第172号   愛命園だより「あゆみ」   平成28年7月


誰もが来たい施設に〜利用者も職員も〜
サービス管理責任者 煖エ 義彰

 2016年夏。南米初の夏季オリンピックがリオデジャネイロで開催されます。今年は広島カープの好調もあって、愛命園のスポーツ好きな利用者たちも熱く盛り上がっています。
これから暑い夏、夏バテや食欲がなくなるということもあるのでしょうが、利用者の皆さんは比較的、食欲旺盛な方が多いように思います。
 その理由の一つとして『歯』の大切さがあると思います。あくまで私の印象ですが、昔に比べ、利用者の皆さんの口臭も少なくなっていますし、歯がグラグラしてしまうような方も見かけなくなりました。なにより歯がきれいになったという気がします。愛命園は日課の中で毎日ハミガキの時間を設けていますし、利用者の皆さん自身が、丁寧にハミガキをしています。以前は歯科検診のたびに多くの利用者に虫歯が見つかり、その都度、通院が増えていたのに、最近はそうした傾向は少なくなりました。実際、昨年にはいい歯の日に表彰を受けた利用者もいます。食べる力、歯の大切さを一層実感しています。
 健康面では、高齢化に伴って病気や予備軍も増えてきていますので、愛命園ではその予防にはかなり力が入ります。愛命園は環境的に街中ではありませんので、ちょっと出かけるだけでも半日仕事となります。だからといって体のことはおろそかにできませんので、健康管理にはできる限りの力を降り注いでいます。通院もその一つですが、それゆえに個別的な楽しみや娯楽的な外出に職員をなかなか振り分けることができないのが頭を抱えるところです。
 今後の愛命園において、元気な利用者と、高齢で病気を抱えた利用者の生活のギャップを、どう埋めるかという課題。病院や要介護の対応が求められる一方で、本来の障害者支援施設として、若く活発な利用者に、どうやってもっと楽しく過ごせるかが大事になります。活発な利用者が廊下を走り回ってしまうので毎日ヒヤヒヤしていますが、過剰に反応してしまうと、行動さえままならなくなるかもしれません。支援に支障が出ないようお互いに声を掛け合い、情報を共有し、対応策を考えていきます。
 先日、短期入所の方から、「愛命園はとてもいい、また来たい」との言葉をいただきました。とてもうれしい言葉です。私たちの仕事は人と人との関係がなにより大切ですので、「また来たい」と思って頂けることが私たちの励みとなります。一時期はベテラン職員が退職し、経験年数の浅い職員が増えたため、そうした関係作りがぎくしゃくしていたようなところもあったかもしれませんが、少しずつ暖かい関係が作れるようになってきたものと感じています。それらが愛命園らしさかと思っています。まだまだ課題は山積みですが、利用者の皆さんが明るく元気に過ごすことができるよう、一層努めていきたいと思います。



国の制度に感謝
家族会 古浦 利明
 毎日暑い日が続きますが、ご家族の皆さん、お変わり有りませんか。
今日もピーポー、ピーポーと救急車が家の近くを通って行きます。今年は熱中症で倒れる人が例年よりも多いそうです。気を付けましょう。
全国で、4人に1人が65歳以上のお年寄りだそうです。我が熊野町では、2万5千人を切り、人口減少で10年後には深刻な高齢化社会に入るそうです。元気で長生きだと喜ばしい事ですが、年金、医療費と若い人に大きな負担が掛かりそうです。
私事ですが、4年前大きな病にかかり少し不自由をしています。しかしながら薬代や治療費は1割負担。年金生活の私には助かっております。
国の制度には少なからず不満を持っておりましたが、今日病気になってつくづく制度に感謝しております。
愛命園にもそうです。妹が、親の時から40年余り、大変お世話になっております。日々感謝にたえません。これからも園の事応援していくつもりです。



