第195号   愛命園だより「あゆみ」   令和4年4月

新年度を迎えて
社会福祉法人 
広島県視覚障害者団体連合会
会長 橘髙 則行
 4月1日には愛命園に行かせて頂きました、園の桜も3月末の離任式、4月初日の着任式には、老木になりながらも見事な花を咲かせてくれました。
 3月31日で、29年間の長きに渡り法人職員として勤務していただきました竹内美千代事務長が退職されました。竹内事務長の労苦に対しまして、敬意と感謝を申し上げたいと思います。また、後任の石田まゆみ事務長の就任に当たっては、愛命園の財務省として手腕を振るって頂き園長と共に職員一丸となり愛命園の運営にご尽力頂きますよう心より祈念致します。
 今年度は念願していた避難棟の建設工事が始まります。昨今の豪雨災害を考えれば、利用者の高齢化、重度化は待ったなしで訪れ、利用者の安全安心の確保を思えば、遅きに失した感は有りますが、着工に至り懸念材料は一つクリア出来たのではないでしょうか。今夏の台風シーズンに豪雨等で避難指示の出ない事を祈っています。
 コロナウイルス感染症の発生から3年目を迎えました。この間、職員の皆さんには私生活は基より、職場においても感染拡大防止に気を配り園の運営にご尽力を頂き、感染者を出す事なく今日まで来られています事に感謝申し上げます。ワクチン接種も3回目が終わり、感染しても重度化はしないのではないかとコロナに対する警戒感が薄れている感はありますが、感染状況は高止まりを見せています。引き続き感染防止対策の対応を宜しくお願いいたします。
 今年度の事業計画で各種行事を計画して頂いていますが、利用者の安全を思い、外部からの来園者を制限し、地域の皆さんとの交流も制限せざるを得ない状況が続くかと思います。利用者さんの生きがいづくりを思えば、ふれあいづくりは必要かと思います。皆さんで知恵を出し、工夫を重ね支援体制を考えて行きたいですね。
 少し先の話となりますが、避難棟の完成を機に、地域とのかかわりを大切にし、より一層地域に開かれた愛命園を目指し地域の皆さんに支えて頂ける愛命園、愛される愛命園となる事を願っています。引き続き今年度も皆様のご支援ご協力を宜しくお願いいたします。


コロナ対策として
看護師 松永 千和
 この度、公益財団法人JKA様による『緊急的な対応を必要とする事業(新型コロナウイルス感染症の拡大防止策)補助事業』として、費用の全額を補助していただいて、サーモカメラ1台、オゾン発生器(空気清浄機)2台、パルスオキシメーター2台、非常用発電機2台を導入いたしました。
 サーモカメラ
 職員出入口に設置し、出勤時に検温を行っています。

 オゾン発生器
 オゾンの除菌力により、ウイルスや菌を分解します。複数人が集まる作業室の2か所に設置しました。安心して活動していただける環境となりました。

 パルスオキシメーター
 必要に応じて利用者の健康状態を把握するために活用させていただいています。

 非常用発電機
 停電時の電源として、主に酸素濃縮装置や喀痰吸引器等に使用していきます。

 コロナ感染症が流行してから3年目を迎えましたが、感染症対策を行うにあたり、大変心強く感じています。ありがとうございました。


よろしくお願いします
事務長 石田 まゆみ
桜の花も満開からいっきに花びらを落とし、葉桜となりました。
4月より事務長をすることになりました、石田まゆみです。今まで生活支援員として勤務しておりましたが、竹内事務長が退職され、その後を引継ぐ事になりました。仕事内容等、ほぼ初めての事で、戸惑いや不安もありますが、精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。


自治会会長挨拶
 この度、自治会会長に就任しました
江野脇 操です。
 皆さんが、明るく楽しく過ごせるように頑張ります。宜しくお願い致します。


お花見開催
生活支援員 竹内 仁志
 3月21日、広島に桜の開花宣言が出されました。4月5日の花見当日、愛命園の桜は満開で、雲一つない青空のお花見日和でした。コロナ禍の為、去年同様感染対策をし、規模を縮小して行いました。
 9時過ぎからお弁当の準備を進め、10時会場づくり、11時30分にお花見開始となりました。来賓として、法人から橘髙会長と金岡事務局長、そして林前園長に出席いただきました。
 来賓の挨拶の後、自治会会長の江野脇さんの乾杯の音頭で会食がスタート。会食の合間に、数人の職員に今年度の抱負などを発表してもらいました。最後は、園長による閉会の挨拶で終了です。
 終了後、利用者の方に感想を伺ったところ、「お弁当が美味しかった」「酒が美味くて飲み過ぎた」「来年も楽しみ」などの意見を頂きました。
 自分自身、初めての行事担当となりましたが、他の職員の協力もあり、無事進行することができました。


