第140号   愛命園だより「あゆみ」   平成20年8月


エールの力≠ヘ偉大なり

副園長 藤原幹男
 私事で恐縮ですが、昨年9月〜今年3月迄の半年余り、病休・休職と随分職場に迷惑をおかけしました。その間、多くの人たちから寄せられた励ましの数々。中でも職場の関係者の皆さんから頂いた大きなエール=A今想えば、これらのエール≠ネくして、復職かなった現在の私はなかったと断言できます。
 ガンの告知を受けたとき、さすがの私も「これで終わりか……」と意気消沈し数日間は病院のベッド上でボーと過ごした時期もありました。しかし、そんな私を心底勇気づけていただいたのが、家族はもとより職場の皆さんからの大きな・大きなエール≠ナした。「あと何年生きられるんだろう?」との気持ちから「ガンなんかに負けてたまるか、まだまだ生きてやるぞ!」という気持ちにシフトでき、色々な治療に対し前向きに臨むことができました。
適切な治療と、患者である私自身の前向きな姿勢とが上手くマッチングでき、半ば諦めていた手術が可能となるまで体力も快復。無事手術も終え、手厚い看護のもと急速な快復ぶりをみることができ、職場にも復帰することが叶えられました。多くの方々からいただいたエール≠サのあまりにもの偉大さに感謝しながら、仕事をさせていただける喜びを感じている今日この頃です。
 人間、この世に生まれ誰しもが必要とされている身。不必要な人間なんて誰ひとりいるはずはない。周囲から色々な形でエール≠送られ、それらを“力”に生きていけるんだろう。今度は私がエール≠送る番だ。
大家族の愛命園、ひとり一人のたった一度きりの人生、お互いの力強いエール≠フ交換で幸せと感じる日々を一日でも多く送りたいものです。
 その節は大変ありがとうございました。改めて、多くの皆様に感謝申し上げます。



6月グループ外出

生活支援員 今西 朋美
● 川中美幸コンサート
利用者が普段テレビやテープで聴いている演歌を生で・・・ との思いから川中美幸のコンサート鑑賞を実施しました。利用者の反応は「やっぱりテープで聴くのと全然違う。本物は最高」「買い物も出来たから良かった」など楽しめた様子でした。


● サンリブ五日市店
毎回恒例のサンリブヘ行きました。今回は時間を長くとった事で、なかなか月2回の買物では購入できない物をゆっくり見て回り、大量購入できたと満足した様子でした。


● 可べの湯
今回時間を長めにとり、温泉や買い物を楽しんだ様子でした。利用者の反応は「のんびり、ゆっくりできました」「お風呂の泡が楽しかった」との声がありました。


● プロ野球観戦
広島対ヤクルトのデーゲームを観に市民球場へ行きました。今年で今の市民球場がなくなる事もあり野球ファンの利用者は喜んだ様子でした。梅雨時期で雨が心配されましたが、晴天で「日焼けして痛いよ」との声も聞かれました。ビール片手につまみを食べながら応援し笑顔がこぼれていました。利用者の反応は「暑かったけどテレビで見るのと実際行くのは違って応援すごいな」「行けて良かった。また来たい」「疲れたより楽しかったの方が大きいよ」などの声が聞かれました。


それぞれの希望するコースへ参加し、皆が楽しい時を過ごせて良き思い出の一つとなれば幸いです。今後も利用者の声に耳を傾け、出来る限り希望を叶えられるよう努めたいと思います。



〜木漏れ日〜
〜リレー随想

大きなおうちの人
顧問 山本八重
愛命園ができて、今年で35年になりました。一口に35年と云っても、それはそれは長い年月だと思います。ことわざにも「10年ひとむかし」というのがあるくらいですもの。
ふりかえってみると発足当時からここを利用されている方は、特に長い年月を感じられているのではないでしょうか。若かった人たちが現在いろいろな病気にみまわれ、日々高齢化、重度化が進んでいく様をみるのはとてもつらいものがありますが、皆さん苦にもせずほがらかに生活しておられることがせめてもの慰めになっているこの頃です。
 処遇面では前号「あゆみ」にも出ていましたように法の改正がおこなわれ、その結果、多様な支援が受けられるようになり、職員もやり甲斐を感じていると思います。ようやく「大きなおうち」の役割が果せる時が来たように感じています。
この大きなおうちには多勢の人が住んでいます。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、若い人、又体の弱い人もいて皆仲良く助け合っています。こんなに大勢の人がいて、いろいろな事をして楽しんで生活している場所。これが愛命園なのです。だから家を守る為にそれぞれの役割を果そうと皆さん張り切っています。そしてこの大きなおうちは、地域の方に支えられて成り立っていることはいうまでもありません。
そこで大きなおうちにいる「人」と云う字の意味を考えてみました。人という字は二本の棒がすがりあっているように見えるでしょう。決して一人では生活出来ない事をこの字の形が教えているように思えます。
最近この大きなおうちの玄関先に可愛らしい朝顔が、毎朝花を咲かせています。
朝顔は支えに登って花をつけるのですが、今ひとつ力不足で、支えに高く登れないでいます。「今に登るよ」と頑張っているようで、とてもいじらしいです。でも、朝になるときちんと綺麗な花を咲かせています。私は毎日これを眺めるのがとても楽しみです。たとえ、どんなに小さくても一生懸命生きようと努力している姿に心うたれるものがあります。そして「ああ、よかった きれいよ」とほめてあげて、感動しています。
これからも一日一日を大切に自分でできることを楽しみながら病気にならないように、元気に暮らしていきたいと思っています。



