第207号 愛命園だより「あゆみ」 令和7年4月
ご挨拶
社会福祉法人
広島県視覚障害者団体連合会
会長 橘髙 則行
昭和48年6月開園、時の流れは速いものですね。当事者の先輩達は、後輩達の50年、100年先の将来を見据えて盲重複障害の方々の生活の場の確保にご尽力して頂きました。既に創立から50年を過ぎ、地域の一員としてその存在感は認められています。愛命園に心を寄せご支援を賜りました、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
年度の節目、長年勤務して頂いた職員の退職、新たな職員の就任がありました。退職された職員の皆様には、愛命園に寄せられたご支援に感謝申し上げます。また新職員には、早く職場に慣れて頂き利用者さんと楽しい日々が過ごせるよう期待申し上げます。利用者の高齢化重度化は時と共に進み、支援度も増してきます。障害者支援施設としての愛命園は変わる事なく支援の必要な方の入所施設として運営して参ります。
4月3日の花見に行かせてもらいました。地球温暖化か異常気象か今年は少し桜の開花は遅れ、2分咲き程度で気温も少し肌寒い日でしたが、利用者の皆さん花見弁当、職員とのクイズ、カラオケで楽しまれている様子を見させて頂き利用者さんと職員の皆さんの良い関係が見られ愛命園が一つの家族になっているようでした。
近年各地で自然災害が多発しています。新年度を迎え、一番の心配は、誰にも予想の出来ない自然災害ではないでしょうか。地震に豪雨、感染症、出来る事をするしかありません。愛命園ではすでに作成して頂いていますが、法人としてもBCPを作製して備えたところです。地球規模で地震が多発しています。発生の予想は難しいですが、備えは可能です。備えには限りがありますが、出来る事には積極的に取り組んでいきたいと思いますのでご協力を宜しくお願い致します。
災害を考える本がありました。皆さんご存じのラフカディオ・ハーン「小泉八雲」の日本人論を紹介した本です。小泉八雲は、ギリシャ生まれのアイルランド人、新聞記者、小説家、随筆家、日本研究家です。自然災害に見舞われることが多くあった日本。自然災害の経験を活かし、防災・減災に役立ててきた日本人。どのように災害に向き合ってきたか、代々受け継がれてきた風習・伝承、記念碑について説かれています。愛命園も水害等に備え避難棟の整備をすることが出来ました。また、八雲の代表作と言えば「怪談」で、耳無芳一・ろくろ首・雪おんななどの日本各地に伝わる民話を語りなおした再話があります。八雲は16才の時、遊びの中で飛んできたロープが左目に当たり失明、右目も強度の近視だったそうです。
今年後期のNHKの朝ドラでは、八雲に寄添い陰ながら応援する妻「小泉セツ」をモデルにしたドラマ「ばけばけ」が放映されるようです。どんなドラマか楽しみに待ちたいと思います。リアルタイムでは見られないので録画をして見ようと思います。
愛命園に関わるすべての皆様、引き続き愛命園に対しまして暖かいご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
桜の植樹
愛命園園長 髙橋 義彰
昨年の春、JBニュースで『春めき』という桜の記事に出会いました。その桜は、ソメイヨシノより一足早く咲き、他の桜より一層花の香りがするのだそうです。愛命園にも桜の木はありますが、川沿いのフェンスの向こう側やグランドの隅にあり、視覚障害のある利用者の皆さんにはあまり感じていただくことができませんでした。
そこで記事に掲載されていた神奈川県の春めき財団様に連絡させていただきました。突然の連絡にも関わらず快くお話を聞いてくださり、さらには春めき桜の苗をご寄付くださるとことでした。大変ありがたいお話にとても感謝しています。
ただその時にはすでに時期が過ぎていたので、「頃良い時期に送りますよ」とお話をいただいていました。そして時が経ち今年の1月に春めき桜の苗が届きました。
桜の苗は川沿いの居室近くに利用者の皆さんと一緒に植えました。一人ずつスコップを手に取って未来への絆や願いを込めて、大切に植えさせていただきました。この春、早速つぼみが出ています。いつか、淡い花の香りが立ち込めて、そしてこの桜が年を重ねて大きく育つように、私たちの活動もより実り多く、皆さまに愛されるものとなるよう努めてまいります。皆様にも春めき桜と愛命園の成長を見守っていただけたら幸いです。
春めき財団様の心のこもったご厚志に、心より感謝申し上げ
行事報告
節分
生活支援員 宮木 明美
2月3日に節分を行いました。今年年男年女の利用者は3人でした。
