第155号   愛命園だより「あゆみ」   平成24年4月


新たな制度で更なる充実を
相談支援専門員 前 和枝

 近年新法施行への動きがあわただしく誰もがアンテナを張り巡らせている今日この頃。
 相談事業もこの4月から法改正により「障害者相談支援事業所 愛命園」における「一般相談・特定相談事業」をスタートさせております。
 私自身昨年4月より相談支援専門員に着任してから、様々な障害のある方、それを取り囲む家族や地域の方、同じ立場の相談員、また法人・市関係機関の方などとお付き合いすることが多くなりました。まだまだ不慣れではありますが、一歩一歩前に進んでいきたいと思います。生活支援員から相談支援専門員になり対象者は変わりましたが、「利用者への思い」は全く変わっておりません。福祉の現場で働いておられる多くの方は、「利用者の自己実現」を根底に持ち支援しておられると思います。私もその一人です。相談業務に関わりその方々からいろんな事を学ばせて頂き微力ながらお役に立ちたいと思っております。
 そこで自分なりに感じていることは、平成25年から、障害者自立支援法から障害者総合支援法へ法改正され、障害者を取り巻く環境が著しく変化していく中、利用者のニーズに対しそれに対応できる相談の力量、また介護事業所の数が不足しているように思います。まだまだ自分も未熟ではありますが、ニーズに対しての対応が数少ない事を実感しております。障害者にとってはいろいろなサービスを選べることはもちろんですが、介護事業所不足による選択の幅が少ない。まだまだこれから法改正によりいっそう変化していくとは思いますが、本当の意味での選択ができればいいのかなと思っています。わからないことが多く皆さんに迷惑をおかけいたしますが障害者の心に寄り添い、あたたかい支援につながるよう今後も努力してく覚悟です。
 もうひとつ、愛命園では今年度「一生懸命」という言葉をスローガンとしてかかげています。この言葉を私なりに解釈したことは、不出来な自分にでも一生懸命していれば必ず何かが残る。それが、支援の勉強であったり、仲間であったり、必ず自分にプラスになる。ひいては、利用者の生活に良い影響がある。今年度「一生懸命」この言葉通り頑張ります。



花見
生活支援員 神村 恒彦

 行事がある度一年が過ぎるのが早いと感じるのは私だけではないでしょう。
ことに新年度早々のお花見は桜の開花と併せことさら強く感じます。
 さて今年の愛命園のお花見ですが花に嵐の例えではありませんが蕾に嵐となりました。園の桜は固い蕾のままで、さらに爆弾低気圧の発生、通過で雨と風のもとで行なわれました。天気がよければ外に出て桜の木の下でという利用者の方も今回は残念。ですが天候に関係なく食べて、飲んで、歌っての楽しい行事となりました。
 またご近所の方からお花見にと見事な桜の花が付いた枝をたくさん頂戴しました。感謝の気持ちと同時に、あらためて地域の方に支えられているという事を感じました。来年の話になりますが晴天、満開の桜のお花見になるといいですね。
              (啓翁桜)
追伸
 この原稿を書いているころ愛命園の桜が見頃となりました。



