第160号   愛命園だより「あゆみ」   平成25年7月

開園40周年を迎えて
社会福祉法人
広島県視覚障害者団体連合会
会長 前川 昭夫

 昭和48年6月1日に開園した愛命園は、設立に向けてご尽力いただいた当初の役員を初め、会員、関係機関、多くの関係者のご指導とご支援を賜り、40周年の年輪を築くことができました。
この間、物心ともに多くの善意をお寄せいただいたすべての皆様に心から厚くお礼申し上げます。
また、地域の皆様にはいつも愛命園を見守り、日々の安全に心配りをいただいていることに敬意を表し心から感謝申し上げます。
 愛命園は、重度重複障害を持つ視覚障害者の更生援護施設として認可を受け、現在は法改正もあって、障害者支援施設・ショートステイ・相談支援などを事業化し、歴代の園長を中心に職員が一丸となって常に安全とサービスの向上に努めてまいりました。
 ここで歴代の園長を紹介し、それぞれのご功績にあらためて感謝の意を表します。
 初代園長 福島 利通氏、二代園長 山本 貞夫氏、三代園長 山本 八重氏、四代園長 竹原 幹氏、五代園長 藤原 幹男氏、六代園長は、2013年(平成25年)7月1日付で林 弘子副園長に就任いただき、今後を託す事となりました。
 林さんは開設準備時から、職員として勤務いただき、事務長、副園長を歴任され、愛命園40年のすべてにかかわり、生みの苦しみから日々の施設運営のノウハウを知り尽くしておられます。まさに、生き字引です。今後とも皆様のご支援と、ご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
 愛命園は、平成11年と12年にわたり全面改築を行いましたが、入所者の高齢化と重度化はさらに進み、ニーズにどのような答えが出せるのかと日々それぞれの立場で模索しながら今日に至っております、現施設を中心に、周辺にも、目を向けながら、何らかの結論を求めたいと、考えていますので関係者のご意見ご指導をいただければ幸いです。
 終わりになりましたが、例年にもまして厳しい酷暑が続いています、熱中症など体調管理に十分お気を付けいただきますよう、皆様のご健勝を、心からお祈り申し上げます。



歩みは止めない
園長 林 弘子

 三代目園長であった山本元園長(のちに非常勤看護師)と、五代目の藤原前園長のお二人が、6月30日付で退職されました。お二人とも、健康上の理由での退職で、さぞかし愛命園に想いを残して去られたのであろうとお察しいたします。
 お二人の業績でまず思い浮かぶのは、平成7年に全国盲重複障害者福祉施設研究協議会の全国大会を、愛命園が主管となり広島で開催したこと、平成14年秋に国が示した翌年からの支援費制度のもとでの単価を知った時点から始まった復活のための大運動、そして、平成11年度から12年度の園舎全面改築です。これらの大事業の折には、いつもお二人が軸になってみんなを動かし、全ての困難を乗り越えることができました。
 そういうお二人と比べて、はたして私に何ができるやらと思うのではありますが、私は、愛命園開園の前から法人事務局に通わせていただいていたおかげで、園のすべての利用者の方の、入所にまつわる事情やいきさつを把握している唯一の職員です。そして、愛命園誕生に至るまでの先人の熱い想いとご苦労を知っている人間です。最近脚光を浴びている個別支援計画も、その方の現在の姿だけ見てたてるのではなく、おひとりおひとりの背後にあるものをひっくるめての個別支援計画でなければならないと思っています。
 決して「平等という名の不平等」にならないように、目に見えるものだけを見ないように、職員にもお願いしております。
 8月末までは事務長兼務のため、事務所で非常に忙しく過ごしておりますが、9月に新しい事務長を迎えましたら、園長室に移動します。
 今後とも、お気軽に声をかけて下さいますようお願いいたします。



人との出会い
愛命園家族会 池田 はやみ

 私はこの世に64年も生きてきました。本当にあっという間でした。
 その間、どれだけの人達と出会ったでしょうか。一度きりの人、長いお付き合いの人、一度きりの人でも、何かの折に想い出したりします。長いお付き合いの人とは色々な想い出があります。人との出会いとは不思議なものです。何かの縁があるのでしょう。多くの人達に助けてもらいながら生きてきました。弟や私には、愛命園の職員さんにはどれ程の助けをいただいたか知れません。弟も昭和63年からお世話になっています。
 石川さんや先日退職された長峯さんに園内を案内されてから25年も経ちました。園の方が安心して過ごせるのか、最近の弟は帰省の期間が短くなりました。その分職員さんには負担をかけているのではと気になります。
 又、藤原前園長、山本元園長にも大変お世話になりましたが先日退職され、とてもさびしくなりました。人とも別れも寂しいものです。
 弟にとって多くの職員、利用者、ボランティアの人達との出会いがありました。皆さんの手助けで弟も楽しく生きてこられたと思います。これからもどれだけの人達と出会うかわかりませんが、もっと色々な事に興味を持ち、体験し、素敵な出会いをしたいと思います。いい出会いは私の宝物のひとつです。



