第181号   愛命園だより「あゆみ」   平成30年10月

なつかしい方々を偲びました
園長 林 弘子
 愛命園では、物故者追悼法要を営み、今は亡き利用者や職員を偲びました。
 ことの発端はこうです。ある施設の機関紙に、毎年夏まつりの日には物故者追悼法要を営んでいるという記事が載っているのが目にとまったのです。愛命園では過去に法要を何度か営みましたが、それはわけあって愛命園のお墓に入っておられる方の納骨や、三回忌、七回忌などの法要と、家族会の前の会長さんの娘さんが亡くなられて園のお墓への分骨を希望された時などでした。
 おりもおり、今年は愛命園の創立45周年という節目の年でもありますし、ここに縁がある時に亡くなられた利用者と職員を一緒に追悼法要をとりおこなうのはどうでしょうと提案しましたら、各部署それぞれ快く協力してもらえて実施のはこびとなりました。
 9月18日午前10時半、愛命園のホールにはほぼ全員の利用者と、当日勤務の職員が集まっていました。前方のご本尊様の左右には、入所中に亡くなられた利用者23名と在職中に亡くなられた職員4名の名前がきれいな字体で掲げられています。司会者の開式の辞のあと園長の施主挨拶があって読経にうつりました。
 過去の法要で利用者の中に、男のお坊さんなら参加しないと言われる方があり、今回も近くの妙安寺の坊守様にお願いしました。
 仏説阿弥陀経が唱えられる中、施主の次に娘さんの分骨を園のお墓にと望まれた前の家族会会長さんご夫妻、仏事の時のためにご本尊様の絵姿を寄付して下さった元職員、利用者自治会長の順に焼香を行い、参列者の皆さんには回し香炉により焼香していただきました。坊守様のご法話も、いつものように利用者に十分理解できるようにお話していただいたおかげで、みんな静かに拝聴できました。御文章の拝読、施主挨拶と続き、司会者の閉会の辞で無事法要を終えました。
 昼食は、委託業者の富士産業さんに厨房で作っていただいた法要メニューでした。貼り出された27名の方達の思い出話が職員や利用者から次々に語られ、今は亡き人達に思いをはせました。
 こういう時のために、かつて仏具一式を寄付して下さった三代目園長の山本八重先生が生きておられたら今日お招きできたのにと、これが一つ残念でした。
〈余談〉
 法要の日の朝早く、事務長と花を持って園のお墓にお参りをしました。放っておくとすぐ草がはえる田舎ですが、その朝、お墓の周囲ばかりか、側の空地も草がきれいに刈られ、さっぱりとしたたたずまいになっていました。業務分掌にないことをさりげなくしてくれる職員に、事務長と一緒に感謝しながら来た道を戻りました。


夏まつり
生活支援員 白石 聡
 毎年恒例の「愛命園夏まつり」を、今年は8月4日土曜日に予定通りに開催いたしました。
 屋台に並ぶのは一般の屋台でおなじみのメニュー。揚げ物、むすび、アイス、わた菓子などとバラエティー豊かな内容で、利用者の皆さんも楽しんで食べておられました。
 今年はアトラクションとして、廿日市市を拠点に活動されている「まさやん」さんのギター弾き語りライブを実施しました。初の来園ということで、企画した私も、演奏するまさやんさんご本人も緊張している中でのライブとなりましたが、利用者からも、来園されたご家族からも好評で、一部の利用者からは「アンコール」の声が出るほど、たいそう盛り上がりました。
 最後には盆踊りで、炭坑節と阿波踊りを踊り、皆が一つになって楽しむことが出来ました。
 最後に、今年も福祉専門学校と富士産業の方々にボランティアとして手伝っていただきました。おかげさまで、行事を成功させることができました。ありがとうございました。


