第185号   愛命園だより「あゆみ」   令和1年10月

老朽化への対応
園長 前 和枝
 平成13年の愛命園園舎の改築から、すでに18年が経ちました。大切に守ってきましたが、施設、設備の老朽化は否めません。外壁のヒビ、天井のシミ、水漏れなど…、いたるところで故障や修理の必要な場所が目立つようになってきました。
 昨年度は、浴用給湯設備が壊れたため取り換え、各居室のエアコンも故障したものから順次取り換えを行いました。
 今年度、大規模修繕として共有部分のエアコンの取り替えを実施しました。相次ぐ故障や不具合に対処するためです。これで寒い冬にエアコンが止まるということはないはずです。
 ですが、他にも非常用発電機、自動薬注装置濃度センサー、浄化槽水中ポンプ、玄関パネルシーリング、浴用水薬注ポンプセンサー、玄関前アスファルトなど補修が必要な箇所ばかりです。また、特殊浴槽、トイレ機器、大型洗濯機の老朽化が問題となりつつあります。
 園としては、将来構想検討委員会で老朽化の確認と今後の対策についての検討していくつもりでおります。
 施設の老朽化は、外観が悪くなるだけではなく、安全性にも大きな問題を抱えることになります。外壁や廊下など、まだ新しく見えるところでも、18年間風雨にさらされ、あるいは私たちの歩みを受け止め続けてきたのです。きちんと確認しなければいけません。当然、素人にできることではなく、確認だけでもそれなりの経費が予想されます。これまでにも園舎の天井補修やコンクリート壁の確認は実施していますが、今見えていない「老朽化」がどれほどか、予測がつきません。
 できるだけ早い段階で老朽化対策のビジョンをまとめる予定です。ただし、老朽化対策を定めても、それが具体化できるかどうか懸念もあります。財政面の問題に加えて、対応工事等で使用できない期間が発生することも課題となりますし、「今困っている」だけでなく、未来の施設のあり方を見据えて園舎の改修、改築など考えていく必要があります。まだまだ課題は山積みですが、今後に向けよりよい施設へと取り組みを進めていきたいと思います。



夏祭り
生活支援員 沼座 洋
 毎年恒例の夏祭りを今年も行いました。今年は新元号の「令和」になって初めての夏祭りとなりました。今年のキャッチフレーズは「楽しもう 令和最初の夏祭り」でした。
 屋台はフライドポテトや揚げたこ焼き、そうめん、おむすびなど盛りだくさんで、利用者のみなさんも美味しくワイワイ食べておられました。
 アトラクションは和太鼓奏者の「向井俊介」さんに依頼しました。体中に響くとても迫力ある演奏で、ただただ圧倒されました。
 最後は、炭坑節と阿波踊りを例年通りみんなで輪になって踊りました。多くの方に参加していただき、たいへん盛り上がりました。
 今年も広島福祉専門学校や富士産業のみなさんにボランティアとして参加していただき、楽しく滞りなく行うことが出来ました。ありがとうございました。



そうめん流し
生活支援員・相談員 梅田 大作
 今年度は7月23日に実施しました。屋外で行う計画を立てていたので、連日雨が続くなか、天候を心配しながら当日を迎えました。朝の時点で何とか予定通りにできそうだと安心していると、突然の大雨。当初予定していたレンガ通りから、急遽デイルームと看護棟の間の連絡路に場所を移すことにしました。使用する竹も5mくらいの物を3本使用する予定でしたが、場所を考慮し1本のみを使用して行いました。
 素麺は、カーブスフードドライブと利用者家族より提供していただいたものを使用しました。今年度は趣向を変え、麺以外にもゼリーや個包装にしたお菓子を、水を張ったタライに浮かべてすくってもらうということもやってみました。ちょっとした縁日のようでワイワイと賑やかに行うことができました。
 最後になりましたが、竹を提供して下さった林弘子様、素麺等を提供して下さったカーブス様、利用者家族様、そして麺の調理をお願いした富士産業様、皆様の協力を得て、楽しい行事にすることができました。ありがとうございました。



