第202号   愛命園だより「あゆみ」   令和6年1月



新年のごあいさつ
社会福祉法人
広島県視覚障害者団体連合会
  会長 橘高 則行
 愛命園を応援していただいている皆様、新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、お健やかに新年をお迎えの事とお慶び申し上げます。
 今年の干支は十二支の5番目の辰年です。辰年に関わる事を調べると、辰年は政治などに大きな変化が起きることが多い年といわれています。156年前の戊辰戦争や120年前の日露戦争、また総選挙も辰年に多く行われています。
 辰年の明るい話題としては、東京スカイツリー開業、2000円札発行、青函トンネルの開通・瀬戸大橋開業や東京五輪・東海道新幹線開業などの国家プロジェクトと言った大きな出来事が始まる年でもありました。辰年は龍が空高く昇るがごとく、何事も成長が加速する年とも言われています。愛命園も半世紀を超え、100周年に向け障害者支援施設としてサービスの更なる充実に努めて行きたいと思います。
 しかし、元日早々ビックリするニュース、北陸地方を襲った令和6年能登半島地震の情報が飛び込んで来ました。テレビ放送はすべてこのニュース一色、次々と出される地震速報や津波情報、大津波警報等の情報に、あの東日本大震災を思い出し恐怖がよみがえりました。
 また、2日には羽田空港で航空機衝突炎上事故が発生。日航機の乗客乗員は全て避難されましたが、海保機の乗員は、地震被災地へ救援物資を運ぶ命を受け支援に向かっていたにも拘らず、5名の方が犠牲となられました。 3日には北九州での大火災が大きく報じられておりました。年の初めに被災された方々には謹んでお見舞い申し上げます。
 昨年は、念願していた避難棟(さくらホール)が完成、6月には愛命園創立50周年の節目をお祝いし、11月の園まつりも4年ぶりに地域に開かれたかたちで盛大に開催できました。
 しかし、安心していたのではありませんが、12月に入った頃に職員・利用者数名がコロナに感染。これにより皆さんが楽しみにされていたクリスマス会は中止に。その後感染が拡大しクラスターと判断されるに至りました。職員・利用者と多くの感染者の報告を受け心配致しましたが、大事には至らず約1ヶ月で感染は収束となり安心致しました。
 私の正月は、元日は毎年元旦祭に参列し気持ち新たに新年をスタート、2日と3日は東京箱根間を往復する大学駅伝の応援で正月を終えてしまいます。この大会の第1回大会は大正12年に明治・早稲田・慶応義塾・東京高等師範学校の4校で開催され、初回優勝は東京高等師範学校だったようです。あれから100年、節目の年を迎え第100回東京箱根間往復大学駅伝が開催されました。結果は、応援していた青山学院が10区間219.2キロを大会新記録の10時間41分25秒で優勝。出足の1区は9位でしたが3区で首位に立ち、その後10区まで地元世羅高校出身の選手も大活躍、三原市出身の原監督の基、選手一丸となり素敵なドラマを演出してくれました。駅伝では一人ひとりが母校を背負い、タスキを繋ぐ次走者への想い、真に自分との戦いを制する強い気持ち、今回も様々なドラマが繰り広げられ、ドキドキワクワクいろいろな事を考えさせてもらいました。
 愛命園の利用者は年々高齢化、重度化が進み支援度は増していますが、介護サービスの質に工夫を求め快適な生活空間を目指して職員支援者一丸となり取り組んで行きます。愛命園育成会、家族会、関係者の皆様引き続き愛命園に対しましてご支援ご協力を賜ります様宜しくお願い申し上げます。
今年も皆様にとりまして素晴らしい年となります様、心よりお祈り申し上げます。



今年もよろしくお願い致します
園長 髙橋 義彰
 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。1月1日に発生しました能登半島地震にて、被災されました方々に心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興を願い、私たちに今できることを考えたいと思います。
 愛命園では年末から年明けにかけ、新型コロナウィルスによる感染が拡がりクラスターとなりました。私自身も新型コロナウィルスに初めて感染したものの、症状はさほど重くありませんでした。利用者、職員併せて30名を超える拡がりを止められず、クラスター化のために一部の方の年末帰省が中止になり、クリスマス会や初詣といった年末年始の行事も中止となりましたこと、そしてみなさんに大変なご負担をおかけいたしましたことについて申し訳なく思います。その後1月中旬には終息いたしましたことをご報告させていただきます。
 災害や感染対策など、課題は多いのですが前向きにひとつずつ丁寧に向き合っていきたいと思っています。
 私は3つの目標を掲げています。1つは「利用者のみなさんの満足度アップ」2つ目は「職員のやりがい・充実度アップ」、3つ目は「愛命園の安定運営」です。
 1つ目の「利用者みなさんの満足度アップ」とは、これまで入所されている方には感染症等にて大きな生活制限をお願いしてきました。遊びに行きたい、美味しいものを食べに行きたいという希望を我慢して頂いたことも1度や2度ではありません。これからはより楽しく安心して充実した生活を過ごせるよう取り組んでいくことを目標としています。2つ目の「職員のやりがい・充実度アップ」とは、支援者が健康で穏やかな状況でなければ、より良い支援は難しいとの考えのもと、リフレッシュ休暇や、感染症・体調不良の際には気兼ねなく休みが取得できるよう特休・年休取得の推進に取り組むつもりです。また安全、安心の介助ができるよう福祉用具・機器の導入など、予算の兼ね合いもありますので、いきなり多くの物はかなわないかもしれませんが積極的に進めていきたいと考えています。3つ目は愛命園の安定運営です。現在、愛命園の入所利用者は定員60名に対し55名です。これまでコロナ禍でもあり積極的なご利用受入れが難しかったこと、また職員の人材確保も難しいところですが、地域に根付き強く安定した愛命園となるよう全力を尽くしたいと思います。
 また私個人の話ではございますが、今年は「腹筋を割る」ことを目標としています。運動不足気味で、だんだんと弛んできた自分を引き締めるつもりでがんばります。何卒ご指導ご鞭撻、よろしくお願いいたします。