カラオケ大会開催!
生活支援員 益成 純也
 桜舞い散る中、お花見の後は皆さんお待ちかねのカラオケ大会の開催です。晴天に恵まれ、レンガ通りにゴザやソファーを置いて、青空の下でカラオケを楽しんでいただくことができました。感染対策として、手指消毒とマイクの消毒を都度行いました。
事前にリクエスト曲を選んでもらっていたので、毎週日曜日のカラオケで練習している好きな歌を、一人ひとりが適度な緊張の中でしっかりと歌われ、大いに盛り上がりました。声を出すことは良いストレス発散になります。コロナ禍で溜まったストレスも一気に発散できたのではないでしょうか。
 カラオケ終了後には「スッキリした」「歌って気持ちよかったー」「もっとたくさん拍手が欲しかった」「今度は店に行って歌いたい」と皆様からいろいろな意見を頂いています。願わくは、コロナ禍が落ち着き、カラオケ店に赴いて思う存分歌を満喫できる日が訪れればいいなと思います。


節分
生活支援員 𠮷本 結子
 2月3日の節分の日に愛命園では節分行事を行いました。
 玄関先にはイワシの頭をヒイラギと一緒に吊るし、イワシを焼きました。
 コロナ禍という事で豆まきはどの様に行えばいいのだろうか…と悩みました。利用者の皆さんに大きな声で「鬼は外。福は内」と豆まきをして頂きたい。でも密になってはいけない。大勢で大声を出してはいけない。利用者の安全を優先にと悩んだ末、年男・年女の4名の方に利用者代表となって頂き、玄関先で豆まきを行いました。
 職員が鬼となり4名の代表者が豆をまき、その様子を参加できなない利用者にも伝わるよう、館内放送で実況中継をしました。するとホールにおられた利用者さんも「鬼は外」と盛り上がっておられ、驚きと同時に喜びがありました。行事内容は縮小しましたが、放送を通じて豆まきを楽しんで頂けたかなと思いました。
 おやつの時間には皆さんに、黒豆茶とラムネ菓子を提供し、節分行事を終えました。愛命園では、全ての行事を利用者さんの安全を優先に考え感染症対策をとりながら行っています。早く元通りの日常に戻れる事を願い、今できる事をしっかり務めて参りたいと思います。


活動係 慰労会
生活支援員 髙畠 瑞枝
 今年度の締めくくりとして令和4年3月24日に活動係の慰労会を行いました。蔓延防止措置は解除となりましたが、まだまだコロナ感染者が多い為、時間を短縮し園内での実施となりました。食事は『仕出しおかだ』の2段折り詰弁当で、お寿司や揚げ物、惣菜等全て手作りで、「これ美味しいね」「お腹いっぱいだけど美味しいけぇまだ食べる」等の声もあり、利用者同士や職員と会話をしながら満喫されていました。事前にアンケートを聞いていた抱負は、食事中に作業棟・創作棟の非常勤職員より発表をしてもらい、「来年はもっと頑張る」「マイペースで頑張る」「作業も頑張るが他の趣味も頑張りたい」「外出したい、酒を飲みに行きたい」等色々な抱負が聞けました。ここ数年コロナで外出もなかなか出来ませんが、時間は短いけどみんなで食事をしたり会話を楽しむことで少しでも満足してもらい、活動に繋げていきたいと思います。来年は外出先で慰労会が出来る事を願います。


