第193号   愛命園だより「あゆみ」   令和3年10月


新任ごあいさつ
社会福祉法人
広島県視覚障害者団体連合会
常務理事兼事務局長 金岡 峰夫
 本年7月に法人本部の常務理事兼事務局長に就任した金岡です。愛命園の皆様と直接に接する機会は多くはありませんが、経営陣の一員として、しっかりと職責を果たしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、少し自己紹介をさせていただきます。広島市出身、男性69歳、西区で妻と二人暮らしです。県職員として37年間、退職後は日赤病院と県社協に今年3月まで10年間勤めました。
 もうこれで完全リタイヤしても・・・というところでしたが、前任者の後藤氏が県職員の先輩で、そのご縁でこちらにお世話になることになりました。
 県庁時代は、児童相談所、福祉事務所、保健所などの現場を経験、本庁では生活保護や高齢者福祉、介護保険などを担当しました。障害者福祉関係は全くの門外漢と言う訳でもありませんが、余り縁がありませんでした。
 もっとも近年は様々な制度が大きく変化しており、県庁時代の知識などほとんど役に立ちません。何にしても一から勉強と思っています。
 私生活においては、地元で30年近くボーイスカウトの指導者をやっています。最近はコロナ禍であまり活動できていませんが、子供たちと接することで、効果のほどはともかく心身の若返りを図っています。
 20世紀初頭にイギリスから始まって世界に広がったボーイスカウト運動、そのモットーは「そなえよつねに」です。私も「少しでも先のことに想像力を働かせて、できる限りの準備をする。」ということを信条としています。
 相次ぐ自然災害やコロナ禍、何が起こっても不思議でないような世の中です。私達だけでなく、社会福祉法人や施設にとっても厳しい時代が続いていきます。渡されたバトンを着実に次代に伝えていくために、精一杯精進して参りますので、重ねてどうぞよろしくお願いします。


園まつり中止について
園長 前 和枝
 日頃より園の事業につきまして、格別のご理解、ご支援をいただき厚くお礼申し上げます。
 新型コロナ感染症が全国的に蔓延し始め1年9ヶ月が経過しようとしています。今年9月末までに4回目の緊急事態宣言が発令されました。ワクチン接種率も全国で6割超え、抗体カクテル療法や新薬も動きが前へ向かっているようで、やっと落ちつき始めているところです。しかしながら園にコロナ感染症が入ってしまうと、利用者の皆さんには過酷な状況が予想されます。愛命園感染症対策委員会で協議し、今年度も『園まつり』を中止とさせていただきます。利用者・ご家族・近隣の方・関係者の皆様に、毎年楽しみにしていただいている行事ではございますが、ご了承くださいますようお願いいたします。来年度は、笑顔で開催できることを祈願しております。


訃報
 8月21日、愛命園家族会の元会長で、その後相談役を務められた、藤正坂二さんが亡くなられました。藤正さんには、家族会の会長として長く愛命園を支えていただきました。謹んで哀悼の意を表します。

ありがとうございました
林 弘子
 藤正坂二さんは、愛命園にとって大恩人と言って言い過ぎではありません。藤正さんの訃報に接した時、私の脳裏を駆け巡ったのは、国の支援費制度改定案の提示で、園の年間収入が2500万円ダウンするという、とんでもない発表にまつわる大騒動の時です。保護者会の会長として、単価復活運動に多大なご助力をいただいたことでした。
 あれは、平成14年秋のことでした。15年度から支援費制度という新しい制度が始まるが、だいたい今迄と大差なかろうという楽観的な見方がおおかたでした。
 しかし、国から新単価が発表され、すぐさま試算したところ、園では年間2500万円の収入ダウンの見込み、施設の種別が愛命園とは比較にならないような軽度な人たちの施設と同一視されたのです。これでは、職員数名希望退職を募ったところで追いつくわけもなく、それよりも重度の方の多い施設で職員数を減らすことなど論外。
 それからは、単価復活の猛運動を展開しました。その一つに、署名運動があります。署名というものは、そもそも1万人以上集まらないと効力はないといわれました。その時、藤正会長は先頭に立って署名活動に協力して下さり、家族会と職員一丸となって、1万人を超える署名の山を、国と県に提出することができました。
 おかげで、年間2500万円ダウンは、2460万円復活して、実質40万円ダウンにとどまり、ご家族、職員ともども安堵の胸をなでおろしたことでした。
 今も思うのです。このことは、職員だけの力ではなし得なかったこと。あの時、藤正会長がおられたからこそなし得たのだと。
 藤正さん、ありがとうございました。