旅行
生活支援員 高橋 未歩
 今年度の利用者の旅行は、一泊が兵庫コースと山口コースの2班、日帰りが山口コースと宮島口コース2班、尾道コースの4班に分かれて行いました。
 一泊の山口コースでは、1日目に萩焼の絵付け体験をしました。利用者は少し難しそうにされていましたが、自分だけのオリジナル萩焼が完成し皆さんとても喜ばれていました。2日目には角島大橋を観光したり、道の駅で買物をしたりしました。珍しいものもたくさんあり、お土産選びも楽しそうでした。
 次に兵庫コースでは、1日目にちくわ作り体験をしました。棒に生地を巻き付けたり、包丁を使って切ったりとなかなか難しい工程ばかりでしたが、美味しいちくわを作って食べることができ、「難しかったけど美味しかったよー」と満足していただけました。2日目には岡山のイオンモールで買物をしました。買物好きな利用者が多く、広い店内を時間いっぱい散策し、充実した時間を過ごしていただけたようです。
 日帰りの山口コースでは、湯本観光ホテルで芝居と舞踊ショーを楽しみました。利用者は手を叩いたり、笑ったりして観劇を楽しまれた様子でした。最後には劇団の方たちと一緒に記念撮影をし、非常に喜ばれました。
 宮島口コースでは、やまだ屋おおのファクトリーでもみじ饅頭の工場見学をしました。工場内では香ばしい甘いにおいが漂っていました。工場見学の後に安芸グランドホテルで昼食をとり、その後はゆめタウン廿日市で買物をしました。近場をまわるコースではありましたが、楽しんでいただけたようです。
 尾道コースでは、尾道ロイヤルホテルでにぎり仏作りを体験しました。やわらかい粘土の感触を楽しみながら、世界に1つしかない仏様を作ることができました。
 利用者にとって、旅行は年に一度の大イベントです。「次はどこに行くの?」「どんなご馳走が食べられるの?」と。毎年楽しみにしていただけるような旅行を今後も計画していきたいと思います。


ススキの配布中止しました
園長 林 弘子
 45年前の開設以来、9月になればススキの行事です。付近の山で刈り取ってきたススキを丁寧により分け、長さを調節して5本1束とし、翌日広島の繁華街八丁堀の福屋デパート前で道ゆく皆さんにお配りする班と、日頃お世話になっている官庁、団体等関係先にお配りする班に分かれて湯来町を出発します。都会ではまだ珍しい里山の秋の気配を一足早く皆さんにお届けするのです。
 夕方6時のNHKローカル番組のオープニングでバックに飾っていただいたり、翌日の新聞に写真入りで掲載していただいたり、平成13年には、思いがけず「小さな親切実行章」をいただいたりしました。毎年、街角で受け取られた方から絵手紙や心のこもったお礼状が届き、それを利用者の皆さんに紹介してみんなで「ススキを配って良かったね」を味あわせていただきました。
 今年も当然年間行事計画に入っておりましたが、何せあの猛暑、熱暑、酷暑。山で採取するのも、八丁堀で配るのも、これでは命がけの行事になりかねないと、関係者で熟慮の末、今年は中止という結論に達しました。
 いつも警察には道路使用許可の申請をし、福屋にもデパートの正面付近なのでご了解を得ていましたが、何年か前からは福屋の社員の方が通行人に呼びかけて下さったり積極的にお手伝いして下さるようになっていました。そのため、デパートへも今年の中止をお知らせしました。
 これから夏は益々暑くなるという情報も聞かれますし、来年のことは全く白紙状態です。庭で育てた花をススキに混ぜて下さいと、毎年提供して下さっていたご近所の方もあります。取って帰ったススキの整理や街角での配布には利用者のご家族にも毎年お手伝いいただいていました。ありがとうございました。