家族会より
春が来た
愛命園家族会 合田 芳恵
 暖かな春らしいある日、私は、保育園の子どもたちと一緒に、お散歩に出かけました。
 みんなで春の風を感じながら、桜の並木を歩いていると、アレッと、子どもが大きな古木の前で立ち止まったのです。丁度、子どもの目の高さに、太い古木の幹から新しい目が吹き出し、幹から飛び出して咲いている一輪のさくらがありました。
 そっと、手を差しのべる小さな手、「あっ、みーつけた‼」とでも思ったのでしょう。その様子を見て、私は、禅のことば、「梅花新発(ばいかあらたにひらく)」を思い起こします。太い幹から飛び出した一輪の花は力強い命の息吹を覚えるものです。ある禅僧が、一輪の花に大木の根の「ねがい」があるのに似ていると言われます。私は、どうしても、このことばに親と子の「ねがい」があるように思えてなりません。一輪の花は子、大木の根は親、なのだと思ったのです。懸命に生きようとする子(一輪の花)、強く生きよ‼と願う親(大木の根)。何かしら不安の多いこの社会の中にあってたくさんの人々のお力を借りながら、ただただ、人間らしく、強く生きぬいてほしいと、親として願うばかりです。
 春が来ると人の心も浮き浮きしてきます。みなさんも、よろしければ、ふと、歩みを止め、大木の幹から飛び出した「一輪の花」に思いを馳せてみませんか…。
 春によせて。


~木漏れ日~
リレー随想
看護師 菅 こずえ
 皆さんは、海と山、どちらがお好きですか?私は、海が好きです。ですが、その海の環境が大きく変わってきています。
 新婚旅行で訪れたモルジブの海に魅了され、スキューバダイビングのライセンスを取得しこれまでにあちこちの海に潜ってきました。
 沖縄県石垣島には、マンタスクランブルという世界的に有名なダイビングスポットがあります。マンタとの遭遇率が高く、エントリーするとすぐ下でマンタが何枚も泳いでる光景を見ることができました。
 10年ほど前から、あれ?魚がいない、サンゴが死んでる、など海の変化を感じました。
 最期に潜った3年前、石垣島はすでにマンタスクランブルではなくなっていました。環境省は、海洋プラスチックごみによる生態系への影響と実態を報告しています。ウミガメの鼻にストローが刺さり流血している映像を見られた方も多いのではないでしょうか。更にそのゴミは、海洋生物を通じて、私たちの健康にも大きく関わっています。私たちは、1週間でクレジットカード1枚分のプラスチックを食べているといわれています。
 SDGsというワードもだいぶ耳慣れてきたように思いますが、海洋汚染問題は身近な問題として取り組みやすいのではないかと思います。
 ダイバーはアンダーウォーターナチュラリストとも言います。
 次、海に潜ったらこうしよう、ああしよう、と今は海が見えるお気に入りの場所で計画しているところです。


寄せられた善意
       令和4年1月23日~
          令和4年4月22日
           (順不同・敬称略)
《現  金》
妙安寺      愛命園育成会
宮田 明典    中下 サチコ
森 文江     橋本 順子
竹内 美千代   大成 敏正
橘髙 則行    林 弘子
原田 秀夫
株式会社ビッグラン
 代表取締役 増田 裕明

《現  物》
もち米       湯来東小学校
りんご、菓子、ジュース    谷川 隆子
ほうれん草     坂口クリーニング店
食材    
 ひと・いきいきカンパニー株式会社
   代表取締役 増田 裕明
   カーブス広島楽々園
   カーブスサンリブ五日市
   カーブスコイン通り
   カーブス広島井口台
管理栄養士 青木 ましず
 フィットネスクラブ・カーブス様より、今年もたくさんの食料品を寄贈していただきました。この食品は、フードドライブ運動に協賛された皆様から提供された食材を集めたものです。今年で15回目です。
 利用者さんのリクエストで、お米、のり、佃煮、ごま塩で山ぞくむすび完成。ほうとううどんも寒かった冬にホカホカ…。
 うまいの~~~う!

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


人の動き
《退  職》
3月31日付 事務長 竹内 美千代

《移  動》
4月1日付 生活支援員から事務長に
       石田 まゆみ

《就  職》
4月1日付 生活支援員 森本 拓斗

4月4日付 生活支援員 宮崎 秀子



編集後記
 去年と今年の花見の写真を比べて、去年は桜の開花がとても速かったことを思い出しました。今年は満開の桜の下で花見とカラオケ大会を行うことができましたが、去年の写真には花が散り枝だけになっている桜の姿が写っていました。花見行事のことを考えると、去年のパターンが当たり前にならなくて良かったと胸をなでおろすところです。
 それにしても、いったいなぜあれほど開花の時期がずれたのでしょうか。(HY)