長寿お祝い会
生活支援員 益成 純也
 9月10日(火)にご長寿お祝い会と題した敬老会を行いました。
現在、愛命園の利用者総勢57名の内、70歳以上の方がおよそ3分の1を占めています。高齢になっていくにつれて、足腰が悪くなり車いすを利用される方、ベッドで日中の大半を過ごされる方も増え、ひとりひとりの外出の頻度が減っている状況の中、そんな利用者のために園内でもお祝いしたらどうかとの意見から、今回のご長寿お祝い会を行うことになりました。
 ご長寿お祝い会では、節目を迎えられた方と70歳以上の方をお祝いしました。お祝いの場という事で、式典形式の会にさせていただきました。節目を迎えられた方(古希、喜寿、傘寿)は、今年は5名。それぞれマイクを持って、皆さんの前でスピーチをしていただきました。緊張してしゃべることができない方もいれば、滑舌よく丁寧に話をされる方もいました。数名の方は、2週間も前からスピーチの内容を考えて、今日の為に準備をしていたらしいです。準備の甲斐あってか、「今日までこのように元気で過ごせたのも皆様のおかげです。ありがとうございます」と堂々とした挨拶をされていました。
 お祝い会の後は、敬老会メニューの昼食で、お寿司やお饅頭を食べて満足されていました。
 今回、節目を迎えられた方と70歳以上の方には、おそらく全ての利用者の皆さんが大好きな特製あんパンか、パンが難しい方へはおいしい水ようかんをプレゼントさせていただきました。皆さん「おいしい、おいしい」と言って食べて下さいました。
 今年から始まったご長寿お祝い会ですが、今後はより一層お祝いの対象になる利用者が増えていくことになります。高齢になるにつれて支援の度合いやケアの必要性も増していきます。高齢になっても、車椅子を使うようになっても、利用者が一人一人楽しめるようにこれからも続けていきたいと思います。



令和元年度旅行
生活支援員 森井康子
 今年の旅行は業者を通さず、利用者の要望を担当職員が伺って目的地を決めました。事前に旅行実行委員が現地を視察し、医務や庶務と相談して行程や料金を割り出し計画を立てました。
 行先は、ゆ〜ぽっぽ(入浴と舞踊ショー)、満天の湯(入浴、カラオケと買物)、銀河ランチクルージング(ランチと買物)、宮島(観光)、広島駅と居酒屋(電車移動と昼食、夕食)&サンリブと居酒屋(買物と夕食)、三次ワイナリー(バーベキュー、買物)、道の駅来夢とごうちの7コースで計画し、それぞれの希望に沿うものに参加していただきました。
 9月5日から10月31日まで、毎週木曜日に計9回の実施です。「私は〇〇にいくよ」「いつ行くの?」「来年は船に乗りたいね」「ナイトクルージングが良いな」など利用者同士で話され、ご家族にお土産を送られた利用者には、後日「届きました」の電話が入り嬉しそうにされていました。
 気候が不順で体調を崩された利用者もいらっしゃいましたが、日時を変更して参加していただきました。



バーベキューに行ってきました!
生活支援員 森野 香菜子
 9月24日、生活班の皆さんで湯来交流センターへ出かけ、バーベキューを楽しんできました。
 とてもいい天気で、9月末なのに暑さを感じるほどでした。バーベキューの準備ができるまでの間、みんなで周辺を散策してみると、水内川のせせらぎが聞こえ、川の近くでは涼しい風が吹き、気持ちよさを感じました。
 バーベキューの準備ができ食事が始まると、肉や野菜の焼けるいい匂いがひろがります。おむすびや、エビ、ホタテなどの海鮮、様々な種類のお肉を心行くまで楽しんでいらっしゃいました。中には、職員が食べ過ぎを心配して「そろそろ終わろうか」と声をかけるほどおかわりを要求され、たくさん召し上がった方もいらっしゃいました。
 食事が終わると、各自デザートタイムとなりました。歩行ができる方には近くのYショップまで歩いてもらい、食べたいものを自分で選んでいただきました。それぞれアイスクリームや缶コーヒー、あんパンなど、お好きなものをゆっくりとした雰囲気で食べていただきました。皆さんの嬉しそうな表情が印象的でした。怪我や体調不良もなく、無事に帰園することができました。