愛命園開園40周年記念
事務員 林 洋輔

 6月4日、愛命園開園40周年記念式を執り行いました。
 愛命園の開園記念日は6月1日ですが今年は土曜日で、調整の結果4日開催になりました。今年は40周年の節目ということで、家族会の役員、地元在住の職員OBにも声をかけ、いつもよりも多くの人数で開園記念日を祝いました。
 式典は藤原園長、前川法人会長、宮崎育成会会長、藤正家族会会長の挨拶に続き、永年勤続者の表彰。今年の被表彰者は、勤続40年の林弘子副園長、勤続30年の清水都美子さんと森本文江さん、勤続10年の神村恒彦さんの4名でした。利用者への記念品贈呈の後、全員で園歌を斉唱して締めとなりました。
 その後は会食です。メインは弁当業者にお願いしたお祝い弁当です。出し物はコーラスの先生にお願いし歌って頂きました。おいしい弁当、おいしいお酒、そして美しい歌声、OBの懐かしいお話等々、皆さん存分に楽しまれたことと思います。
 次の節目は45周年でしょうか。これまで数多くの方が愛命園に携わってこられました。その想いを絶やすことなく、これから精進していかなければと改めて感じた開園記念日になりました。



グループ外出
生活支援員 松田 耕作

今年度のグループ外出は、7班に分かれて行きました。
振り返ると、1班のアルパークは、「広すぎて疲れた」というのが一番多い感想でした。またCD屋さんが改装工事中のため、「欲しかったCDが買えなかった」と不満の声もありました。しかし、昼食は、好きな物をお腹いっぱい食べることができ、大変満足されていました。
 2班はマツダzoomzoomスタジアムで野球観戦の予定でしたが、雨天により中止になり、急遽、サンリブとおんまく寿司に変更になりました。「野球は観れなかったけど、お寿司が食べれてよかったよ」「楽しかったよ」等の声を聞くことができました。
 3班のほの湯では、いろいろなお風呂を楽しみ、昼食はほの湯の中にあるお店でお腹いっぱい食べて、座敷で横になるなど、心ゆくまでリフレッシュできたようです
 4班、5班はサンリブに行きました。サンリブは、利用者さんにとって慣れた場所であり大人気のため、2班に分かれて行きました。利用者さんは、行く数日前から、「カレーを食べてCDを買いたい」「饅頭が食べたい」「お好み焼きが食べたい」等言われていました。当日も、各自が自由に行動され思う存分に楽しまれた様子でした。
 6班は可べの湯に行きました。しかし予定していた当日が、大雨洪水警報が発令されたため、7月5日(金)に延期になりました。延期日の前日まで大雨が降り、天気が心配されましたが、当日は雨も上がり予定通り出発することができました。
到着すると、お風呂に行く方、買い物に行く方と別れました。お風呂では、塩サウナを体験され、水風呂に入ろうとしたら、冷たさにびっくりされるなど、楽しい時間を過ごされていました。昼食は、回転寿司に行き、お寿司を食べ好きなお酒を飲み大変に喜んでおられました。「満足した。また行きたい。」と言われていました。
 7班は清水劇場に行き大衆演劇を観ました。悲しいストーリーで涙ありの演劇でした。
時間の都合上、演舞ショーの途中で帰ることになりましたが、大変に喜んでおられました。
 今回のグループ外出は、天気に振り回させられたなあと思います。しかし利用者さんは、各々のグループ外出を楽しまれた様で、「楽しかった」「また行きたい」との声をたくさん頂きました。次回も、今回のグループ外出以上のものを、利用者さんに提供できるようにしたいと思います。