園まつり
生活支援員 白石 聡
 去る11月23日、愛命園園まつりが開催されました。
 地域の方々や利用者のご家族等、外部からお客様に来ていただきながらの開催は実に久しぶりで、園の状況もコロナ前とは異なるところが多い中、今回の園まつりは殆ど手探り状態で計画がスタートしました。
 「園まつりは本当に出来るのか?またコロナが来て出来なくなるんじゃないのか?」等、一部の利用者からは不安視する声も。更に、今年度からはさくらホールも増築されており、園のどの場所で何を行うか?等、過去の資料とにらみ合いながらも多くの方々にご意見を頂き、私自身このような段取りが苦手で不慣れな中慎重にゆっくりと進めさせていただきました。
 開催当日、各担当職員の協力のもと「バザー」「二重焼きコーナー」「和太鼓の演奏」「神楽の演舞」「お茶席」「喫茶コーナー」等など…過去の園まつりで行ってきたものに近い内容の事が出来たと思います。
 また、ここでは書ききれないくらいの利用者の皆さんの「楽しいのう」「美味しいのう」との声や、外部のお客様からの「迫力ある神楽演舞ですね!」等という声を頂け、会場がにぎわっている様子を見ながら「まるでコロナ前の様だ」と懐かしさを感じました。
 和太鼓を披露して下さった湯来南高等学校和太鼓部の皆様、神楽を披露して下さった加計高等学校芸北分校神楽部の皆様、そして多くのボランティアスタッフにご協力をいただき、無事園まつりを終えることが出来ました。この場をお借りしまして、関わって頂けた方々にあらためてお礼を申し上げたいと思います。この度はこのような大役を務めさせていただき、本当にありがとうございました。



カボチャを食す会と芋を食す会
支援課長 伊藤 章
 食欲の秋、秋の味覚と言えば皆さんは何がお好きでしょうか。
 4年振りの園まつりが近付いてきた10月18日、安芸太田町津波在住の田谷さんとおっしゃる方より「初めてご連絡しますが、良いカボチャが出来たので良かったら食べていただけませんか」と沢山のひょうたんカボチャを頂きました。
 愛命園の食事は委託業者に委託している為、食事としての使用は出来ませんが、そうした暖かいお心遣いに感謝し、利用者の皆さんに季節のもの、旬を感じていただくことを目的にとした食す会を開催しました。皮を剥いで3cm大のサイコロ状にカットしたカボチャを電子レンジで加熱し、お好みでマヨネーズや明太マヨネーズを添えて食べていただきました。
 また、11月9日にはご近所の和田さんのご厚意で、畑で出来たお芋で「芋掘り体験を」とのご提案いただきました。利用者を代表して、農耕作業の経験のある岡野さん・長谷さん・宮木さんで収穫させていただくことになりました。
 3名の方は前日のインフルエンザ予防接種の影響も無く、まだ肌寒さのある午前10時、厚手の上着に袖を通し、園を出発されました。
 徒歩10分弱で現地到着。さつまいもの植えられた3本の畝を半分程掘り進みながら、岡野さんは「これは大きいで~」と笑みを浮かべて喜ばれ、宮木さんは土を触って「気持ちいいの~」、芋を掘り起こし「ええ芋じゃ」とご満悦。長谷さんはしゃがんで楽しそうに「よいしょ、よいしょ」と一生懸命に掘り起こされていましたが、あまりの数に、途中で疲れたご様子で「いや~汗かいた」と座って休まれる場面もありました。
 大きな大きな紅はるかと安納芋を一輪車2台分収穫させていただき、後日おやつの時間での提供となりました。
 ここ数年は特に嚥下の心配な方も増えて来られた為、ミキサーでマッシュ状にし、パイン缶、白桃缶のシロップとコーヒーフレッシュを加え、なめらかなペーストに仕上げ召し上がっていただきました。皆さん、次々に「おかわり~」と手を挙げておられました。