打ち上げ予告に期待を込めて
生活支援員  新田 嘉弘

 今年の寒さは人間にも植物にも少なからず影響を与える結果となった。季節外れの雪が4月になっても山の稜線を白く染める日があった。当然桜の開花も遅れ、温暖化に慣れた体にはこたえる新年度となった。
 寒いといえば、牡蠣にとっては旨みを増す条件が揃った。そんな牡蠣養殖に関わる委託作業を展開している我が3係の利用者にその旬を味わってもらいたいと思い、時期的にも年度末を迎えた今年の2月、食事会を実施した。
 1月中旬、利用者にその予告をした。それは予想以上の反響で、口々に期待感を持った言葉が返ってきた。日々の活動はどちらかと言えば地味である。それでも皆さんが想像される以上に熱心な取り組みが展開されている。2年前、数名の利用者がその業者のもとを訪ね、経営者から日頃の頑張りを称える言葉をいただいた経緯がある。そのことが原動力となり、気持ちがかきたてられている面もある。「作業がすきだ〜!!」
 ところで話が前後するが、打ち上げと称して実施した食事会はその時期にふさわしい寄せ鍋を囲むこととなった。寒い時期でもあり、準備、後始末を思うとやはりその部分をお金で買おうと横着をこいてしまった。利用者も雰囲気が替わって普段とは違った夕食となった。ある男性利用者もその時の様子を克明に文章に認めていた。概ね好評だった食事会は次への期待をこめての発言が多く聞かれた。
 新年度になり、「今年度もいい展開になるだろう」と利用者が期待するようなプレミア予告を発信したい。前期と後期、夏と冬それぞれに季節を感じるような内容を提供したい。我々職員は縁の下で支え、彼等を表舞台に上げ、そこで力が発揮できるような支援を心がけたい。このあゆみが発行される頃は桜から新緑へと季節が色彩を変化させているだろう。心身とも活動的な時期を迎える。



グループ外出に行きました
生活支援員 伊藤 真紀子

 2月3月にかけ恒例のグループ外出に出かけました。
 この冬は雪がたくさん降り、外出できるかなと心配になる日もありましたが、利用者の方をがっかりさせることなく予定通り出かける事ができました。
 利用者の方に希望を聞いたところ、「買い物!」の声が圧倒的に多かったです。中には、「買い物をして焼き肉が食べたいんだ」と、もう昼食の事まで決めている方もおられました。
 月2回の買い物ではなかなかほしいものが買えず、ならばと、今回はショッピングツァーと称し企画しました。お店の規模もちょうどよく、利用者のよく知っているサンリブは大人気です。そしていろいろな食事が楽しめる廿日市のフジグラン・お風呂にのんびり入ってショッピングが楽しめる可部の湯と5班に分かれて楽しく出かけました。
 利用者の方々も大変喜んで帰って来られました。私もですがやはり、買い物をして美味しい物を食べるとなぜか嬉しくなりますし、ストレス解消にもなりますよね。小さな喜びや満足が大事なんだと思いました。



第1支援活動報告
生活支援員 森下 静江

 1係の活動の中に地域に出かけて人とのつながり・出会いを見つけるための活動があります。地域にある喫茶店を利用して、誕生者のお祝いをしています。その際は事前に予約をしているので、喫茶店の店員さんたちのご好意でテーブルの上に花を飾ってもらったり、寒い時などは暖炉に火を入れ部屋を暖かくして迎えて下さいます。またケーキにローソクを立てて頂いたり色々な心配りをして私たちを待って下さっている気持ちがとても伝わってきます。
 また、湯来の河野図書館にも出かけています。図書館の職員さんは私たちが着くとすぐに出迎えてくださいます。湯来の民話や面白い本を紙芝居にして読んで下さいます。職員さんは拍子木を叩いたり、人形を使ったりして面白おかしく本を読んでくださっています。そんな様子から面白さが伝わってくるのか、園の利用者も所々で笑い声や笑顔が出てきます。最後の職員さんの面白かった?の問いかけに「面白かった」「またきたい」と答えが返ってきます。
 園外だけではなく、園に来てくださる地域の方も居られます。月に2回本を読みに来てくださるボランティアの方です。利用者のみなさんがどんなジャンルが好きかを聞いて、次にこられる時に図書館でリクエストの中から本を借りてこられます。また、毎月手作りのカレンダーを作ってこられ、デイルームの壁に飾り、利用者のみなさんに見ていただいています。
 園の利用者や職員は地域の人に支えられていると改めて感じています。利用者のみなさんが幸せになれるように職員も楽しく元気に支援をしていきますので、これからもよろしくお願いします。