ホールで新聞紙を豆の様に丸めた物を鬼に扮した職員に投げ大いに盛り上がりました。その後、利用者代表の年男山下昌二さん、佐々木茂生さん、岩﨑保彦さんの3人が、園の玄関先に出て今年の恵方(西南西)に向け職員と一緒に「鬼は外、福は内」と元気に豆を投げ今年1年の健康を祈願しました。そして、利用者さんには節分の豆の代替えとしてラムネ菓子とたまごボーロを甘茶と一緒に提供させて頂きました。
今年は節分に合わせて、鬼のお面を寄付して頂いたおかげで、大いに盛り上がったのではないでしょうか。まだまだ寒い日でしたが少し春を感じる1日でした。
湯来東小学校福祉体験学習会
生活支援員 三枡 満
当初、令和6年12月5日に実施予定となっていました湯来東小学校の福祉体験学習が、諸事情により延期となり、2月4日の午前中ようやく開催することができました。
雪が降る中、3、4年生12名の児童の皆さんと2名の先生が来園され、玄関での検温と手指消毒をしていただき、予定より早めの10時15分からの開始となりました。ホールで児童の皆さん自己紹介から始まり、ハンドベルとトーンチャイムを使いながら「歓びの歌」と「上を向いて歩こう」の元気な歌声が披露されると利用者さんから手拍子と拍手が送られました。その後、この日の為に利用者さんが練習をしてきた「夢をかなえてドラえもん」と「Believe」を皆さんで合唱しました。
場所を移動し創作棟ではペーパー折りやビーズ詰め、作業棟では貝通しの説明と見学を実施しました。
休憩後、終わりの会では髙橋園長のあいさつ、伊藤課長の視覚障害について学習を行いました。目を閉じて2分間の紙飛行機折り、色紙の表と裏の触察、視覚障害者が描くリンゴやバスの絵についての説明や、利き目や視野のこと、白杖を持っている方への声かけについて学んでいただきました。児童の感想の中には、「目を瞑っての紙飛行機折りは、時間が足りなかった」とか、「家に帰っても、視覚障害のことについて勉強していきたいです」と発表されていました。
児童の皆さん、利用者の皆さんも大変喜ばれた学習会となりました。
活動係慰労会
生活支援員 髙畠 瑞枝
年度の締めくくりとして、活動係の慰労会を昨年同様さくらホールで行いました。天気は雨でしたがさくらホールは様々な花飾りで覆われていました。お弁当は[千鳥]プレートの2種類にしました。ひとつはお寿司、もうひとつはエビフライに唐揚げ、ナポリタン等々ボリューム満点。「エビフライあるよ」「ナポリタンと焼きそばも入っとるー」「お寿司も美味しいね」等、満足され完食されていました。
来年の抱負も「元気に頑張ります」や「身体にむち打って頑張ります」等やる気満々な意見が多かったです。食後にフードドライブで頂いたコーヒーも堪能され、ゆったりとした時間を過ごす事が出来ました。
花見
生活支援員 奥田 美紀
令和7年4月3日、晴天に恵まれるも外は少し肌寒さを感じる中、お花見を行いました。桜は満開とは言えないものの七分咲程の中、利用者の皆さんも桜を楽しみながら、ちらし寿司、桜餅、エビフライと華やかに盛りつけられたお花見弁当を美味しいと食べられておられました。普段とは違ったお弁当に食欲のない利用者も完食されていました。
食事が落ち着いた頃に、レクリエーションとして声を変えた職員に、誰だかばれないように話してもらい、その職員の名前を当てるという「この人は誰でしょう」クイズを行いました。「えー誰なん」「…ちがうなー」など色々な声が出る中、手を上げずに答える方もいらっしゃいました。大きな笑い声が響き皆さん、楽しまれていた様子でした。
十分な準備が出来ず申し訳ない気持ちもありましたが、利用者の皆さんの元気で明るい笑顔から私達も元気とパワーを貰いました。今年も花見をはじめ、園行事を力一杯行っていけたらと思います。
カラオケ大会
生活支援員 白石 聡
花見の後は毎年開催のカラオケ大会を実施しました。午後になり風は強く暑い日差しに。わずかに時期が早かったのか満開の桜とは行きませんでしたが、十分に春らしい陽気の中、各人の得意曲を披露されていました。皆さん週2回のカラオケで歌っておられる得意曲がありますが、今回は第一興商様から機材をレンタルさせて頂き、今まで歌えなかった曲が歌えるという事もあり普段とは違う曲を歌われる方もいらっしゃいました。
最後は皆でカープの優勝を祈願し「それ行けカープ」を合唱しました。
利用者自治会より挨拶
自治会長 長谷 泰江
令和7年度、利用者自治会長になりました長谷泰江です。初めて会長になり何も解らないですが、職員や皆さんに色々教えて貰いながら、この一年頑張っていきたいです。宜しくお願い致します。
家族会より
日々是好日
愛命園家族会 合田 芳恵
息子が愛命園に入所したのが8年前の春、駆け足のように駆け抜けた8年。
入所の頃はきっと、本人も苦しかったにちがいない。不安でいっぱいだったに違いない。
息子が決して口にしない言葉がある。私は、それをしっかりと受け止めて涙と共に腹に落とす。そんな私の「砥石」となって今日まで研ぎ続けてくれている息子に感謝。
