第179号   愛命園だより「あゆみ」   平成30年4月

今を生きる!共に生きる!
社会福祉法人 広島県視覚障害者団体連合会
 副会長 橘 則行
 皆さん、こんにちは、連合会副会長の橘です。
 皆様には、新年度を迎え何かとお忙しくご活躍の事と思います。
去る3月の理事会評議員会において、愛命園を始め各施設等の今年度事業計画は承認され、それぞれ利用者等へのサービス提供に努めているところです。
 先日の4月2日、会長代理で職員の皆さんへの辞令交付と愛命園の始業式に行かせてもらいました。職員の皆さんには日夜一時も休む事無く利用者の皆さんに生活等々の支援に従事して頂いている事に対し心より感謝申し上げます。
 今回は府中から妻の運転で出かけました。県の東と西でかなりの距離はありますが、道中あちらこちらの道沿いや山中に桜が目に付き快適なドライブ気分で行くことが出来ました。
 愛命園に着くと川沿いに植えられた桜並木の桜の花は満開で、見事の一言でした。この桜の木は昭和49年、愛命園の開園の次の年に植えられたそうです。以来40年を超えて、今入所されている利用者を見守りながら桜の花は春の便りを載せて毎年忘れる事なく見事な満開の花を咲かせています。 桜と共に歩んで来ている愛命園、今年は満開になった桜と花見の行事とがピッタリ会って、天気にも恵まれ花見の行事で楽しまれたことと思います。
この「さくら」に素敵な香りでもあれば、視覚に障害のある方の花見も・・・。そんな花見で楽しめる時代が来ると良いですね。桜の寿命はどの位か分かりませんが、愛命園の桜、まだまだ老木とはいえません。これからもずっと愛命園を見守り共に歩んでくれる事と思います。
「撒かぬ種は生えないが、撒いた種は生える」と言うことわざがあります。今、政界では忖度が悪い事のように言われていますが、愛命園においては利用者の高齢化重度化で意思疎通の難しい方が多く見られるようになりました。そんな時、利用者さんの思いを充分忖度して、合理的な配慮をする事で喜んでもらいたいと思います。
 私たち障害者にとって関心の高い障害者差別解消法は平成28年4月から施行され3年目を迎え、「差別の禁止」、「合理的配慮の提供」と言った言葉だけは広く知られたのではないでしょうか。 この法律では、国や自治体には「合理的配慮」を義務付け、民間事業者には努力義務としています。精一杯の努力をすることで、支援を受けた方に喜びの花を咲かせてもらいたいと思います。
 また、2020年のオリンピック、パラリンピックの開催をきっかけに、今障害者に対する関心が高まって来ています。この機会をチャンスに、物理的・制度的・精神的なバリアフリーを進めて行くと共に、全ての人の人権が守られる共生社会の実現に向け頑張りたいと思います。
 各種福祉施策に対して種は撒かれています。素敵な花や実を付けるには、栄養が必要です。



自治会会長挨拶
 この度、愛命園自治会会長に就任しました岡野克則と申します。
 利用者の皆さんが、快適で過ごしやすい愛命園になるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。



お花見
生活支援員 三枡 満
 今年の冬は、例年よりも気温が低く、寒さの厳しい日が続きました。3月になるとポカポカ陽気が続き、3月27日、愛命園の桜が咲き始め、林園長から園内一斉放送で開花宣言が発表されました。その後も順調に開花が進み、桜もまるで愛命園恒例行事のお花見を待っていたかのように、4月3日のお花見には満開となりました。
 爽やかな春風が吹く、絶好の花見日和の中、林園長のわかりやすい花見の由来についての説明でお花見がスタートし、利用者自治会会長の乾杯のあいさつで会食が始まりました。ビールに日本酒、ノンアルコールビール、ジュースなどのお好きな飲み物と、彩り豊かで、ボリューム満点のお花見2段弁当に、利用者も大変満足されていました。
 お弁当もひと段落した後のお楽しみタイムでは、今年、傘寿、古稀、還暦を迎えられる6名の利用者を紹介し、ひと言ずつあいさつをいただきました。マイクを持つと緊張されたり、「ありがとうございます。」と本当にひと言だけを言われたりと、和やかな雰囲気の中、みんなでおひとりお一人にお祝いの拍手を送りました。
 続いてコーヒータイムを取りながら、待ちに待ったカラオケのスタートです。お昼を過ぎると外は少し暑いくらいでしたが、日頃の練習の成果を発表せんとばかりに、20名の利用者の皆さんが、時折花びらが舞う桜の木の下、紅白幕をバックに熱唱されました。中にはデュエットしたり、2曲目を歌ったりと、大変な盛り上がりようでした。今年はフルコーラスを歌ったことで、「全部歌えて良かった。」と利用者の皆さんは満足され、楽しいひと時を過ごされました。
 これからも職員一同、楽しく、利用者の皆さんに喜んでいただける行事を企画して参ります。よろしくお願いいたします。



節分
生活支援員 山根 一洋
 今年も節分の季節が訪れ、愛命園でも恒例の豆まきを行いました。
 昨年に引き続き玄関でイワシを焼き柊でお頭を飾りました。また、今年は縁起物の風習である福茶を振舞いました。イワシの臭いや魔除けの風習を利用者の皆さんは今年も楽しまれていました。
 豆まきでは1名の利用者が「是非、鬼役をしたい」ということで職員3名と利用者1名で鬼役をしました。
 皆さん楽しまれていた様子で昼食の節分料理も美味しそうに食べられていました。



