第171号   愛命園だより「あゆみ」   平成28年4月


新年度を迎え
社会福祉法人 広島県視覚障害者団体連合会
会長 前川 昭夫

 このところ1日の中でも、寒暖の差が激しい日々が続いていますが、各地の桜は美しく咲き誇り、私たちを楽しませてくれます。
 4月5日には、福山・府中から法人関係者8人が愛命園の花見に参加し、ひと時を利用者の皆さんや職員とともに、お花見弁当をいただき、酒を酌み交わし、交流を図りました。
 園の桜の美しさはもちろんですが、利用者の皆さんがカラオケを、元気に力強く歌われ、その表情の明るさに後押しされ、法人の皆さんも負けじと何人も歌っていました。
 花の命は短くて、楽しい時間はあっという間ですが、この行事を計画し、準備、運営にあたられた 林園長をはじめ職員の皆様に感謝し、心から厚くお礼申し上げます。
 4月1日には障害者差別解消法が施行されました。この法律では、障害者の人権を守ろうという考えが込められており、従来のような福祉ではなく、人権の観点から捉えようという流れが生まれてきたのです。
障害者差別解消法では、例えば車いす利用者であることを理由に、入場を断る必要はないのに介助者の同行を求めるといった対応は、不当な差別的取扱いとされ、役所や国公立学校などの公的機関、民間事業者とも禁じられています。
では、階段しかない施設は車いすの人のためにエレベーターを造らなければいけないのか。そこで登場するのが、合理的配慮という考え方です。
 小さな店で費用の面から難しい場合は、相手と話し合い、店員が持ち上げて運ぶという方法でもよいのです。問題なのは、エレベーターがないから無理と最初から拒否してしまうことではなく、過重な負担にならない合理的な方法で配慮することが求められているのです。
 視覚障害者の場合、コミュニケーションと移動に対する合理的配慮を具体的に当事者が明らかにして行く必要があると思います。
 愛命園も高齢化と重度化が進む中、将来問題検討会を持ち、関係者が様々な角度から検討をしていますが、今後とも多くの皆様のご意見とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。



新自治会長挨拶
愛命園入所者自治会長 岡野 克則
 この度、自治会会長に就任しました岡野克則です。利用者の皆さんが、健康で楽しく過ごせる愛命園になるように全力で頑張ります。
今年一年よろしくお願いします。



花見
生活支援員 椋田 聖子
 この度、お花見行事の担当の一人になりました。花見が行われる4月の2週目は雨が続くとの予報を聞いてがっかりしていましたが、当日は雲一つない青空に恵まれました。少しの肌寒さはあったものの、満開の桜のもと春の香りを体一杯に感じながら花見を行うことができました。
今年は法人の前川会長をはじめ、橘高副会長、藤井副会長、大原副会長ほか、お揃いでおいでいただき、花を添えていただきました。
 宴会っぽく場を盛り上げようということをテーマに、みんなで楽しめる余興を盛り込むことにしました。会場も手作りの花の飾り等をおうちから持参してもらったり、飾りつけを先輩にアドバイスしてもらったり、皆さんの協力で華やかに仕上がりました。
 余興は職員のピアノ伴奏で、春にちなんだ歌をたくさん合唱しました。参加者の皆さん、元気に声を合わせて歌ってくださり、会場の雰囲気がとても明るくなりました。
 カラオケはやはり大人気です。歌いたい方がたくさんおられました。時間ぎりぎりまで続きましたが、最後残念ながら時間切れになりました。来年は曲の1番だけで交代し、もっとたくさんの方に歌っていただきたいと思います。
 反省もありますが、楽しい花見でしたとの声を聞き、嬉しく思います。



