたが、避難棟前の藤がきれいな紫色の花を咲かせています。花の周りでは、蜜を求めて多くの虫が飛び回っています。
 屋外に出ると、あちらこちらから小鳥の鳴き声が聞こえてきます。ツバメの巣作りもこれから進んでいくのでしょう。この時期気になるのが鳥からの落下物です。ふんもそうですが、巣の材料をぽたぽたと落としていくことがあります。すでに、愛命園の公用車にいくつか命中しております。これから巣作りの時期に入りますが、あまりひどいことにならなければいいのですが。