注 河野図書館は、合併後「広島市立佐伯区図書館湯来河野閲覧室」となっています。



家族会より
畑後 克二

 私畑後ミチエの弟になる畑後克二です。
 姉、畑後ミチエは愛命園に入所して早10年になります。園長さんはじめ職員の方々に、日々お世話になっております。
 姉が入所するまでの状況を簡単にお話し致します。姉ミチエは、生まれつき耳がまったく聞こえず、子供(幼少時)6才の時に広島市のろう学校に入りました。高校卒業し、やがて成人して、一度結婚してました。しかし、36才頃から両眼が少しずつ見えにくくなり、眼検査した結果「網膜色素変性症」という特殊な病気になり、手術しても無理であり、年と共に段々見えにくくなる、大変な病気です。2人で生活するのが難しくなり、離婚して父母と暮らし始めました。姉ミチエは耳・眼と両方不自由になり、つらい毎日が続きました。そして、父母も亡くなり、私弟とともに生活していく中で、難しくなり、愛命園さんに相談してそれから入所を受けて頂くことになりました。最初は、慣れるまで本人も大変でしたが何とか、年月もたち、姉も67才になり園にも落ち着いた所です。
 私と、2番目の姉千代子と共に1ヶ月1回園に顔を出して姉を見に来ます。又、年3回は盆正月入れて帰省を続けております。これからも、園長さん職員さんの力で、姉も一生懸命頑張って生活していくと思います。これからも何卒よろしくお願い致します。
 尚、先日4月8日愛命園家族親睦会に参加させて頂き、園長さん職員さんと共に語り合えて、有意義な一日を過ごしました。ただ、家族会の参加が少なかったのが、藤正会長と話しましたが残念でした。これからは、年2回くらい家族会の開催をして頂きたいなと思っております。家族会の参加がもっと増えればきずなも充実していくと思いますので、是非とも今後よろしくお願いします。



音楽会
生活支援員 枝折 千秋

 3月11日に、音楽ボランティア訪問音楽会を開催しました。
 音楽会開催数日前は、利用者さんから「音楽会はいつ?」「音楽会楽しみじゃね」「何の曲を弾いてくれるん?」などの声がたくさん聞かれました。そんな、楽しみにされている利用者さんの気持ちが私の心に連動して、更にワクワクドキドキと心が高鳴りました。
 いよいよ当日、昼食をとり一息ついた頃から、利用者の皆さんが音楽会開催場所のホールへと少しずつ集まってきました。待っている間、どんな感じなのかな?∞誰が来ているの?∞どんな曲を弾いてくれるのかな?≠ニ楽しみにされている方、何が始まるのかなと複雑な表情をされている方と様々でした。
 そして、14時。いよいよ音楽会がスタート!!フルート、チェロ、ヴィオラ、ヴァイオリンの4つの管楽器、弦楽器の音色が、1つ2つ3つ4つと重なり合い、四重奏の素敵な音がホールに響き渡りました。その瞬間、リズムに合わせて体を動かされている方、手拍子をされている方、曲に合わせて口ずさむ方。無表情から笑顔へと心動かされ、どの利用者さんもよい表情で、楽しまれている様子が窺えました。
 管楽器、弦楽器の生演奏は、想像以上に柔らかで、大変美しい音色でした。その柔らかで美しい音色に心から癒されていくのを感じ、音・音楽の力のすばらしさに感動しました。音・音楽と関わる時、ただ聴くだけではなく、感じることや動くこと、考えることなど、他の様々な感覚にまたがっての体験をしていると、本で読んだことがあります。音・音楽は、心の治療薬なのかなと感じます。
 音楽会が終了したあとの利用者さんのすがすがしい表情が印象的でした。「よかったネ」「楽しかった」「涙が出たよ」との喜びの言葉もたくさんいただきました。本当にすばらしい音楽会でした。
 このようにすばらしい音楽会を開催してくださった音楽ボランティア、バッケン金井様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

