第187号   愛命園だより「あゆみ」   令和2年4月

新年度に寄せて
社会福祉法人       
広島県視覚障害者団体連合会
 会長 橘 則行
 今年も、愛命園のさくらは例年通り見事な花を咲かせ、利用者の皆さんに笑顔を与え、新任職員を迎えてくれていました。4月1日には、着任式と辞令交付の為、愛命園に行かせてもらいました。
 新年度を迎え、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。平素は愛命園に対しましてご支援を賜り、深く感謝申し上げます。
 今年は2020オリンピック・パラリンピックで日本中が一つになり、感動と興奮で盛り上がると夢見ていましたが、突如発生し世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルス感染症、日本でも緊急事態宣言が出される状況で、広島県においても100名を超える感染症患者が出ています。この先収束の見通しが付かない状況が続き、とても心配しています。
この影響は大きく、愛命園にウイルスを持ち込まない対策として、利用者の外出行事の中止、来園者の制限、事業の縮小等々の感染拡大防止対策に、職員の皆さんが一丸となり取り組まれておられることに感謝申し上げます。他県ではありますが、障害者施設で集団感染が発生しています。ウイルスを愛命園に絶対に入れないとの心構え
でご協力を宜しくお願いします。
 以前に発生したサーズやマーズの感染症、毎年発生している異常気象による大型台風や豪雨などの猛威は、正に大災害ではないでしょうか。これらの原因として言われているのが地球温暖化です。地球温暖化による気象変動で日本も亜熱帯化して来て、ウイルスや細菌が発生しやすくなったり、異常気象を起こし豪雨を降らしたりしていると言われています。
 愛命園も豪雨に弱い地域に建てられていて、大雨が降ると前後の川の水位によっては避難をしなければなりません。ですが、利用者の高齢化重度化で避難所までの避難が難しい方も出ている状況になってきています。以前は「災害は忘れたころにやって来る」と言われていました。しかし、最近では毎年の様にやってきます。「備えあれば憂いなし」と言う言葉もあります。利用者並びに職員の安全安心を第一に考え、これを実現すべき対策を検討する時期が来ていると思います。今出来る事、今しなければならない事を模索しながら、愛命園の将来を考えてゆきたいと思いますので、皆様の更なるご支援を宜しくお願いします。



新年度を迎え
園長 前 和枝
 新年度を迎え、桜の花も満開でとても晴れ晴れしく今年度も頑張って笑顔いっぱいの行事・楽しい生活を・・・と思っていた矢先、世界中が震え上がっている「新型コロナウイルス」日本でも全国に緊急事態宣言が出る状況になっております。
 愛命園ももちろん感染対策委員を中心に2月中旬より対応しております。
 マスク・消毒液確保もままならない現状です。自分たちでできる事3密を避け、1日4回の換気、消毒、手洗いを行い布マスク着用で対応しております。
 活動中止、行事の縮小・帰省、ご家族の面会の中止・業者出入りも制限など、いつもの生活が失われ利用者の方へもかなり負担をかけております。それでも、利用者は各自居室で毎朝笑顔でラジオ体操を張り切ってして頂いています。『今日も一日頑張りましょう!!』を合言葉に朝のスタートしております。

 私たちの仕事は『ふ(普段の)く(暮らしを)し(支援する)』です。これは、新年度に入り橘会長より頂いた言葉です。
 現在は、生活の質より命を守るための体制になっておりますが、本来は利用者が愛命園で過ごす意味『生きることを支えていく』事だと思っております。愛命園での生活がより利用者にとって過ごしやすい場・自分らしく生きていける場であってほしいと思います。

 少しでも早く終息し、普段の生活ができますように『愛する命を大切に守っていきたい』と思っております。何事も利用者・職員一丸となって今年度も取り組みます。よろしくお願いいたします。



新自治会長挨拶
 愛命園自治会会長に就任しました岡野克則です。よろしくお願いします。コロナウイルスに負けず、笑って楽しく過ごしましょう!



家族会より
家族会 白兼 高明
 園長先生はじめ職員の皆様にはいつも大変お世話になっております。
 今年は、暖冬のせいで桜の開花も例年より早く、今が満開で花見に最適ですが、毎日のニュース等でご存じのように、新型コロナウイルスによる外出の自主規制で、例年のような花見ができません。
 園におかれましでも、外出は控えておられる事と思いますが、入所者の皆さんもストレス等を感じておられるのではないかと心配しています。
 過去に例がない事態がおこっているので、いつ収束するのか見当もつきません。広島県内も感染者が日々増え続けているので、自分のまわりも誰が感染しているのかわからず、毎日不安な日々を過ごしています。
 これ以上ウイルスが広がらず、一日も早く収束する事を祈るばかりです。
 職員の皆様も、体調の変化には十分注意して日々過ごして頂きたく思います。大変な時ですがこれからも宜しくお願いします。