禅のことばで「日々是好日」と言う言葉があります。私の好きなことばです。
どんな日だって明日に繋がるということ。その日その日が好い日であるということ。晴れの日もあれば嵐の日もあります。でもどんな日もそれぞれに価値があります。つらいことがあってもそれを次の機会に活かすことができれば、それは自分を成長させる養分となります。そう考えれば悪い日なんてなくなってしまいます。だからその日その日が好い日であるということ。
歳をとっても悩みは尽きません。「日々是好日」のごとくこれからの日々を息子と共に、「老い」を楽しみながら生き抜きたい。又、愛命園の職員の方々へ言い尽くせぬ感謝の思いを込めて…。
木漏れ日リレー
生活支援員 奥田 美紀
春の日差しが徐々に、過ごしやすい季節を感じる毎日です。
猫のココアとトイプードルのめいを飼っています。最近は電気代も高いので外出時には暖房を消して出るのですが、帰宅するとめいは大はしゃぎで飛び回るにも拘らず、ココアは丸くなりソファーで眠っています。めいはココアに言います。春を感じウトウト眠いのか「わん」と…。
フィットネスクラブ カーブス様より
管理栄養士 青木 ましず
カーブス様には毎年、沢山の食料品を寄贈して頂いています。この食品はフードドライブ運動に協賛された皆様から提供された食材を集められた品です。
今年も3月に色々な食料品を頂きありがとうございます。利用者さんが毎回楽しみにされているおやつバイキングを早速実施し、柔らかいお菓子、固いお菓子、甘いお菓子、しょっぱいお菓子と分け、各テーブルの山盛りトレーがあっという間に少なくなっていきました。「おいしいよー」「まだ食べられるよー」と、とても賑やかで楽しいひと時でした。
寄せられた善意
令和7年1月26日~令和7年4月14日
(順不同・敬称略)
《現 金》
株式会社ビッグラン
代表取締役 増田 裕明
谷川 隆子 愛命園育成会
大成 敏正 橘髙 則行
林 弘子
《現 物》
お面 増田 智子
りんご 谷川 隆子
《朗読奉仕》
どんぐり会
《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子
※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。
人の動き
《入 所》
4月14日付 金 鮮結
《退 所》
4月10日付 丸田 俊明
《退 職》
1月31日付 理学療法士 岡野 勝正
3月31日付
生活支援員 森野 香菜子
理学療法士 大成 敏正
非常勤生活支援員 荒木 美恵子
非常勤生活支援員 下前 美佐江
《就 職》
2月1日付 作業療法士 沖田 将史
2月3日付 非常勤生活支援員 藤津 愛
4月1日付 生活支援員 松田 奈々
着任者挨拶
作業療法士 沖田 将史
この度、令和7年2月より愛命園に作業療法士として着任しました沖田将史と申します。私は地元湯来町で育ち、大学卒業後は江田島の病院で勤務をしておりました。作業療法士としてはこの4月で7年目を迎えます。 私事ではありますが、私の実家は愛命園からとても近く園の行事や、小中学校の行事で利用者様と関わらせていただく機会が多くあり、今でも楽しい思い出として残っています。その愛命園で作業療法士として勤めることができ大変嬉しく思っています。着任して3か月程が経ち、まだまだ慣れないこともありますが利用者様の明るさや元気にいつも助けられています。長年勤められた理学療法士の先生方の後を引き継ぎ、利用者様には笑顔が絶えず安心して園生活を送っていただけるように持ち前の元気と明るさで頑張って参ります。今後ともよろしくお願いいたします。
生活支援員 松田 奈々
4月1日から就職しました、松田奈々です。これまで高齢者施設で約9年間介護業務に携わってきました。障害者施設は初めてですので、至らぬ点はあるかと存じますがどうぞよろしくお願い致します。
生活支援員 藤津 愛
この2月から生活支援員として働いている藤津愛です。以前は製造業の会社に勤めており、介護については全く初心者なのですが、職員の先輩方がひとつひとつ丁寧に指導して下さり、また、利用者の皆様のあたたかさに支えられて、感動の多い充実した毎日を過ごすことができています。
これからも明るく、皆様に元気と信頼を届けられる職員になれるように努めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
編集後記
先日、愛犬のシャンプーをすると毛ボールができるほど冬毛が抜け、季節の移ろいを感じました。「あゆみ」も新年度になり新しい編集委員も加わりました。これからも園での活動を紹介させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(M.M)