家族会より
愛命園家族会 岡本 悦子
 先日友人の息子さんがやっと結婚されました。
 新婚旅行の前に息子さんは熱を出し、扁桃腺が腫れて食べ物が通らなくなり、新妻(23歳)がおかゆを作ったそうです。お米を洗い焦げたらいけないとずーっとまぜていたそうです。
 本人は初めてのことで一生懸命だったようですが、その話を聞いて大笑いしました。
 息子の母親は、その話を聞いても口出しをしてはいけないとがまんしていたようです。
 今はネットを見ながら何でも分かる時代ですが、見る、聞く、話すことも大事だと思います。
 ふと見ると、たずねることのできない我が息子はどのように情報を得られるのだろうとかわいそうになりました。
 そうだ、毎日愛命園で読んでもらっている新聞。自分に興味があったことはこんなことだったのだと話してくれます。良い刺激をもらっているのだとうれしくなりました。
 忙しい中、毎日聞かせてもらい感謝しています。



『ありがとう!上野さん』
生活支援員 松田 耕作
 1月2日夕方、園より「上野さんが入院されました。」と連絡があり、不安が一瞬頭を過りました。この不安を打ち消すように「上野さんは、元気になり愛命園に帰ってくる。」と信じていました。容態が落ち着き退院日まで決まっていましたが、1月23日に容態が急変し、67歳の生涯を閉じられました。

 私が働き始めた頃、すでに車いすでの生活をされていましたが、食事は一人で頑張って食べておられました。頑張るというよりも、本当に一生懸命にお茶碗とスプーンをもち無我夢中で食事をされていました。少しでも介助をすると怒り、お茶碗やスプーンを投げられることも多々ありました。しかし、年々一人で食べることが困難なり、介助なしでは食べることが出来なくなってこられました。でも、スプーンを口の近くまで持っていくと大きく口を開けて下さり、その姿をみると、「食べて、元気になるんだ」と言う強い気持ちが伝わってきました。
 活動は、2係に所属されていましたが、歌を歌うことは難しいため、リハビリテーション・手浴・足浴・香りセラピー等が主な活動でした。理学療法士によるリハビリテーションでは、頑張って手すりをもち立位の練習をされていました。その成果もあり、排泄時のズボンの上げ下げも、介助する側を助けるために頑張って立って下さいました。
 介助をしていると、急に怒り出したり、笑ったり、大きな声を出したり、拍手をしてくれたりと、「天真爛漫」という言葉がぴったりの方でした。
 上野さんの笑顔を見るとすごく癒され、私たちまで笑顔になり、「純真に生きる」ということの素晴らしさ大切さを教えて下さったと思います。
 この場をお借りし、心よりお礼をお申し上げます。「上野さん、ありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。そして、愛命園を見守っていてくださいね!」



平成28年度の1係活動
生活支援員 森下 静江
1係活動の中には
*金先生の音楽療法(アコーディオンを弾きながら昨今の話を交えて歌謡曲を歌う) *コーラス *西山さんの本の読み聞かせ *どんぐり会さん(朗読ボランチィア) *新庄さんの紙芝居 
*毎月の誕生日会(園から出ての外出) *挽き立てコーヒー *創作活動 *河野図書館へ行こう *学習会 *畑作り *おしゃれ 他・・・。
たくさんの活動内容があります。
 利用者の方は歌を歌ったり、本を読んでもらって聞くのが大好きです。外部講師の先生、ボランティアの先生いつもありがとうございます。28年度もよろしくお願いします。
 創作活動は手作りハンガーを作り、園祭りの際の記念品として考えています。
 畑作りは、主にジャガイモ・サツマイモ・スイカ・トウモロコシ・大根・花他を作って収穫祭をする事を計画しています。一番気になるのが野生の猿です。明日は収穫しようと思っていても、次の日に行くと“美味しい”所だけ食い散らかして、情けないやら、がっかりするやら。
 今年は新しくネットを買ってもらったのと、今までの教訓から猿より早く収穫しようと思います。
職員で力を合わせ、利用者の方にも出来る事を、みんな一緒で活動を楽しく安全に行いたいと思います。



