第180号   愛命園だより「あゆみ」   平成30年7月

避難しました
支援課長 前 和枝
 猛暑・ゲリラ豪雨・日照不足・豪雪など、著しい偏りを示した近年に例を見ない異常気象。その異常気象がもたらす自然災害の前では人間は無力です。
この度の西日本豪雨災害もその中の一つです。
 平成26年8月に多くの犠牲者を出した安佐南区・安佐北区で発生した土砂災害も記憶に新しいところですが、それを更に上回る広範囲に亘る土砂災害が発生し、またもや多くの家屋が倒壊し、多くの人々が犠牲となりました。道路や鉄道、水道、電気などライフラインが失われ、平穏な日常生活が一瞬にして奪われてしまいました。
 梅雨が明け、連日猛暑の中を行方不明者の捜索や土砂の撤去、災害ごみの搬出等、消防・警察・自衛隊及びボランティアの方々の活動に頭が下がります。
 7月6日金曜日、前日に発表されていた大雨警報に洪水警報も追加され、午後から避難勧告が発令されたため、愛命園でも直ぐに対策本部を立ち上げ避難を検討しました。職員が水内川の水位の上昇を確認し、今後の気象情報をもとに、明るいうちに避難することを決定しました。避難所に指定されている湯来福祉会館の3部屋を愛命園に提供していただき、利用者43名、職員10名、実習生1名が一夜を過ごすこととなりました。夕方から更に大雨が降り続き、大雨特別警報が発表され避難指示が発令されたため、園に残る利用者を職
員総員で避難所へ移動することを対策本部で検討しました。(実際には避難は見送ることとした。)
 数年前に避難をした時より高齢・重度化しており、避難所での生活はかなり深刻でした。ベッドの数は不足し、フローリングの床の上に毛布1枚で夜を明かす状況は分かってはいたものの、利用者には相当辛かったと思われます。横にはなっているが眠れない方、不安からか再三トイレに行かれる方、「帰りたい」と叫ぶ方、座ったまま壁に寄りかかり過ごす方など、利用者なりに避難を受け入れ一晩を過ごしました。利用者は体調を壊すような大事に至ることはなく、明け方には降雨量も減ってきており、天候も回復傾向であったため、愛命園に帰園を決定しました。利用者からは安堵の笑顔が見られました。
 幸いにして今回の避難は一晩で帰園することができましたが、避難生活が続いた場合、利用者の健康管理と職員の確保が大きな課題です。
 自然災害はいつ襲って来るか分かりません。マスメディアの報道では、「災害はテレビの世界でまさか自分がこんな目に遭うと思っていなかった。」と言う声が多くありました。
 私たちもいつ災害が起きても迅速・適切に対応出来るよう、日頃から準備・対策(訓練・対応マニュアル)が必要だと再確認させられました。
 今回の災害で亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。


開園45周年を迎えて
事務長 竹内 美千代
 6月1日愛命園は開園45周年を迎えることができました。
 当日は、法人本部より前川会長、家族会より畑後会長、45年という節目の年ということで長年にわたり家族会会長をされた藤正会長ご夫妻にもおいでいただき開園記念式典を開催しました。
 最初に林園長よりこれまでの大変な時期があったことなど話があり、その後、前川会長の挨拶、元家族会会長藤正様からもお言葉をいただきました。
 続いて、愛命園の職員として10年勤続された、梅田大作さん、林洋輔さん、森井康子さんに法人本部から、山田美奈子さん、二川千佐子さんに愛命園から、それぞれ表彰状が贈られました。また、家族会の畑後会長より5名の永年勤続者への感謝状授与と挨拶がありました。表彰された5名の職員からお礼の言葉があり、最後に利用者へ林園長より記念品が贈呈され式典が終了しました。
続いて会食に移り、前川会長の乾杯によりスタート、ごちそうとお酒で楽しいひと時を過ごし、コーラスクラブの発表で終了しました。
 それから1か月後、西日本豪雨により広島県内で大変な被害がありました。愛命園は幸いにも被害がなく、普通に生活できることを喜び、今後も毎年6月1日をお祝い出来るよう願っています。


家族会より
愛命園家族会 岡本 悦子
 今年はお正月早々より私の身近な方の訃報が続きました。愛命園の家族の方、親族の方、と二か月の間に六名亡くなられました。
 自分の老いを感じている今日この頃だったため、健康であるということの大切さを考えてしまいました。体力維持していくことが大事だと思います。
 老いは自分の内面の問題であり、気持ちだけでも若くありたい。老いと共に忘れ物も多くなり、動けていたことも出来ないことが多くありますが、自分でできることに感謝し日々暮らしていきたいと思っています。