水と竹で織りなす日本文化
生活支援員 益成 純也
 今年も皆さん待ちに待ったそうめん流しの時期がやって来ました。毎年恒例の1係活動になっていましたが、今年度からは園行事として新たなスタートを迎えました。係活動で行ってきたそうめん流しも、利用者の高齢化に伴い介助度が増していき、1係の職員だけで実施していくことが難しくなってきました。そのため園行事として職員全体でのフォローしていくことになったのです。
 今年は7月に入っても悪天候が続いており、安定しない環境の中での準備となりました。梅雨前線がなかなか離れてくれず全く困ったものです。しかし先人たちは良い言葉を残してくれました。「雨降って地固まる、世は全て事も無し」と・・・。言葉通りに大雨が降り続いた後は大地も潤い空には見事な晴天が広がり良い状態となりました。アブラゼミのジージーという鳴き声が聞こえ、ようやく本格的な夏の到来を感じます。7月19日(火)そうめん流し当日には申し分ない晴天に恵まれることになり本当にうれしい限りです。
 当日は、利用者の皆さんや職員も含めてそうめん流しをしっかり堪能し、そうめんをつるつるとおいしそうに食べられていました。準備に関わった職員も暑い中での作業となりましたが、そうめんを食べた利用者の皆さんからの「ありがと。おいしいよ。」「風流やね〜」といった感謝の言葉と満足そうな笑顔、そしてなにより美味しいそうめんにありつけて、汗水たらしたかいがあったというものです。
 中国から渡ってきたそうめんを日本人が崖から落ちる水を利用し楽しみながら生み出した個性あふれるそうめん流しという文化。今後も、日本独特の文化を利用者にも職員にも味わってもらい楽しんでいけるようにいろいろと試行錯誤し、また職員一同で協力し合って続けていければ幸いです。
 余談ではありますが、7月7日は「七夕」ですが、同時に「そうめんの日」でもあるそうです。来年の七夕には、皆さんぜひともそうめんも一緒に食べてみてはいかがでしょうか。いつもと違う風流を味わうことができると思いますよ。



グループ外出
生活支援員 沼座 洋
 5月の終わりから7月初めにかけて7班に分かれて今年も恒例のG外出となりました。
3つの班は新しく昨年廿日市に出来た、ゆめタウンへ行きました。店内はとても広く日用品や紀伊国屋でのCDに書籍、ユニクロなどの服屋さんなど品揃えが豊富で、欲しいものは何でもほぼ揃うのではと思いました。ある利用者さんは演歌のCDを購入され大変喜んでおられました。昼食にはスパゲッティやたこ焼き、チャンポンなど食べられ、とても笑顔でした。
 満天の湯では到着してすぐに入浴される方、買い物に行かれる方がおられました。一緒に集まり昼食を摂りました。普段は食が進みにくい方も外出とあって、勢いよく完食されている姿を見ることが出来ました。思い思いの買い物を済ませ、満足そうな表情を見ると、こちらも嬉しくなりました。
 サンリブ五日市店では、平日ということもあり、お客さんもやや少なかったように思いました。ゆっくり服を選んだり思い思いの買い物が出来たので満足されたようでした。食後にデザートやコーヒーなどを楽しむことも出来ました。
 カープ観戦では、観戦前にサンリブ五日市店に寄り、軽食と買い物を各自楽しまれました。ある利用者さんは目当てのカバンを購入されたり、軽食を摂られた方もおられました。野球観戦ではこの日はカープ対西武戦でした。夕食は球場で丼物やカープうどんを食べました。熱気に包まれ、大変な盛り上がりで、楽しかった、また行きたいなどの声があり、大変良かったと思いました。
 マダムジョイ・ほの湯楽々園店では、各自マダムジョイで買い物を早めに済ませ、ほの湯で入浴・食事をしました。入浴では露天風呂にゆったりと浸かり楽しまれました。食事では天ぷら定食を美味しそうに食べられた方など、お好きなメニューを頼まれ帰園後も他の職員からどうだったのか聞かれて、満面の笑みを浮かべ、楽しかったと大変喜んでおられました。
 一部ハプニングもありましたが、外出にハプニングはつきもの、今年度も安全に楽しく外出することが出来ました。
 また利用者さんの楽しかった、また行きたい等の意見もあり良かったです。



第1支援活動報告
誕生日会
生活支援員 益成 純也
 1係活動は毎月、誕生月になった利用者の誕生日会を行っています。園外に出て喫茶店などでケーキやコーヒー、ジュースなどを堪能しお祝いをしています。
 今年度は少し車で足を延ばし、新たに五日市にある「沙羅の森」という喫茶店で誕生日会を行っています。
沙羅の森は障害のある方や高齢の方でも利用しやすくトイレも広々と使えます。大きなピアノがあり木でできたログハウスのよう作りの空間で、誕生日を祝うだけでなく心のくつろぎ場所としても楽しんでいただけました。また、看板犬ならぬ看板猫がおり普段なかなか動物と関わる機会のない利用者にもふれあってもらい、心落ち着ける素敵な場所でした。
 利用者も誕生日を迎えるとともに年々歳をとるわけですが、利用者の皆さんもそのご家族も職員一同も踏まえて、これからもみんなで末永く元気で楽しく過ごしていければ幸いです。