愛命園支援課について
支援課長 橋 義彰
 愛命園支援課は5つの係によって構成されています。「支援1係」と「支援2係」は日常生活全般にわたる介護・生活支援を柱とし、それぞれ男性支援員と女性支援員が配属されています。「活動係」は日々の創作活動やリトミックなどの生活班活動を中心に支援し、非常勤支援員の多くが所属している係です。健康管理全般についての支援を「医務係」、栄養管理全般についての支援を「栄養管理係」が担っています。
 利用者ニーズの幅が広がるにつれ支援課の人員も49名にまで増えました。職員の半数は福祉経験者ですが、もう半分は異なる事業を経験してきた職員です。以前の職場では当たり前であったことも当たり前ではなく、これまでと違った体験に戸惑うことも多いのだと思います。逆を言えば私達にはその視点や発想に大きな驚きもあるのですが、新しい職員の中には、そうしたところに違和感を覚え、自信が持てない者もいるのかもしれません。
 だからこそ愛命園支援課として意識したいことは「目的」です。何のために行うのか。何がどうなれば成功で、何を持って評価されるのか。それにつながるプロセスを明確にすることです。生活支援の中では曖昧なことが多く、判断がつきにくいこともしばしばなのです。求められる支援が複雑に変化する前までは、個人の経験やスキルに頼って判断されていたようなところがありました。しかし現在のようにニーズは多様化し、社会が変化していく中で、その必要な支援を個々のスキルに求めるようなことには無理があるのです。
 特別な判断や迅速な対応が求められる環境、明確な目的とその方向性をチームの力であたることが必要であり、職員が一丸となって愛命園を守り乗り越えていかなければならないと感じています。



花見
生活支援員 沼座 洋
 今年は天候に恵まれて、満開の桜の下、花びらがひらひらと舞う中での花見となりました。
 園長のあいさつから始まり、自治会長の岡野さんの乾杯後、会食が始まりました。2段重ねの弁当、富士産業さんのソフト食、どちらも「美味しい」と、みなさん大満足のようでした。デザートにはプリンかコーヒーゼリーのどちらかを、事前にとった希望に沿って提供しました。
 少しでも利用者に楽しんで頂きたいとの事務長による企画で、サプライズでの職員による劇、『はなさかじいさん、愛命園バージョン』が行われました。利用者からは「新鮮で楽しかった、また観たい」等の反響を頂くことが出来ました。新人職員2名の挨拶もありました。
 現在、世界中で猛威を振るっているコロナウイルスですが、広島でも感染者が広がっています。愛命園でも外来のお客様の入場を制限させていただいており、残念ながら中止が決まってしまった行事もある中、利用者と職員のみとなりましたが、花見が実施出来た事はとても良かったと思います。『当たり前に過ぎていく毎日が、当たり前ではなく幸せなこと』を改めて利用者の顔を見ながら思いました。この状況が早く収束することを願うばかりです。行事は花見に限らず、利用者にとって楽しみの一つです。より楽しめるものを職員一同、これからも提供していかなければと思います。有難うございました。



カラオケ大会
生活支援員 梅田 大作
 普段、土・日曜日の活動で、カラオケに参加されている利用者より「せっかく練習しているので、たまには皆の前で歌いたい」「カラオケ大会をしたい」との声があがり、実施しました。今年は特に、感染症拡大に伴う外出等の自粛で、ストレスが溜まっている方もおられるので、楽しんでもらうことを目的に実施しました。天気は快晴で桜は満開。桜舞い散る中で行うことができました。
 途中コーヒーとおやつを楽しみながら、カラオケを1人1曲ずつ歌ってもらいました。最後はみんなで手をつなぎ、「青い山脈」を楽しそうに歌っておられました。