グループ外出
生活支援員 松田 耕作
 利用者の皆さんは、「グループ外出は、いついくの?」「バディは誰がついてくれるの?」「晴れるかな?」等、グループ外出に行く一カ月前から楽しみにされていました。今年のグループ外出は、利用者全員が可能な限り参加できるように色々なプランを企画させて頂きました。またグループ外出の日程と職員研修の日程が重なり、約三カ月にかけてのグループ外出でした。
 1班と3班のグランドプリンスホテルでは、いちごブッフェを楽しまれました。美味しいいちごのデザートをお腹いっぱい食べ満足された様子でした。時間に余裕がありましたので、ホテル周辺を散策し瀬戸内海の香りも楽しんで頂きました。
 2班は、普段外出が困難な方に短時間で外出を楽しんで頂けるように藤い屋いろはヴィレッジに行きました。焼きたてのもみじ饅頭や手作りジェラートを食べて、手でOKマークをされ笑顔で過ごされていました。3班の別グループでは、臨場感あふれる映画館で副音声付映画を楽しまれました。帰園するなり「面白かったよ。楽しかったよ。また行きたい」と笑顔で言っておられました。
 4班は、新しくなった広島駅へ可部線に乗って行きました。公用車で可部駅まで行き、可部駅から広島駅まで電車で移動しました。電車の音のマネをする方、電車からの車窓を楽しむ方、電車に乗ったらすぐにビールを飲む方等、広島駅までの道中を楽しまれていました。
 5班と6班は、毎年のグループ外出で恒例の行き先であるサンリブ・おんまく寿司へ行きました。おんまく寿司で「10皿食べたよ」と笑顔で言われていました。利用者の皆さんは寿司が大好きな方が多いです。
 7班は、ゆめタウン廿日市へ行きました。広い店内で買い物、食事を楽しまれました。
 8班と9班は満天の湯へ行き、露天風呂や色々なお風呂を楽しまれました。お風呂の後は、カラオケや買い物を楽しまれていました。一年に一度のグループ外出です。次年度も利用者の方の笑顔がいっぱい見られるグループ外出を企画したいです。


支援1係活動
『リハビリ』
生活支援員 宮木 明美
 今年の4月から、係の活動として車椅子の利用者12名を対象として始まったリハビリでしたが、当初は、職員もどんな風なリハビリをしたら良いのかわからず、日々葛藤の毎日でした。
 大成PT、岡野PTに指導していただきながら進め、4ヶ月が経ちました。最近では利用者に合わせて平行棒を使った歩行や、車椅子から長椅子に移ってもらい一人で座れる様にする座位保持、2係と一緒にリトミック体操で手足を動かしたり、園の外を散歩したり、暑くなってからは園の中を散歩したり、ボール投げなどをしています。
 今までは、活動に参加できていなかった利用者も、職員の声かけで職員と一緒に歩行したり、体操したりと少しずつ変化が見られるようになりました。まだ 1係のリハビリは始まったばかりですが、小さな変化に喜びを感じています。
 これからも利用者の笑顔と小さな驚きや発見で職員も元気をもらい、利用者と一緒にリハビリを頑張りたいと思っています。


支援2係活動
生活支援員 迫田 大
壁面は今年度より2か月に1枚作成をしていきます。初めの1月目で土台を作り、2月目で季節の変化を加えます。
今年度は風景をテーマにして季節の移り変わりを表現しました。
4月 桜         5月 菜の花

6月 オタマジャクシ     7月 カエル


木漏れ日
リレー随想
花に癒されて
生活支援員 森下静江
 花に興味をもったのはいつの頃だったでしょうか。多分子育てが終わり、仕事を始め、色んな事が重なり淋しい時だったと思います。
 最初に買った花はインパチェンスでした。ホウセンカの種類で、花が終わると種がはじけます。その種を次の年に蒔くと、家の周りは色とりどりのインパチェンスの花でとてもにぎやかになりました。
 その後花を植える事から遠ざかっていましたが、2〜3年前にクジャクサボテンの花を頂きました。とてもあざやかで綺麗な花で、毎日その花を見ては、萎むと恥ずかしいかなと思い摘んであげ「ありがとう」の気持ちです。
 ゼラニュームの花は匂いがきつく好きではありませんでしたが、冬の花がない時に咲いてくれるので植えていました。今では好きになり、増やすようになりました。他にアッツ桜・ホクシア・たいつり草・カランコエ・白いキキョウ・可愛くて小さい花が咲き続けています。時には根から枯れた花を見るとがっかりしますが、一鉢から株分け・挿し木と増やしていくのが楽しみになっています。
 花は何も言わないけど朝・夕と花を一回りして癒されています。水やり・栄養・土の手入れ・夜には害虫取り(ナメクジ・かたつむり)・冬には家の中に入れたり、寒さに合わないように外では毛布をかけたり…
 花も生き物だと育てています。

寄せられた善意
       平成30年4月25日〜
            平成30年7月24日
            (順不同・敬称略)
《現  金》
山下 和義      藤正 坂二
浅野 一男      谷川 隆子
大成 敏正      前川 昭夫
森井旅館       山ア 芳子
《現  物》
お茶        則末 伸夫
菓子、じゃがいも  谷川 隆子
にんにく、ゴーヤ  長峯 公明
レッドオニオン   梶原 繁子
大根        みんなの元気な店
ビール       村本 敏恵
きゅうり、キャベツ 松永 千和
《清掃奉仕》
湯来地区民生委員・児童委員
《朗読奉仕》
どんぐり会
《読み聞かせ
ボランティア》
新庄 久美子
《将棋ボランティア》
上野 俊雄

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。

人の動き
《退  所》
6月18日付  佐胡 節子
《退  職》
6月30日付  生活支援員 美藤 成美