8月の大雨
事務員 林 洋輔
 今年は、近年でも珍しい雨の多い8月でした。前線が停滞したことで、強い雨が長く降り続け、日本各地に被害をもたらしました。幸い、愛命園に直接の被害はありませんでしたが、主要道路が一時通行止めになり、職員の通勤に支障がでるといったかたちで影響を受けることになりました。
さて、愛命園の脇には、夜無谷川という谷からの水が流れる小さな川があります。普段は数センチの深さしかないこの夜無谷川が、8月の雨では大きく姿を変えました。
8月9日。台風9号接近に伴う雨で、夜無谷川の水位も大きく上昇しました。大量の濁った水もさることながら、川底からはがされた葦や土が、愛命園の前で大きな塊となっていました。塊は複数あり、その塊を乗り越ええるように水が流れ、水位を上げる原因となっていました。その後水位は下がりましたが、塊は残りました。そして8月14日、前日から続いた雨で再び水位が上昇、水しぶきは川べりの土の部分にまで達していました。あの塊が大きくなれば、水を堰き止めてしまうのではないか。そのような考えも頭をよぎりつつ、雨と水位の状況を見守っていました。
結果として、今回は夜無谷川が氾濫するようなこともなく、その他の被害もありませんでした。現在、葦と土の塊は取り除かれています。災害対策は、ソフトとハードの両面から備えていかねばならないと改めて痛感させられました。


夏まつり
生活支援員 森野 香菜子
 8月7日に愛命園夏まつりを行いました。新型コロナウイルス感染対策により、今年も外部ボランティアをお呼びしてのアトラクションができないため、職員にてA,B,Cの3つのグループに分かれて夜店を開きました。
 Aグループはデイルームにてスイカ割りを行いました。利用者さんには、音の出るスイカ柄のボールを狙って棒を振り下ろしてもらいました。その後は、準備しておいた本物のスイカを召し上がって頂きました。
 Bグループはホールでボールおみくじを行いました。箱の中に入ったボールを引いてもらい、書かれた番号に応じた景品が当たります。もしはずれくじを引いてしまったら、もう一回引くチャンスがある、というルールでした。
 Cグループは同じくホールにて魚釣りゲームを行いました。クリップを付けた魚のイラストを、磁石の付いた竿で釣ります。魚にはお菓子の名前が書いてあり、書かれたお菓子がもらえます。
 どの夜店もほとんどの利用者が参加して下さり、大盛況でした。職員にも利用者にも好評で、良かったです。
 また、今年も美味しい屋台メニューがあり、からあげやフライドポテト、そうめん等みなさんよく召し上がりました。
 来年こそ、コロナ以前の夏まつりができるよう、みんなで元気に過ごしたいと思います。


ご長寿お祝い会
生活支援員 小林 智華
 9月7日に長寿お祝い会を実施し、今年古希を迎えられた6名の方をお祝いしました。賀寿の方には一言ずつ抱負などを話していただきました。中には、紙にお礼の言葉を書いて下さった方もいらっしゃいました。今年も、記念品として布でできた職員手作りの素敵な写真立てを贈らせていただきました。
 レクリエーションでは5グループに分かれてじゃんけん大会を行い、じゃんけんが難しい方には札を準備してその中から選んで頂くことでトーナメント戦を進めていきました。たくさんの職員が盛り上げて下さったおかげで、とても賑やかに楽しく行うことが出来ました。各グループの優勝者には、景品としてゼリーとお饅頭のセットをプレゼントしました。利用者のじゃんけん大会の後には、園長からのサプライズでケーキを賭けた園長対職員のじゃんけん大会があり、こちらも大変盛り上がりました。
 私事ですが、今回のご長寿お祝い会が初めての行事担当で準備の段階からどうなることかと不安でいっぱいでしたが、先輩職員に助けていただき、どうにか当日を終えることが出来てとてもホッとしました。
 これからも、愛命園でたくさんの方の節目をお祝いすることが出来たらと思います。