家族会より
会長 畑後 克二
 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 昨年度は愛命園開園50周年の節目の年でした。半世紀、携わってこられた歴代の園長、スタッフの方々に感謝いたします。
 昨年は様々な園行事が実施できたようで良かったですね。まだまだ新型コロナは収まっていないので、引き続き注意していきたいところです。
 また、新年早々石川県に大きな地震があってびっくりしました。今後も大きな自信がないことを願いたいですね。
 今年もどうぞよろしくお願いします。



~木漏れ日~
リレー随想
事務長 石田 まゆみ
 我が家には田畑があり、生前の父母は季節の野菜を植え買うこともなく食べていました。しかし、二人とも亡くなった後、畑には草が生え草刈・草取りが忙しい毎日になりました。野菜を作っておられる数名の職員さんより「苗があるから植えんさい」といつも声を掛けていただき、少しずつ野菜を植え始めましたが、白菜やキャベツ等なかなか上手く出来ず、たまに上手に出来たと思いきや、猿?たぬき?イタチ?が先に取って食べてしまう事もあり、結局は買って食べる事になります。
 しかし、自分で作った野菜は、出来が悪くても美味しいと感じながら食べています。自我自賛ですが…。野菜高騰のおり、これからも、あまり頑張らず、野菜の自給自足を目指したいと思います。



寄せられた善意
       令和5年10月26日~
          令和5年1月25日
           (順不同・敬称略)
《現  金》
前田 秀昭     谷川 隆子
政岡 和明     原田 秀夫
田島 定

(園まつり)
上小倉 正     清水 都美子
福島 利通     福島 サヨ子
大成 敏正     新庄 よし子
前 和枝      林 髙士
沖野 ヨリ子    亀井 里之
伊藤 守夫     林 弘子
佐々木 弘子    吉見 真也
橘髙 則行     元谷 義治
和田 信昭     則末 伸夫
白兼 ツタ子    新庄 孝
西廣 建治     竹内 美千代
清水 光明     谷川 和江
河野 久美子    白井 儷准子
平岡衣料品店    愛命園家族会
森井旅館      妙安寺
西部環境有限会社
広島佐伯ライオンズクラブ
福山市視覚障害者地域活動支援センター
蔵田ファイリング株式会社

《現  物》
かぼちゃ    高野 正明
米       前田 秀昭
クリスマスリース
    YMCA広島ワイズメンズクラブ
葉牡丹     有限会社YUKI
花       中山 州満子
しめ飾り    梅田 義文
りんご     谷川 隆子

(園まつりバザー)
水野 早苗     藤居 美奈子
三宅 千代子    原 巴美
御堂 輝昭     甲便 悦子
下田 武正     川崎 摂子
坂口 順子     前田計文堂
林 敦子      筒井 美千恵
上原 聖子     新庄 久美子
岡田 麻里子    斎藤 秀子
本田 篤子     栗栖 紀美子
松本 望美     坂口 月子
清水 利則     武田 君枝
橋本 貴佐     和田 靖幸
坂本 和代     山下 峰子
村田 静枝     福島 利通
春川 弘美     佐藤 美紀
木村 道子     金田 久江
上小倉 正     田村 たかよし
山本 みよこ    増田 智子
小笹 佳美     藤長 憲子
平林 昭美     堀川 雅人
小島 雅子     寺尾 香保里
遠藤 和博     竹田 孝幸
野上 博揮     前 芳恵
岡本 悦子     高野 正明
則末 伸夫     徳永 弘美
池田 はやみ    亀井 里之
徳永 保      中山 和浩
宮崎 秀子     清政 幸惠
髙橋 義彰     髙畠 瑞枝
伊藤 章      宮木 明美
二川 千佐子    白石 聡
松田 耕作     沖田 美穂
高岡 明美     荒木 美恵子
岡本 留美子    森下 静枝
西田 つや子    河野 令子
下前 美佐江    山根 一洋
奥田 美紀     小山 みどり
和田 美幸     森井 康子
青木 ましず    石田 まゆみ
松永 千和
広島佐伯ライオンズクラブ
湯来電化      日昇産業株式会社
蔵田ファイリング株式会社
ピーターパン    平岡衣料品店
株式会社西部防災  八洲管理株式会社
有限会社ケービーエム
西日本三建サービス株式会社
株式会社ささき観光
ムカイ理容室
大旗連合建築設計株式会社
坂口クリーニング店
有限会社ミヤモト緑化産業

《門  松》
作成、材料    今津 光春

《芋ほり体験》
和田 靖幸

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。

《表  彰》
広島市長表彰    松永 千和

編集後記
 今年は暖冬だと言われておりましたが、今のところその通りですね。このまま穏やかに春を迎えられればいいですが。(HY)