支援1係活動
利用者の楽しみ〜挽き立てコーヒー
生活支援員 沼座 洋
 前年度の挽き立てコーヒーは午前中の実施でしたが、今年度より午後からになりました。
デイルームで、70年代の洋楽に歌謡曲・フォークソングなどのBGMも取り入れ、ゆったりと落ち着いて楽しめる環境づくりも配慮しつつ楽しんで頂いています。
 広島出身のフォーク歌手の曲を聴きながら、男性利用者は「懐かしい〜、よくこの曲は聴いていたよ」等、嬉しそうな表情をされていました。ミルで挽きながら「いい香りだね。美味しかった」と女性利用者は喜んでおられました。また車椅子の男性利用者にミルで挽いて頂こうと声掛けをすると、力いっぱいグルグルと回しておられました。
 皆さんコーヒーを飲む事を楽しみにされているようで、職員が誘いの声掛けをするとニッコリされます。何気ない「ミルでコーヒー豆を挽く」行為自体も利用者の出来る事の一つであり、見方を変えるとリハビリの側面も併せ持つのではないでしょうか。また一生懸命挽く姿を見て、まだまだ出来るという事が証明され嬉しく思います。これからも職員一丸となって楽しめるよう提供していきたいと思います。


支援2係活動
生活支援員 高橋 未歩
 8月28日に、毎年恒例のバーベキューでもみの木森林公園に出掛けました。この日はとても天気が良く、絶好のバーベキュー日和となりました。
 参加された利用者は網で焼いたお肉をモリモリと食べられ、「美味しいよ、まだ食べれるよ」と何度もおかわりをされ、美味しそうに頬張っておられました。 食事が終わると各自散歩をしたり、売店でアイスやコーヒーなどを購入して休憩したりと、ゆっくりとした時間を過ごしていただきました。
 体調・体力面で参加できなかった利用者の方には9月20日にフォローの会を実施しました。園内でケーキとジュースで楽しんでいただきました。「うまかったの、ごちそうさん」と大変喜んでいただけました。
 来年もまた、みんなでバーベキューに出掛けることが出来たら良いなと思っています。


敬老の日に
生活支援員 三枡 満
 9月17日(月)の敬老の日、午前11時から午後2時まで、サンピアゆきにて開催された湯来地区社会福祉協議会の主催による和田地区敬老会に愛命園から4名の利用者が参加されました。
 会場のテーブルの上には、羽の部分に「笑顔をありがとう」と墨汁で書かれた折り鶴や、生花が飾られていました。開会直後、出席者全員による物故者への黙祷が捧げられました。実行委員長の挨拶、祝電披露などが執り行われ、余興で手品が披露されました。面白おかしく、時には種明かしの説明をされ、皆さん楽しく鑑賞されました。
 その後は豪華なお弁当での会食で、お腹いっぱい召し上がり、「おはぎ」を味わい、「ああ美味しい!」と喜びの声も聞かれました。会食後、愛命園にボランティアで来られている方も参加されており、ある利用者は、その方と楽しくお話をされ、会場内は和やかな雰囲気に包まれていました。
 午後からは、会場のステージ上に参加人数分の大きな紙袋がずらりと並べられ、ビンゴゲームが行われました。番号が発表されると利用者の皆さんも「何番?何番?」と、職員と一緒に番号を探されました。早い段階でリーチにはなってもなかなかビンゴにならず、ようやくビンゴになると、笑顔を浮かべながらステージの前に進み、早速封をあけて確認されていました。さらにビンゴゲームの後、特別賞として地区の業者さんが寄付をされた景品の抽選があり、利用者のお一人が当選されました。
 閉会の挨拶があり、楽しい敬老会もおひらきとなりました。地域の行事に参加され、皆さん、有意義で楽しいひとときを過ごされました。