医務室だより
看護師 松永 千和
 新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るい、国内においても日々新たな感染者が発生しており、私たちもいつどこで感染するか分からない恐怖を感じています。園内で感染が流行したら…利用者をはじめ、園に関わるすべての方々の命が脅かされるでしょう。私たちは危機感をもって感染防止に努めなくてはなりません。
 園内では現在「感染症対策委員会」が設置されており、日々刻々と変化していく国内の情勢を注視しながら都度必要な対策を講じていますが、日を追うごとに緊張感が高まっていることは言うまでもありません。?園内にウイルスを持ち込まない”ために、職員には自身の行動を自粛すると共に、園内に入る際の手洗いと消毒、マスクの着用を義務付け、また朝と昼には体温測定を行い発熱の有無を確認しています。また、利用者の生活環境においては、三密を防ぐために食堂のパーテーションを開け、ホールとつなげて大空間にしました。一定時間ごとの換気と、朝夕には各居室の加湿用タオルの更新、手摺り・ドアノブ・廊下の壁の消毒を行っています。そして、可能な利用者には先日国から届けて頂いた布マスクを着用してもらっています。
 朝礼・全体歩行・リトミックや作業などの日々の活動や土日のカラオケなどの余暇活動の休止、外出や行事の中止の決定など、利用者にとっては様々な楽しみが奪われたことになります。気持ちが不安定になる方もいます。目に見えないものに対する当たりどころのない怒りすら覚えます。でも、私たちはこの未知の物に負けるわけにはいかないのです。命を守ることが最優先です。楽しみはもう少し後で今はじっと我慢。またいつかみんなで思いっきり楽しむ事ができますように。



木漏れ日
リレー随想
生活支援員 河野 令子
 クアハウスに通い始めて、早5年経ちます。近くにありながら、2、3回しか行ったことがなかったです。水着になることと、温泉に入るのに裸になることが嫌だったからです。
 でも誘われて、仕事帰りに行き始め、元気になりました。ジムでストレッチをして、プールで30分おしゃべりをしながら歩いてジャグジーに入り、お風呂で体を洗うという1時間半コースです。
 体が柔軟になり、筋力アップし、肩や膝、腰等の痛みが和らぎ楽になります。「継続は力なり」です。
 今は新型コロナウイルスのために行くことはできませんが、健康増進、免疫力を高めるために、これからも続けていきたいです。ダイエットは私の場合無理みたいです。



山口さん、ありがとう
生活支援員 森井 康子
 1月23日、突然の訃報でびっくりしました。でも、今思えば思い当たる節が色々ありました。「もうすぐクリスマスだか、しっかり食べて元気になって退院しようね」と言っても、「新しい年は利用者の皆さんが待っているから、退院して園で美味しいおせちを食べよう」と声をかけてもただ黙って返事がない。
 帯状疱疹やむくみで思うようにならなくて、やけも出ましたね。元気な時は、仲のいい利用者と手をつないで作業棟へ行かれていましたね。誰からも好かれ、園では無二の素敵な存在でした。
 今はコロナでままなりませんが、山口さんの入院の際はご兄妹皆さんローテーションを組まれ介護して下さり、皆様に甘えていらっしゃる姿も見受けられ、とても嬉しかったことと思います。良かったですね。お浄土に参られたら、ご両親に甘えられて、園で楽しかったことや、介護して下さったご兄妹のお話等して下さい。
 山口さん、たくさんの思い出ありがとうございました。



寄せられた善意
       令和2年1月24日〜
          令和2年4月23日
           (順不同・敬称略)
《現  金》
谷川 隆子     原田 秀夫
山口 孝雄     神村 恒彦
大成 敏正
株式会社 ビッグラン
代表取締役 増田 裕明

《現  物》
くるみ小女子    原田 秀夫
食材、菓子     谷川 隆子
消毒用アルコール綿 畑後 克二
食材
   ひと・いきいきカンパニー株式会社
      代表取締役 増田 裕明
    カーブス広島楽々園
    カーブスサンリブ五日市店
    カーブスコイン通り
    カーブス広島井口台


管理栄養士 青木 ましず
 フィットネスクラブ・カーブス様より、今年もたくさんの食料品を寄贈していただきました。この食品は、フードドライブ運動に協賛された皆様から提供された食材を集めたものです。今年で13回目になります。
 カーブスサラダ巻き、ふし麺汁、カーブスゆずうどん、など…
 うまいの〜〜う!


《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

《将棋ボランティア》
上野 俊雄


※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


人の動き
《退  職》
3月31日付  生活支援員 神村 恒彦

《就  職》
4月1日付  生活支援員 小林 智華

4月から、愛命園の皆さんと一緒に過ごすことになった、小林智華です。平成10年1月31日生まれの22歳です。ここに来るまでは、海と山のある呉市の天応というところに住んでいました。家族は5人家族で、父、母、24歳の姉、18歳の妹がいます。
3月まで広島福祉専門学校に通っていて、4年間ずっとセブンイレブンでアルバイトをしていました。中学生の時はバレーボール部、高校の時には吹奏楽部でクラリネットという楽器を演奏していました。最近の休みの日には家で料理を作ったりドラマを見たりしています。
これから皆さんと一緒に様々な行事に参加するのを楽しみにしています。これからよろしくお願いします。



編集後記
 このような状況ですので、職員としてもできる限りの注意をして乗り越えていければと思います。皆さんも、十分お気を付けください。          (HY)