バッケン金井様より
 このたびは、アンサンブル・バッケン{弦楽四重奏+フルート}に愛命園さんでの音楽会の機会を与えて頂きまして誠にありがとうございました。今回の開催にあたってご協力いただいた職員の方々、みなさんに感謝の意を表します。
 私が音楽ボランティアをはじめるにあたって最初の一歩二歩を踏み出す時、「はたして私のつたない演奏が福祉施設のみなさんに喜んで頂けるのだろうか?楽しんで聴いて頂けるのだろうか?」という思いがありました。こうしてはじめたささやかな一歩二歩でしたが、幸い聴いて頂いたみなさんから、あたたかい拍手・感想を頂き、これが励みとなり、こうした音楽ボランティア活動に賛同・協力頂ける仲間を募って活動を続けています。今回もつたない演奏ではありましたが、幸い愛命園の皆様方にも楽しんで頂けたようで本当によかったです。
 今回のメンバー一同、聴いて下さったみなさんが喜んで頂けたことが一番うれしく、また、今後の励みになります」と言っています。愛命園の方からも「またきてね」と言うお言葉も頂きました。またみなさんに喜んで頂ける曲を準備して、演奏に行かせて頂ければと思います。今回はありがとうございました。それまで、みなさんお元気でおすごし下さい。



木漏れ日
〜リレー随想
非常勤事務員 清水 都美子

 かねてから気になっていた家計簿の整理を始めました。嫁いでからだから40冊になっています。物置の本棚に詰め込まれていました。
 さて、どのように整理しようかと考えましたが、結局年表にする事にしました。家計簿のメモを頼りに出来事を入力していきます。パソコンだと便利です。どんどん入れても平気、平気。増えるのは一向にかまわないからです。子供の誕生、入学、卒業、就職、結婚から家の新築、自家用車購入等々、イベントある度に出費。出費の額の欄も入れてみました。
 年表は「足跡(あしあと)」としました。
 何とまあ、表にしてみると一目瞭然。その時々に要した費用、よくもまあ気前よく使ったものだとあらためて驚くばかりです。入るところがあるから出ていったのでしょうが、「決して浪費はしていませんね」と自分に聞いています。
 仕事と家庭、毎日忙しく過ごしてきた自分を振り返って、いろいろありましたが、それはそれで楽しかったです。
 年表見ながら、私の今まで生きた大切な証だなあと感じています。これからも続けますが、結末は未完成交響曲になるかと・・・。(笑)



【寄せられた善意】
[平成24年1月26日〜平成24年4月25日]
(順不同・敬称略)

《現  金》
原田 秀夫      谷川 隆子
愛命園育成会     大嶋 宏史
青原 清美      長峯 公明
村上 主典      森 洋子
付添看護共済事業愛命園支部
前川 昭夫      大成 敏正
湯来ふるさとプロジェクト
念佛の会

《現  物》
はるみ(果物)    池田 はやみ
バウムクーヘン    細川 幸子
飲料・調味料他    中野眼科医院
砂糖・洗剤      谷川 隆子
桜の花木       新庄 敏之
食材         カーブス楽々園
           カーブスサンリブ五日市
           カーブス横川



今年も善意の食料品ありがとう!

管理栄養士 青木 ましず
 フィットネスクラブ、カーブスさまより、2月の中旬と3月上旬の2回にわたって、食料品をたくさん寄付していただきました。この食料品は、フードドライブ会員さまのご家庭にある保存食を集めたものです。今年で5回目になります。
 心のこもった食品に本当に感謝です。
 広島産米と各種調味料で、愛命園カーブスカレーの出来上がり!
 うまいのぉ〜



人の動き

《退  所》
2月22日付
大嶋 康史さん


《退  職》
3月31日付
非常勤生活支援員  前 佳代子


《異  動》
4月1日付
伊藤 亜紀
  非常勤生活支援員から常勤生活支援員に


ごあいさつ

生活支援員 伊藤 亜紀
 暖かい季節になりました。
 この度、非常勤から常勤へ異動になりました。仕事を覚えることがたくさんあり、奮闘しているところです。
 私の長年の目標「継続は力なり。」何事も、つまずいても悩んでも、あきらめずに続けること。いつもその言葉を胸に刻み、がんばっていきたいと…、いえ、がんばります!
 ご指導よろしくお願いします。



【編集後記】
 花見の記事にもあったとおり、今年は桜の開花が遅く、9日になってやっと確認となりました。 そこからは早く、あっという間に満開。程なくして散り始め、早々に葉桜となりました。
 これほど花の期間が短いのは、記憶にありません。グランドの藤の花も、咲いたと思ったらもう散っていたような状態でしたし、気候の変化が現れているのでしょうか。 (HY)