中学生福祉体験学習
生活支援員 益成純也
 今年度も砂谷中学校の生徒さん6名を受け入れて福祉体験学習を行いました。
園長による愛命園の歴史講義、2係生活班の活動や3係創作活動の手芸と貝通しの見学と体験、アイマスクを使った視覚障害体験ガイドヘルプ講義など様々な体験学習を行いました。
 生徒の皆さんは普段の生活の中でほとんど経験することのないような体験ばかりで、実に新鮮に感じられていた様です。特に、愛命園の多くの利用者が有している「視覚障害」を、アイマスクを使って体験していただいたことは、生徒の皆さんにとってよい勉強となったのではないかと思います。特にアイマスクをした状態での昼食では、自分がいま何を食べているのかわからず、周りがどうなっているのか気になって集中できないといった様子も見られました。しかし、視覚障害者の気持ちや、こうしたら食べやすい、飲みやすいといった介助の面も踏まえてよく学んでくれていました。障害への理解を深めてもらえたことに心より感謝し、またこれからも介護や福祉について様々な経験を積んで、その実態を学んでもらえれば幸いです。改めて砂谷中学校の生徒の皆さんありがとうございました。


家族会より
主人と一緒に
家族会 池田 はやみ
 主人の生前中は、皆様には大変お世話になりました。ありがとうございます。早いもので主人が亡くなって8カ月になろうとしています。1週間はいろいろ手続きに追われました。四十九日、初盆もすませ、少し落ち着きました。
 でも、年が明けると一周忌も来ます。何かしら忙しいですが、案外通常の生活を送っています。主人が亡くなり皆さんから、「淋しいでしょう」「悲しいでしょう」とよく言われますが、なぜか思うほど淋しくないのです。まだ近くにいるようで、いなくなったと思えなく、孫たちも「いつもじいちゃんの話をしているからそんなに淋しくない。でも時々会いたくなるよ」と言っています。たまには顔が見たいようです。
 時が過ぎてからが無性に悲しくなるようです。今はまだやることがたくさんあるので、少しずつ頑張っていきたいと思っています。主人が生前、「まだ65歳、これから!」と言っていたように、私も主人の分まで、いや主人がやりたいと思っていた事も、主人と一緒に頑張りたいと思います!


木漏れ日
リレー随想
畑仕事
生活支援員 森井 康子
 減反政策で田が畑になりその畑で今、白菜、玉ねぎ、大根、にんにく、紅菜苔、春菊、小松菜、ブロッコリー等が大地に根をはり、蝶や虫たちとにらめっこしながら日一日と大きく育っています。これまでの収穫は玉ねぎ、ジャガイモ、キューリ、茄子、ピーマン、シシトウ、苦瓜、花オクラ、カボチャ、モロヘイヤ、アスパラガス、ニラ、など季節の野菜が出来、安心、安全な食材が食卓にのぼりました。暇があれば草取りや肥えやり等畑に行って野菜に声掛けし癒され、両親も野良仕事で癒されたのだと感じ、沢山出来た時は子や知人にあげるのが楽しみなっています。若いころは草取りが面倒でしたが、スッキリした畑を見ると頑張ろうと思える瞬間で、蚊には噛まれますがストレス発散です。


寄せられた善意
       平成30年7月25日〜
            平成30年10月24日
            (順不同・敬称略)
《現  金》
谷川 隆子      大成 敏正
松永 功       青原 清美
前川 昭夫      藤正 坂二
後藤 幸生      橘高 則行
中本建設株式会社   森井旅館
丸田 和子      清水 都美子
前田 秀昭
《現  物》
プチトマト      橋 義彰
ししとう、ズッキーニ 永尾 高芳
ししとう、ゴーヤ   長峯 公明
乾麺、パスタ、菓子類 谷川 隆子
桃、ぶどう      向井理容室
お茶         則末 伸夫
茄子         永尾 トシコ
茄子         新田 嘉弘
梨          松永 功
もち米        湯来東小学校
新米         前田 秀昭
柿          林 士
じゃがいも    YMCAコンフォレスト湯来
《朗読奉仕》
どんぐり会
《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子
《将棋ボランティア》
上野 俊雄
※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。

人の動き
《就  職》
10月1日付  生活支援員 清政 幸惠