愛命園育成会だより 第101号

育成会副会長 大成 敏正

 会員の皆さま、健やかにお過ごしでしょうか。今年の夏は、例年より平均気温で2度以上暑かったとのこと。この夏の暑さとは、直接関係ないでしょうが、健康上の理由から「愛命園」園長の突然の交替がありました。前園長には、コロナ禍のなか、避難棟の建設などご苦労が多かったことと推察いたします。大変お世話になりました。どうぞ、体調には十分気を付けながら、新園長への引継ぎ・サポートを宜しくお願いいたしたいと存じます。 
 さて、話を暑かった今年の夏にもどしますと、この夏近所の子供たちの通学風景を観ていると雨の日全員傘をさすように、日差しのあるときは全員日傘をさして通学すべきではないかと思ってしまいました。熱中症対策は、帽子の着用だけではこれからの夏はできないのではないでしょうか。
 とは言え季節はもう秋真っ盛り。新型コロナ感染症もインフルエンザ同様の感染症法5類扱いとなり、各地のお祭りがコロナ禍前のように制限なしで開催されています。わが愛命園でも4年ぶりの「園まつり」開催とのことです。会員の皆さま、ぜひこの機会に園を訪れ、きれいになった外装や避難棟「さくらホール」2階から水内川の全景を楽しんでもらえればと思います。そして、創立50周年を迎えた「愛命園」の歴史を振り返りながら、利用者のことやこれからの「愛命園」に思いを馳せていただければと思います。
 それにつけてもこの夏、私にとって一番の驚きは、県立学校の寮の食事が提供されなくなった事件です。広島市中区にある給食調理会社「ホーユー」の、16億円の負債を抱えての倒産によるものですが、報道によると、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻の影響による資源価格や食料品などの輸入価格の上昇、円安の影響による物価の高騰、加えて働き手の減少による人件費の高騰や、食材費や電気代・ガス代・水道代の値上げが添加できない給食契約のシステムの問題などもあるのではとのことです。この事件の背景を知るにつけわが「愛命園」の給食は大丈夫か、思わず栄養士さんに訪ねてしまいました。物価高騰は、園の経営や利用者の処遇にも少なからず影響してくるものと感じています。
 このような状況のなか10月7日中東において新たな紛争が起こってしまいました。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルに対し大規模攻撃を実行しました。イスラエルも当然反撃を行いますから紛争というレベルで治まるかどうか、場所が場所なので資源価格にどのような影響がおよぶか心配でなりません。人間の業というか、紀元前からの恨みの連鎖がもたらしたこの紛争が国際社会の協力を得て一日も速くおさまることを祈るしかありません。
 終わりに、私はコロナ禍以降の様々な事件に思いを馳せるとき「愛命園」園歌(作詞 竹原 幹 4代目愛命園園長)の3番の歌詞にある「平和の尊さ信じつつ もてる力を惜しみなく」のフレーズを思い出していました。私はかつて、正直に申しますと3番の歌詞を大げさだなあと感じていました。しかし、世の中がこのように乱れてくるとまさにその通りだなと思えてきました。これからは「平和の尊さ」の意味を湯来町「愛命園」の片隅からであっても微力ながら平和維持のために何ができるか、何をすべきか考え行動して行くことを誓い、結語としたいと思います。


寄せられた善意

令和5年7月26日〜
令和5年10月25日
(順不同敬称略)

《 寄 付 》
寺中 久美子


※いつも暖かいご支援ありがとうございます。都合により掲載を控えさせていただいた方もあります。


編集後記
 愛命園は周囲を山に囲まれた中にあります。今年はクマが全国各地を騒がせているようですが、これまでのところそういった話は聞いておりません。この辺りはまれに目撃情報がある場所なので、このまま何事も無ければよいのですが。
 まわりの風景に目を移すと、レンガ通りの桜は葉の大半を落とし、イチョウの葉は色づき始めといったところです。この1ヶ月ほどで、夏から秋へ一気に季節が進んだように感じます。もう冬に片足を踏み入れているような、そんな感覚になります。今年の冬は暖冬傾向だそうですが、雪は多そうともいわれています。どうなるものでしょうか。
 さて、愛命園では11月23日の「愛命園園まつり」開催に向け準備を進めております。まずは無事開催できること願い、そのうえで多くの方においでいただいて、4年ぶりの園まつりが盛り上がることになれば幸いです。