第2支援活動計画
生活支援員 迫田 大
 今年度活動では、リトミック体操を中心に季節の外出、壁面カレンダー作成、運動・歩行、楽器・手遊び、手浴・リラクゼーションを係で行います。外出では、利用者とともにバーベキューに出かけ談笑しながらお肉などを食べてもらいます。壁面カレンダーは、ひと月ごとに季節に合ったテーマをたて、利用者とともに絵を書いたり色を塗ってもらいながら作っていきます。運動では、リトミック体操や腸活体操を行います。楽器では、器楽合奏を行い、利用者がそれぞれ好きな楽器を手に演奏しています。リラクゼーションでは、香りセラピーや花をプランターに植えて土や植物にふれあってもらいます。
 その他にも、利用者の希望や職員のアイディアなどから、より一層の支援ができるように努めてまいります。



木漏れ日〜リレー随想
事務員 林 洋輔
 よく見る夢があります。というか、よく憶えている夢といった方が正しいのかもしれません。
大雑把に言うと自動車事故を起こす夢です。猛スピードで大惨事とかそういったものではなく、ゆっくりとしたスピードで、でもなぜかブレーキやハンドル操作が効かず前の車や路肩の塀にぶつかってしまうというもの。しかもそれで結構大きな傷ができる。
これは、事故を起こしてしまうことへの恐怖が表れたものなのでしょうか。それとも自分の運転技術への不安でしょうか。幸い、今まで他者に迷惑をかけるような事故はありません。とにかく人に迷惑だけはかけないよう安全運転を心がけねばと、こんな夢を見るたびに思います。
 しかし、よく憶えている夢は悪い夢ばかりなのですが、皆さんはどうですか。たまにはいい夢ですっきり目覚めたいものです。



今年もたくさんの食材に感謝!!
管理栄養士 青木 ましず
 フィットネスクラブ、カーブス様より、2月22日たくさんの食料品を寄贈していただきました。この食料品は、フードドライブ運動に協賛された皆様から提供された食材を集めたものです。今年で9回目になります。
 心のこもった食材に、本当に感謝します。
 マカロニはグラタン、焼きのりとシーチキン缶でサラダ巻きに、そして鏡もちでぜんざいと楽しみました。
 うまいの〜ぅ!!



【寄せられた善意】
[平成28年1月23日〜平成28年4月24日]
(順不同・敬称略)
《現  金》
谷川 隆子  藤正 坂二
湯浅 節   前川 昭夫
橘焉@則行  藤井 貢
大原 佳子  大成 敏正
渡辺 清恵  繁光 富子
株式会社 ビッグラン
付添看護共済事業愛命園支部


《現  物》
洗剤、りんご  谷川 隆子
牡蠣      宮本海産
啓翁桜、桃   新庄 敏之
古タオル    河鹿荘
        河野 令子
しいたけ、花  野上 好子
たけのこ    伊藤 真紀子
バナナ、サンフルーツ
        村本 久子


食材      株式会社 ブライトン
カーブス広島楽々園
        カーブスサンリブ五日市
『広島藩お抱え絵師 岡岷山の日記と絵図』
        佐伯区図書館湯来河野閲覧室

《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子     西山 洋子

《将棋ボランティア》
上野 俊雄


※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。



人の動き
《就  職》
4月1日付
生活支援員 槇原 未歩
4月から新しく愛命園の生活支援員になりました、槇原です。
まだまだわからないことばかりですが、一生懸命頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いします。

非常勤生活支援員 和田 美幸
 4月から入りました、和田です。
 これまでの経験を活かし、皆さんの楽しい生活のお手伝いができればと思います。



【編集後記】
 ずいぶんと暖かくなりました。
 桜もすっかり葉に覆われ、季節の移ろいを感じております。園の周りの田んぼも着々と田植えの準備が進んでいるようです。
軒先にはツバメも現れるようになりました。巣作りの下見でしょうか。車にフンを落とされる日々の始まりです。 (HY)