第177号   愛命園だより「あゆみ   平成29年10月

愛サポート計画
サービス管理責任者 橋 義彰
 愛命園では愛サポート計画という外出を実施しています。各地に広がりを見せる「あいサポート運動」とかぶった名称で恐縮ですが、愛命園では利用者のみなさんの行きたい場所を伺って、職員が付き添い外出する個別外出企画です。本来であれば当たり前に実施されてしかるべきことなのですが、施設が山間部にあり、通常の交通公共機関の利用も難しい利用者の皆さんに、少しでも出かける機会を確保したいと始まった計画です。
 これまでも施設行事として旅行やグループ外出を実施してきましたし、個々の事情に応じて冠婚葬祭や還暦等のお祝い、誕生日会などに出かけています。もちろん介護タクシーやボランティア、ご家族との外出なども実施していますが、交通費などの負担も少なくありません。希望があれば可能な限り個別的に支援していますが、「ちょっと気軽に」というほど気軽でもありません。残念なことです。今回の愛サポート計画では買物や食事などはもちろん、夫婦でのお出かけ、コンサート、墓参り、普段会えない家族との会食などを実施しています。つい先日も買い物と回転寿司でのランチに出かけました。普段、食が細い利用者も雰囲気が変わり、たくさん召し上がります。とてもうれしそうな表情を見せてくれます。外出することで普段と違う空気や季節感を味わっていただくことは、何にも代え難い気分転換になるようです。
 こうした外出ニーズはまだまだたくさんあります。施設の職員が付き添うだけでは限界もありますので、それ以外の方法も模索しています。なかなかうまくマッチするような方法を見つけるのも難しいのですが、ぜひ一緒にサポート参加してください。ご連絡お待ちしています。



家族会より
愛命園家族会副会長 白兼 高明
 今年から家族会の副会長をさせて頂いています、白兼高明と申します。
 愛命園には私の兄が長きに渡りお世話になり、園長先生を始め、職員の皆様には感謝の心で一杯です。
 人とコミュニケーションを取るという事は中々難しい事と思います。特に私の兄の場合は耳が聞こえないという致命的な障害があり、家族でも意思の疎通が難しい中、担当の職員の方には大変なご迷惑をおかけしている事と思います。自分の感情を表に出さずに仕事をされている職員の方を、少しでも見習うようにしなければといつも思っております。
 愛命園でも年間の行事が沢山有り、出来る限り参加したいと思いますが、中々時間が取れなく申し訳なく思います。
 朝夕めっきり寒くなって来ました。皆様も体調を崩されません様ご自愛下さい。



夏祭り
生活支援員 沼座 洋
 毎年恒例の夏祭りを今年も行いました。職員・利用者と色々と考えたところ、今年度のキャッチフレーズは「夏祭り 笑顔でつなぐ みんなの輪」でした。
 屋台のメニューは品数が豊富で焼き鳥は特に好評で開始15分ほどで完売になり、買う事が出来なかったとの苦情があったほどの人気でした。
 アトラクションは、利用者の要望で廿日市ベンチャーズさんにお願いする事となりました。30分ほどで全10曲を演奏して頂きました。迫力ある音に圧倒され、皆さんに大変好評で大盛況でした。その後は利用者、来賓、ボランティア、そして全職員でビンゴゲームを行いました。カードを事前に全員に個々のお名前を書いて渡しました。開始後なかなかビンゴになられた方がおられませんでしたが、しばらくして「ビンゴ!!」と大きな声と満面の笑顔で手を挙げてアピールされておられました。ビンゴされたある利用者は商品を手に写真を撮ってもらい、とても満足そうな表情でした。
 盆踊りは炭坑節と阿波踊りで利用者や職員、OBが参加しました。楽しそうな笑い声もあり、ある利用者は職員にカメラを向けられるとピースサインをされておりました。
 今年は初めての試みとなったビンゴゲームは視覚に頼るためか難しかったと一部意見がありました。良かったところ、悪かったところを確認し、次回に活かしたいと思います。
 来賓の方々やお客様、ボランティアとして参加して下さった広島福祉専門学校の皆さん、富士産業さんありがとうございました。おかげさまで今年も大変盛り上がり滞りなく終える事が出来ました。