第2支援活動報告
七夕
生活支援員 森野香菜子
 蒸し暑い日が続くようになりました。2係で育てているひまわりなどの花が太陽の光を浴びてすくすくと成長しています。活動中、散歩がてら花壇の前に来て花と共に日光浴を楽しむのもまた乙なものです。
 去る7月5日に少し早めですが毎年恒例の七夕行事が行われました。事前に利用者の皆さんに教えてもらったお願い事を短冊に書いておき、当日笹に飾り付けをしました。
 短冊には「お金持ちになりたい」「お母さんに会いたい」「元気に過ごしたい」など様々なお願い事が書かれていました。
 その中でも最近「神ってる」という言葉で表現され、ファンも選手も大いに盛り上がっている広島東洋カープへの思いを利用者、職員合わせていくつもあり、「我らのカープが優勝しますように」などカープ愛のこもったお願いが印象的でした。
 飾り付けが終わったらみんなで七夕の歌を歌ったり、しりとりゲームをしたりと楽しいひと時を過ごしました。最後は広島東洋カープの応援歌「それ行けカープ」を歌いました。快進撃の続くカープ、優勝も徐々に現実味を帯びてきた中、さらに愛命園の「愛」のパワーで応援したいものですね。
 みなさんは何をお願いされましたか?みなさんのお願い事が叶いますように!


特殊浴槽
生活支援員 森井 康子
  利用者の楽しみはグループ外出、旅行、園行事(開園記念日、そうめん流し、夏祭り、園祭り等)がありますが、日常的な事に三度の食事、カラオケ、入浴、挽きたてコーヒー等があります。
利用者の高齢化に伴い、階段が登れない、座位が保てない、歩行困難、などの方がおられ、以前から特殊浴槽の整備が検討されており、6月16日に設置工事が完了しました。
 まずはデモンストレーションをし、当日はドキドキ、ワクワクしながら入浴して貰いました。利用者の満足されている笑顔や「気持ちが良い」と連呼され嬉しい良い笑顔を拝見する事が出来ました。操作も簡単で安全、安心の入浴日となりました。
 来園の際には是非見学してみて下さい。



木漏れ日〜リレー随想
テレビ界の「三大小道具」
非常勤生活支援員 小山 みどり
 昭和生まれなら「なるほどね」平成生まれだと「へーそうなんだ」でしょうか?
これが目に入らぬかぁーと修学旅行のみやげもの屋で買いました。
 孫は覚えたての歌の始めはなぜか一番四番、「カネ三つ」のかけ声はお決りのセリフ。
ちょっと???のジョークには「おーい山田君」「えっそんなぁ」はシナリオどおり。
「水戸黄門」の印籠に「のど自慢」のかね、そして「笑点」の座布団。
昨年のクリスマス会はお腹をかかえて大笑い。「カネいくつじゃろう…」と日曜の昼は盛り上がる。
山田隆夫さんの運ぶ座布団はあつらえで一枚35,000円なり。型崩れしないように綿を二重に詰め3s余りする。運ぶ時の筋力をつける為に日舞を習い足運びに磨きをかける。
 こだわりと影の力、全てがいろんな人に支えられている。私の好きな“ちょっといい話”あなたの三大小道具は何ですか?こっそり教えて下さいな。



【寄せられた善意】
[平成28年4月25日〜平成28年7月25日]
(順不同・敬称略)
《現  金》
西本 友則  浅野 一男
前川 昭夫  藤井 貢
森井旅館   大成 敏正
谷川 隆子  愛命園家族会
川端歯科 川端 康司

《現  物》
そうめん、りんご他 谷川 隆子
ビール       村本 敏恵
タオル       アクト中食
給茶器
青木 ましず、野上 好子、砂田 和歌子


《朗読奉仕》
どんぐり会


《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子     西山 洋子


《将棋ボランティア》
上野 俊雄


《清掃奉仕》
広島市佐伯区湯来地区児童委員民生委員協議会


※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


編集後記
 梅雨が明けて、季節はすっかり夏になりました。4月満開の花を咲かせていた桜の木からは、セミの大合唱が聞こえてきます。
ギラギラとした日差しの日も多くなってきました。
 これから暑い日が続きます。体調には十分に注意して乗り越えたいものです。 (HY)