家族会より
家族会会長 畑後 克二
 今年は夏の気候がいつまでも長く、10月に入っても暖かいうえに湿気がすごく、本当に疲れ切ってしまいましたね。秋が短い感じになりました。
 私事ですが、1ヶ月前にコンビニのトイレに入ると横に男用のサイフが置いてあり、忘れ物と思いすぐにコンビニの店員に届けました。忘れた人は心配されたことと思います。翌日そのコンビニに行くと、サイフの持ち主が取りに来たので渡したとのこと。大変喜んでおられたそうです。私もよかったなと思い、小さな親切が大事だと改めて確信しました。誰でも忘れることがあるので、皆さん注意しましょう。
 私は人に親切心を持って接することを続けます。今年もあと2ヵ月と少しとなり、11月には園まつり、12月はクリスマス会と、愛命園の行事があります。園長、スタッフの方々、これからもよろしくお願いします。



木漏れ日
〜リレー随想
生活支援員 竹本 美由紀
 これといった趣味や夢中になっているものもなく毎日を過ごしていますが、振り返れば息子、娘たちが幼い頃は怒ったり、笑ったりととても賑やかで忙しい日々でした。1年半前に下の娘(双子)も就職して社会人となり、ホッとしたと同時に物静かな家に慣れるまで少し時間がかかったのを覚えています。
 自分の時間を得られるようになり、友人と会ったりすると、以前はお互いの日常的な話題でしたが、最近では“老化の実感”みたいな話になります。私が一番に、いわゆる老化現象と気付いたのが4年前でした。文字を見るのに今までの距離ではぼやけてしまい、遠ざければ見えるのです。前の職場でのことですが、50歳前後の人に「なんでこれが見えんのですか」と笑って言っていたのを思い出します。ついに私にも老眼という初老の確定印が押され、それからは老眼鏡がないと字がにじんで何が書いてあるのか、読み書きができなくなってしまいました。どこに行くにも肌身離さず持ち歩かないといけない必需品になってしまっています。
 老化現象を受け入れ、健康に気を付け、何か一つでも楽しく夢中になれるものを見つけようと模索中です。



寄せられた善意
       令和元年7月25日〜
          令和元年10月23日
           (順不同・敬称略)
《現  金》
平成31年3月湯来中学校卒業生保護者一同
中本建設株式会社  前川 昭夫
大成 敏正     橘 則行
林 弘子      森井旅館
則末 伸夫     谷川 隆子
山下 和義

《現  物》
ごぼう、ゴーヤ、オクラ
 長峯 公明
野菜ジュース    古林 利明
なす、ピーマン、ゴーヤ、モロヘイヤ
   永尾 高芳
竹         林 弘子
青じそ       梅田 大作
プチトマト     坂口 順子
プチトマト     中村 真利子
お茶        則末 伸夫
エタノール綿    畑後 克二
きゅうり、トマト、オクラ
          迫田 あゆみ
菓子、マンゴーシロップ漬け
        谷川 隆子
きゅうり      永尾 愛子
ぶどう       向井理容室
玉ねぎ       上多田支援隊
タオル       清水 都由美
じゃがいも
     YMCAコンフォレスト湯来

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

《将棋ボランティア》
上野 俊雄

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。



人の動き
《退  所》
8月28日付  水本 文夫

 9月16日、水本文夫さんが亡くなられたとの連絡がありました。愛命園で40年以上過ごされ、体調の問題から退所となりました。その退所後間もない訃報でした。謹んで哀悼の意を表します。

《就  職》
9月1日付
 生活支援員 吉本 結子


編集後記
 愛命園の入り口に架かる橋の下に、スズメバチが巣を作っていました。近所の方から指摘され、気付いた時にはかなりのサイズになっていました。
すぐに業者に連絡し、なんだかんだあったものの、無事に駆除していただけました。幸い、園の関係者で刺された人はいなかったようです。
 まさかそんなところに危険が潜んでいるとは…            (HY)