八丁堀でススキ配布
生活支援員 上 正輝
 ススキ採取の前日から天気が不安でしたが、当日は雨も降らず天上山は涼しいくらいでした。途中に子熊がいたというハプニングがありましたが約200束(1000本)用意することができました。ススキの整理では、利用者の岡本さんのお母さんがお手伝いに来てくださいました。
 配布の当日も天気が心配でしたが、雨が少しパラつく程度でした。配布時には、利用者も一生懸命声を出して配ってくれました。ご家族の畑後さんと白兼さん、そして配布場所のデパートの方も手伝ってくださいました。
 通行中の多くの方が、足を止めてススキを受け取って下さり、手を休める暇もありませんでした。中には毎年来てくださる方、ドーナッツを差し入れしてくださる方や、優しい声を掛けてくださる方などもいらっしゃいました。利用者の一生懸命取り組んでいる姿があり、毎年楽しみにしているとおっしゃってくださる方もおられます。ガマをアップにした絵手紙の礼状も届きました。出来るだけ続けていけたらと思います。



旅行
生活支援員 迫田 大
 29年度の利用者旅行は、1泊旅行は別府温泉コースと香川・淡路洲本温泉コース、日帰り旅行は呉見学コースと柳井散策・体験コース、笠戸島懐石コースとダイヤモンドホテル別館花野食事コースを行いました。
 別府では、1日目にオルゴールミュージアムで自分だけの飾り付けをしたオルゴールを作りました。2日目は地獄めぐりをしました。あいにくの雨でしたが参加された利用者は匂いや音など体感されとても楽しまれました。
 香川・淡路では、1日目に淡路梅薫堂で匂い袋を作りました。2日目に中野うどん学校で自分たちでうどんを打ち、その後の昼食では自分で打ったうどんをとても美味しそうに食べられました。
 呉では、大和ミュージアムでボランティアガイドさんから戦艦大和の話を聞き、男性利用者さんは興味をもって見学されました。
 柳井では、金魚ちょうちん作りを体験され、職員と一緒に上手に作られました。
 笠戸島では、豪華な懐石料理を食べ、なかでもお刺身を大変気に入られました。
 花野では、普段少食の利用者も「まだ食べれる」・「今の料理また食べたい」ととても楽しそうに食事の時間を過ごされました。
 旅行は利用者の方にとってとても楽しみな行事です。今後もより一層楽しく参加できるよう計画を立てていきます。




虐待防止委員会
生活支援員 松田 耕作
 最近、「虐待」に関するニュースをよく耳にします。愛命園では、「虐待はない」「これからも虐待は起こらない」と思っています。しかし、人権擁護の意識が薄れてくると虐待は起こると思います。
 そこで虐待防止委員会では、「虐待はないか」「人権侵害はないか」を、振り返るために虐待防止委員会を月に一度開催しています。虐待防止委員会で、話し合ったことを職員会議で発表し、人権擁護の意識の高揚を目指しています。
 5月には、職員の意識としてどういったことが欠けているか、課題を洗い出すために「セルフチェックリスト」※1を実施しました。全職員が、洗い出した課題点を把握し今後の支援に生かすためにその結果を配布しました。今後も「セルフチェックリスト」は、1年に2回は実施していきたいと思います。また7月には、職員からの意見を踏まえて「呼称」について話し合いました。その結果を職員会議で報告し、これからの方針について確認しました。
 福祉の仕事をしている私たちは、人権擁護のプロフェッショナルであることを自覚し、利用者が一個人として一社会人としてあたりまえの生活ができるように支援していきます。

※1全国社会福祉協議会「障害者虐待防止の手引き」より



第1支援活動
生活支援員 三枡 満
 1係では、創作活動、挽き立てコーヒー、個別支援、畑、誕生日会などの活動を行っています。
 創作活動では、11月23日の園まつりでの記念品として冷蔵庫などにくっつけて使う小さなマグネット帽子を作成中です。かなり細かく地味な作業ですが、出来上がると、とてもかわいらしく、利用者の皆さんと一緒に製作に奮闘しています。
 挽き立てコーヒーは、2グループに分かれ隔週の金曜日の午前中に、コーヒー好きの利用者の皆さんが自分でコーヒー豆を挽かれます。挽いたばかりのコーヒー豆でたてたコーヒーは格別で、この日ばかりは、園内にコーヒーの美味しいにおいが漂い、どこかの喫茶店に行ったような雰囲気になります。
 個別支援では、手浴や、運動として園の周辺の散歩、2係と合同で毎月のテーマに沿ったホール壁面の貼り絵などの作成をおこなっています。また学習会では昨年は「宮島」について学びました。今年は、現段階では未定ですが、地場産業の見学を検討中です。
 畑は、利用者の皆さんと季節の旬の野菜を植え、育て、そして収穫をしています。初夏には、ジャガイモ、ニンニク、玉ねぎ、そして夏はスイカを収穫しました。現在は、さつま芋、大根、白菜、そして秋ジャガを育てており、11月の園まつりで販売の予定です。
 最後に、誕生日会では、今年度より湯来体験交流センターで開催しています。その月に誕生日を迎えられる利用者の皆さんが参加され、美味しいケーキやコーヒーでお祝いをします。そのあと川のせせらぎを聞きながらの散歩や、足湯を楽しまれています。
 これからも、利用者の皆さんに楽しんでいただけるような活動に取り組んで参ります。