支援1係活動
生活支援員 沖田 美穂
 1係はこれまで、個別に抱える思いや要求にできるだけ答えることができないだろうかと職員皆で対応を考えてきました。今年で11年目になります。
 様々な活動を通して自分で選択する経験を積み重ねる事も大事にしてきました。
 そんな1係活動も今年度から車椅子の方を中心にしたリハビリを支援していくことになりました。PTの指導の下、いまある能力に対してそれが維持できるように、工夫とねばりを持って、コツコツとやっていけたらと考えています。
 また、これまで好評だった、誕生日会、挽き立てコーヒーは継続していきます。
 まだ手探り状態ですが、まずは支援者側が元気に明るく、利用者の方が楽しくなれるような雰囲気づくりに努めていきたいと思います。



支援2係活動
生活支援員 石田 まゆみ
 新年度になり、活動も非常勤職員が毎日入れ替わり参加していく体制になりました。
 2係活動は前年度と変わらずピアノに合わせたリトミック体操を中心に体力維持に努めて行きます。壁面・器楽合奏・散歩も利用者の出来る事を尊重し盛り上げていきたいと思います。

壁面 3月ひなまつり
生活支援員 高畠 瑞枝
 利用者の顔写真を使って本物のひな壇のようにしました。昨年度は園の行事をテーマに作り、いよいよ最後になりました。
 今年度の壁面は風景画をテーマに作成していきます。4月は春の風景で桜を中心に5月には菜の花を足して仕上げる予定です。



支援3係活動
生活支援員 梅田 大作
 昨年度末の2月22日木曜日に、毎年の恒例行事となった「支援3係意見交換会」を湯来ロッジで昼食をはさみながら行いました。皆さん美味しい食事を楽しみながら「今年度も頑張った」「来年度も頑張って作業します」「来年度は1日に10本は通します」と口々に言っておられました。
 新年度が始まり、非常勤職員が毎日入れ替わり参加していく体制になり、活動棟の雰囲気も変わってくると思います。また、気温も温かくなり新緑も美しくなりはじめたので、昨年度より体力の維持・向上を目指して始めた「歩行」を活動の間に入れて、今年度も「元気」で「楽しく」活動をしていけるようにします。



愛命園風音楽療法を
音楽療法士 浮田 恵美
 昨年12月から愛命園音楽療法を担当しております浮田恵美です。宜しくお願い致します。
 ただ、音楽療法と言いましても、音楽療法を取り入れ私がヴァイオリンを弾きながらの愛命園風音楽療法を模索しています。この頃は私との距離感を無くし全員で一体感を感じるために、ひとりひとりに打楽器を持って貰い、私の演奏と一緒に思い思いに音を出すこともしています。皆さんとても楽しそうです。私も演奏する喜び、聞いて頂ける事に感謝しながら心を込めて演奏し、皆さんに喜んで頂ける音楽療法をこれからも目指します。
 毎月第3土曜日10時から、クラシック、ポピュラー、ジャズ等様々なジャンルの音楽を楽しんでいます。もし宜しかったら私たちの演奏会に参加されませんか?心よりお待ちしています。



木漏れ日
リレー随想
故郷熊本を思う
生活支援員 白石 聡
 私の故郷は熊本です。熊本県は広島から見るとはるか南西にある県で、車で片道6時間くらいかかるところです。
 政令指定都市に指定されたこの7年で熊本の中心部や、熊本駅周辺は私が知る風景ではなくなっていましたが、まだ開発が進んでいない実家の方に近づくにつれ懐かしい田園風景や商店街の跡地などが次々と目に入ってきました。
 少し前に熊本を大きな地震が襲いました。幸いにも私の家族には何の被害もありませんでしたが、故郷は大きな傷を負い、観光名所の熊本城は崩れ、阿蘇には通行不能になるなどの被害の話を聞くと胸が苦しくなりました。
あれから2年。
 復興が進み、昨年末に久しぶりに帰郷した際は街の中心部は人で活気が溢れ、観光名所も観光客で賑わい、元気が戻ってきていました。
 多くの方々からの支援があってこそ今があるのだと思います。
 名前も知らない多くの方々から私の故郷を元気にしてもらえました。
 今度は私が周りの人に元気と勇気を与えていけたらと思います。



寄せられた善意
       平成30年1月25日〜
            平成30年4月24日
            (順不同・敬称略)
《現  金》
株式会社ビッグラン
 代表取締役 増田 裕明
加藤 律子      谷川 隆子
付添看護共済事業愛命園支部
橘 則行      大成 敏正
前川 昭夫      川端歯科 川端 康司


《現  物》
菓子、野菜、食品  谷川 隆子
害虫対策用具    新庄 良文
啓翁桜       新庄 敏之
花         野上 好子
食材    ひと・いきいきカンパニー株式会社
       代表取締役 増田 裕明
カーブス楽々園
カーブスサンリブ五日市
カーブスコイン通り

管理栄養士 青木 ましず
 フィットネスクラブ・カーブス様より、今年もたくさんの食料品を寄贈していただきました。
 この食料品は、フードドライブ運動に協賛された皆様から提供された食材を集めたものです。今年で11回目になります。心のこもった食品に本当に感謝します。
 黒米ごはん、ねぎえびパスタ、豆サラダ、かっぱえびせんスープなど…
 うまいの〜〜〜〜〜う!




《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

《将棋ボランティア》
上野 俊雄

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。




編集後記
 3月の終わり頃から一気に暖かくなりました。外で過ごすにはいい季節ですね。晴れた空を見ると、ふらふらと出かけたくなります。
 ただ、この時期愛命園の周りでは花粉がすごいです。山の木々から立ち上る花粉や車に降った花粉を見ると恐ろしくなります。私自身は花粉症ではありませんが、ある日突然発症するというような話を聞きます。今年は大丈夫でした。来年はどうでしょう。再来年は…。
 先のことを考えてもどうなるものでもないですね。幸い今は平気です。そのありがたさを感じながら、春を楽しみたいと思います。
                   (HY)