旅行
生活支援員 三枡 満
 利用者の楽しみの一つである利用者旅行ですが、一昨年までは県外への一泊旅行も含めたかたちで実施してきました。しかし、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の為、すべての外出行事を自粛してまいりました。今年9月になって、2回目のワクチン接種も完了し、広島県内でのコロナウイルス感染者数も減少傾向となり、近場で短時間での外出を実施する運びとなりました。
 今回は10月1日から11月19日までの予定で、①サンリブ五日市店、②藤い屋いろはビレッジ、③空口ママのみるく工房の3コースに分かれて、徹底した感染対策を行いながら少人数ずつでの実施となりました。
 サンリブコースは、9時20分に出発し、久しぶりの外出のせいか、行きの車内では買う物や食べ物のことで話が盛り上がりました。到着後、コーヒーや二重焼き、アイスクリームや衣料品などの買物をし、ある利用者は、「ええ匂じゃのー」と店内飲食店の食べ物の匂いを楽しんでおられました。弁当や寿司、帰り道の途中でお好み焼きなど、それぞれお好きなものを買って園に帰り、園で昼食として食べていただきました。、「美味しかった」と皆さん満足されていました。
 空口ママのみるく工房コースでは、園で昼食をすませてから13時10分に園を出発しました。ミルク工房では、プリンや名物の半どらなどを美味しそうに食べられ、嬉しそうな表情を浮かべておられました。庭を散歩して花の香りに癒されたり、大森神社に立ち寄り参拝されたりと秋のひとときを楽しまれました。
 藤い屋いろはビレッジコースは、13時に園を出発し、普段はなかなか口にできない、もみじ饅頭やプリン、チーズケーキなどのスイーツなどを楽しまれました。
 コロナ禍ということで、ほぼ2年ぶりの外出となりました。緊張気味の利用者もおられましたが、皆さん、楽しいひと時を過ごし、満足されていました。
 「世間の状況が落ち着いたら、またいろいろな場所へ行きたいです。」と話される利用者もおられ、一日も早くコロナが落ち着き、来年こそは以前のような旅行ができる日が戻ってくることを期待しています。


生活班 茶話会
生活支援員 沖田 美穂
 9月28日 生活班で茶話会を行いました。主旨はコロナを乗り切ろう会です。
 企画した当初は、みんなでケーキとコーヒーでゆったりできたらと思っていましたが、当日になって、ゲームを取り入れ盛り上げませんかと相談を持ち掛けると、時間のない中、非常勤職員の方で普段の活動をアレンジしたゲームと、折り紙で作った景品を準備してもらいました。ケーキ、コーヒーのセッティングは栄養士を中心に、飾り付け等準備はたくさんの職員の迅速な対応で大変盛り上がりのある時間になりました。
 席につくまでは、少し混乱を招いてしまいましたが、いざケーキを食べ始めると3口で終わった方も…。楽しみってあっという間ですね。
 日々の活動に参加することには意味があります。安心できる時間、場所の提供により、その場にいるだけで周りの雰囲気や声を通して刺激をうけ、その人なりの楽しみを見つけておられるように思います。
 ひと時ではありましたが、こんな時間がたくさんあってもいいな。利用者の皆さん、元気にこのコロナ禍を乗り切りましょう❕


家族会より
家族会会長 畑後 克二
 10月に入っても残暑が続き、今年も長い夏でした。秋が短く、あっという間に冬が来ますね。
 新型コロナもかなり感染者が減ってきました。やっぱりワクチン接種が多くの人に効果があったのでしょうか。愛命園の行事や懇談会も中止や延期が続きましたが、感染予防が大事ですから、良かったのではないかと思います。これからも油断できませんので、来年に向けてできることを続けていってもらいたいと思います。
 園長はじめ職員の皆さん、お世話になります。今後ともよろしくお願い致します。


~木漏れ日~
リレー随想
欲しいものが買えない世の中
生活支援員 山根 一洋
 プライベートの話をしますと私は休みの日に模型作りをするのが楽しみです。
 ですが、最近は欲しい模型が店頭に売っておらず、インターネットで高額な値がついて取引されています。
 どうでもいいような定価2,500円の商品に1万円近くの値が付いていては、欲しくても買うのが馬鹿らしくなります。
 これは趣味の話でしたが、福祉業界でも昨年はマスクで大変な思いをしました。
 まさか自分の趣味で同じような悔しい思いをするとは、許せませんね。


寄せられた善意
       令和3年7月23日~
          令和3年10月22日
           (順不同・敬称略)
《現  金》
森井旅館      橘髙 則行
林 弘子      原田 秀夫
山下 和義     前田 秀昭
谷川 隆子
付添看護共済事業愛命園支部

《現  物》
狩留家なす     堀田 秀子
菓子、ココア    谷川 隆子
梨         則末 伸夫
ぶどう       ムカイ理容室
蛍光灯       戸田建設株式会社
新米        前田 秀昭
新米        坂口クリーニング店
新米        高野 正明
衣類        藤正 スズヱ
つい立て  トータルエステティック
サロンRei五日市中央

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


人の動き
《退  職》
9月10日付  生活支援員 三宅 千代子


※広島県視覚障害者団体連合会は「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま制度」において、「スタンダード認証法人」に認証されました。


編集後記
 今シーズンは金木犀があまり咲いていないという話を耳にしました。そう言われると、ここまであの甘い匂いをあまり感じることがないように思います。咲いているところの近くを通っていないのか、実際にあまり咲いていないのか。
…どうやら、マスクで気付きにくくなっていただけのようです。    (HY)