第2支援活動
生活支援員 森野 香菜子
 8月25日にもみの木森林公園へ毎年恒例のバーベキューへ出かけました。
 よく晴れて、涼しい風が吹いており過ごしやすい気候の中でのバーベキューでは、皆さん刻んだ野菜や肉を「おいしい」と何回もおかわりをされ、よく食べられました。食後の散策時間には売店でアイスクリームを買って食べたり歩行をされたりとそれぞれゆっくりと過ごしておられました。怪我や体調不良等を訴える方もなく無事帰園することができました。
 体調面の関係で残念ながら参加できなかった方は9月21日にフォローの会を開き、プリンとコーヒーを楽しんで頂きました。
 来年の夏も青空のもと、皆さんで元気に出かけられたらと思います




木漏れ日
リレー随想
生活支援員 椋田 聖子
 これと言って趣味と言えるようなことのない私ですが、今回あゆみの職員リレーを書かせていただくにあたり自分の趣味とは何か考えてみました。それで思い浮かんだことが、DVD鑑賞、ドライブ、ペットと戯れる、いろんなお茶を集める等です。どれも中途半端ではありますが、趣味にしようと思えばいくつかあることに気付かされました。前置きが長くなりましたが、「ペットと戯れる」について書くことにします。
 私の家には現在、犬1匹、猫1匹、ウーパールーパーが1匹います。犬は物心ついた頃から家にいて常に家に犬がいるような生活でしたが、猫は4年くらい前に父が拾ってきて初めて飼い始めました。以前は猫は引っかいたり飛んだり跳ねたり攻撃的で怖い生き物というイメージを持っていました。ですが、飼い始めてイメージとは違う猫の姿を知って、メロメロになってしまい猫に癒される日々です。家の壁や床は爪をといだ後で悲惨な状態ですが、柱で爪をとぐ姿さえ愛くるしく見えてしまう私は完全に猫の魅力に憑りつかれてしまったようです。猫は懐かない生き物だと思っていましたが、帰宅した時には車の音を聞いて家の中から鳴いている声を聴いて嬉しくなり、「朝には早く起きてー!」(私の勝手な解釈です。)と鳴く声にキュンとします。じっと目を見つめていると気持ちが通じ合っているような気分にさえなる私はおかしいのかとたまに思ったりもします。ウーパールーパーは水の中でじーっとして動くことはほとんどありませんが、やはり飼っていると愛着がわいてくるものでたまに水面に浮かんで空気を吸っている姿をみるとなんだかほっこりした優しい気持ちになれます。
 趣味というか完全にのろけ話のようになってしまいましたが、そんな私の日常のひと時を書かせて頂きました。





寄せられた善意
       平成29年7月25日〜
            平成29年10月24日
            (順不同・敬称略)
《現  金》
大成 敏正      谷川 隆子
丸田 和子      前川 昭夫
藤井 貢       大原 佳子
渡辺 清恵      中本建設株式会社
森井旅館       橘高 則行
後藤 幸生      藤正 坂二
和田 靖幸      山下 和義
愛命園家族会     五日市南地区民児協
新川 サワ子

《土地・建物》
故・山本 八重

《現  物》
きゅうり      高野 正明
医学書、梨     松永 功
ジュース      古林 利明
桃、ぶどう     向井理容院
菓子、りんご    谷川 隆子
タオル       森野 栄
花         梅田 義文
ほおずき      湯浅 節
青じそ       福島 利通
ボールカゴ     永尾 幸則
きゅうり、なす   永尾 トシコ
お茶        則末 伸夫
梨         長濱 由起子
新米        前田 秀昭
もち米       湯来東小学校
(ススキ行事)
花         福島 利通
          河野 令子
ガマの穂      野上 好子

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子

《将棋ボランティア》
上野 俊雄

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


『園まつり』開催のお知らせ
今年も恒例の園まつりを開催いたします。
<愛命園 笑顔満祭 園まつり>
日時 平成29年11月23日(木)勤労感謝の日
    10時〜14時半(雨天決行)
催し物 バザー・利用者作品販売
模擬店(うどん・ちらし寿司・
焼き芋・おでん・豚汁等)
アトラクション 和太鼓・楽器演奏等
上記の予定で行いますので、お誘いあわせの上ご参加下さい。多数のご来園をお待ちしております。


編集後記
 この時期の『あゆみ』は、行事の記事が目白押しです。この先の11月は園まつり、12月はクリスマス会と年末までイベントが続きますが、まずは園まつり。天候に恵まれ、無事に開催できますように。             (HY)