第1支援活動報告
生活支援員 沖田 美穂

うだるような毎日につい「暑いねぇ〜」と口をついて出てしまいます。そんな暑い日が続く中、7月11日に季節行事の恒例となったそうめん流しを行いました。職員で竹を切りだしトイ、器、箸を作りました。それらにヤスリをかけていただくのは利用者の方にお願いしました。当日も朝から日差しは強かったのですが、いざ、上からそうめんが流れてくると箸に引っかけるのに忙しく、暑さも忘れるほど夢中でした。6m足らずのトイではありましたが皆でワイワイ、歓談しながらそうめんを頂くのには充分だったと思います。
その他の活動では畑にとうもろこし、すいか、さつまいもの苗を植えました。参加利用者の方には、植え付け、水やり、草取りとその方、その方の出来る事で成長過程を感じてもらいました。取分け、草取りとなると逃げ出す利用者の方も多く、探して周る職員も走り周り、代わりに声を掛けられた利用者の方は引きつり顔。でも、快く?返事をもらいその場は何とか活動へ。そんな事を繰り返し、今はただ収穫を待つ楽しみばかりです。他にも、ラベンダーを園の中庭の一角に植えてもらいました。体力に自信のない方でも、中庭ならと参加していただき、今ではしっかり根を下ろしています。ラベンダーが何処にあるのかひと目でわかるように只今看板も制作中です。紹介した活動以外にも、挽きたてコーヒー、クアハウスのプール、誕生会、個別支援などがあります。様々な活動が利用者の方に潤いとなるよう、今日もスタッフは奮闘中です。



木漏れ日〜リレー随想
私の楽しみ
生活支援員 河普@雄太

 私の楽しみは一緒に住んでいる犬のチワワと過ごすことです。
 犬と会話なんて出来るわけないのですが、なぜか犬に話しかけ勝手に会話が成立しています。自分でもおかしな人だな・・・と感じますが、まあそれも良しです。犬が私の一方的な話しを聞いてくれる時にいつも感じることがあり、私自身こんな感じに聞く耳を持てたらいいのにな。と実感することがあります。犬はすごいです。
 私たちが不機嫌だったりすると「なんで?」と、言わんばかりにずっと寄り添ってき、元気にさせてくれます。いつも犬の優しさに触れ、家庭を明るくしてくれる犬は、大切な家族です。



【寄せられた善意】
[平成25年4月26日〜平成25年7月25日]
(順不同・敬称略)

《現  金》
浅野 一男      谷川 隆子
YMCAコンフォレスト湯来
松永 千和      森本 文江
川端歯科 川端 康司
藤原 幹男      林 弘子
湯来ふるさとプロジェクト
(開園40周年)
前川 昭夫      橘高 則行
藤井 貢       大原 佳子
吉見 昭夫      西 耕三
中本 政登      宮本 進
伊東 三喜枝     福島 利通
新庄 チドリ     荒木 コユキ
新庄 竹子      白井 儷准子
上垣 邦子      梅田 美恵子
沖野 ヨリ子     佐々木 弘子
矢口 昌子      谷川 和江
長峯 公明      佐々木 浩二
中本建設株式会社 中本 アイ子
森井旅館       山本 八重
大成 敏正      神村 恒彦
和田 信昭      

愛命園家族会より、開園40周年を記念して40万円の寄付をいただきました。ソファ、ベンチを購入させていただきました。


《現  物》
たけのこ     伊藤 真紀子
野菜       田中 フミコ
乾麺       谷川 隆子
調味料      橋本 貴左
ほうれん草、きゅうり、じゃがいも
         梶原 繁子
ビール(夏まつり用)
      村本 晃一
花、ねぎ     野上 好子
きゅうり     坂口クリーニング店
テレビ      清水 都美子
鮎        水内川の鮎を愛命園に贈る会
         (水内川トリプルエース)



今年も鮎をありがとう
管理栄養士 青木 ましず

 7月14日、地元水内川の鮎をたくさんいただきました。毎年7月の日曜日に、早朝より地元の参加者さんが水内川に入り、ピチピチの鮎を釣り上げて下さいます。今年から“水内川の鮎を愛命園に贈る会”水内川トリプルエースというステキな会のタイトルも付き、ますます心温まる感謝の思いです。
 さっそく、給食業務委託をしている富士産業株式会社の調理員さん達が、愛命園風鮎ごはんを作ってくださり、「ええ味じゃのう」「うまいのう」と夕食は大にぎやか!!湯来の夏の味をありがとうございました。



《朗読奉仕》
どんぐり会

《読み聞かせボランティア》
新庄 久美子     西山 洋子

※ いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


人の動き

《退  職》
6月30日付
 園長       藤原 幹男
 非常勤看護師   山本 八重
《異  動》
7月1日付
 副園長から園長に
  林 弘子



夏祭りのご案内

 日時 8月10日17:00〜19:30
場所 愛命園ホール

神楽(水内神楽団)・屋台など催しがございますので、夕涼みがてら気軽にご来園頂きますようご案内申し上げます。


※ 平成24年度決算報告につきましては、
愛命園ホームページに掲載しております。
URL http://www.aimeien.jp



【編集後記】
 梅雨が明けるとあっという間に夏の気候になりました。ジリジリとした日差しで、暑い日が続いております。
 前号でツバメの巣の話をしましたが、あの後無事雛が生まれました。その雛もすくすくと育ったようで、現在は巣立ちを終えて空っぽになった巣が残されるのみとなっております。来年の春には、また帰って来てくれるでしょうか。