トヨタ ハイエース スーパーロング
導入

 事務員 林 洋輔
このたび、公用車として新たにハイエーススーパーロングが、日本財団様より助成いただいて導入されました。このハイエースは、車いすに座ったままの状態で2名が利用でき、電動リフトによるスムーズな乗り降りが可能です。10人乗りということで見た目にかなり大きいですが、普通自動車免許で運転が可能なため運行しやすく、また、車いすを含めた複数人の移動が1台でこなせるので、定期通院、外出行事に活躍しています。
 高齢化などで、移動時に車いすを必要とする利用者が増える傾向にあるなか、車いすのまま利用できる公用車は、これまでミニキャブ1台しかありませんでした。新車両の導入に際し助成していただいた日本財団様、本当にありがとうございました。この車の機能を有効に活用し、利用者の皆さんの支援に役立ててゆきたいと思います。



【寄せられた善意】
[平成20年4月24日〜平成20年7月23日]
(順不同・敬称略)

《現  金》
浅野 一男     一村 信子
青原 清美     林谷 悟
八幡東地区民生児童委員協議会
前川 昭夫     佐々木 浩二
藤正 坂二・スズヱ
梅田 美恵子    上垣 邦子
矢口 昌子     大森神楽団
川端歯科      石本 憲正
石本 一憲     石本 晃子
YMCAコンフォレスト湯来
中野 富貴子    谷川 隆子

《現  物》
ジュース      谷川 隆子
きゅうり      山本 倉蔵
玉ねぎ・じゃがいも 角前商店
スティールギター  金 秀光
音楽療法士の金 秀光先生より、新品同様のスティールギターをいただきました。職員で弾き方をマスターし、利用者に披露できるようになればと思います。

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。


《朗読奉仕》
どんぐり会     湯来朗読サークル


人の動き

《表  彰》
日本盲人会連合「青い鳥賞」
事務長  林 弘子
去る6月11日、東京体育館にて開催された日本盲人会連合主催、「新日本盲人福祉センター落成・結成60周年記念第61回全国盲人福祉大会」において受賞されました。


《結  婚》
生活支援員  村上 さつき(旧姓 藤井)
おめでとうございます。幸せいっぱいのご本人からのコメントをどうぞ。

私事ですが… 5月に入籍をしました。
縁あってトントン拍子に話が進みました。
みなさんに報告した時には自分のことのように喜んで下さり、「おめでとう!」「幸せになってね♪」と言って下さる満面の笑みはとても嬉しく、心に残るものです。
姓が変わることで、利用者のみなさん、職員のみなさんは困惑されておられましたが… (^。^;)当の本人も困惑です(^^ゞ2つの姓を持っているようで不思議な感覚を味わいました。
まだ、式を挙げていないことで結婚したという実感がなかったのですが、新姓をみなさんに覚えて頂き、呼んで下さることで、自分でも新姓に慣れていき、姓が変わった=結婚したんだ!と実感が湧きました。やっと新姓に慣れてきた今日この頃です。今後ともよろしくお願いします。



【編集後記】
 梅雨らしくない梅雨が終わり、夏らしい夏がやってきました。この夏、園のまわりでは本当に雨が少なく、雲で暗くなってもパラつく程度ですぐ晴れ間が広がります。どうやらその雲は他所で雨を降らせているらしく、「あっちは土砂降りだったけど、こっちは?」ということが結構あります。強い日差しを恨めしく思いながらも、豪雨災害のおそろしさを想うと…。ところで、北京五輪で話題になっている人工降雨機、効果あるんでしょうか? (HY)