第138号   愛命園だより「あゆみ」   平成20年1月



新年のご挨拶

社会福祉法人
広島県視覚障害者団体連合会
会長 前川 昭夫

 皆様、新年あけましておめでとうございます。初春を健やかにお迎えになられたことと心からお喜び申し上げます。昨年は、いろいろな面で地域間格差が表面化し、偽りで固められた事件も多数報じられ、消えた年金や政治の不安定状況などなどから経済の先行きを不安だと答えた人が、報道機関の調査で60%に達しているとのことです。
19年前の1月に平成が始まり、今年は20年の節目の年です。また鼠年は一人一人の小さな努力が点から線につながり、大きな成果をもたらすともいわれています。今年こそ平和で、安全と安心が肌で感じられる年でありますよう願っています。
 愛命園は、自立支援法の施行を受け、昨年4月1日に、「指定障害者支援施設 愛命園」として日中系と夜間系の生活支援を中心に地域ショートステイを加えた施設体系に生まれ変わりました。
 当初は、収支は元より事務量の増大をはじめ、入所者の皆さんへのサービスのさらなる向上が求められており、不安材料もありましたが職員の皆さんの努力と、関係機関、関係者のご理解とご支援により、何とか軌道に乗ってきたのではないかと感じています。
 しかし、自立支援法が国民、とりわけ福祉関係者にコンセンサスが得られておらず、政府や与野党、それぞれの関係者で、さまざまな議論が行われており、大幅な見直しと安定財源の確保が必要であると言われています。
 昨年の暮れから年明けにかけて、与党の自立支援法検討プロジェクトチームからの答申や厚生労働省の見直し案も出され、今通常国会で審議されることとなっています。今後の動向をしっかり見据え判断する必要があると考えております。
 また、愛命園は昭和48年6月1日に現広島市湯来町に開園し、今年は35年の節目の年となりました。この間、湯来町町内会の皆様の多大なご協力とご支援を賜り、あわせて多くの関係者のご理解に支えられ今日を迎えることができました。あらためまして皆様に心から厚くお礼申し上げます。
 愛命園は地域の拠点施設としての機能をさらに発揮するための事業拡大を考えています。自立支援法で地域での相談支援体制の充実が求められており、「障害者相談支援事業所 愛命園」の運営規程を定め、関係機関にお願いする準備をしているところです。
 ここで法人本部事業の一部を紹介します。
 これまでも視覚障害者歩行訓練については、県の委託を受け、県内で行っていましたが、自立支援法では、それぞれの地域で自立することを前提とした事業を各市長、利用者の自宅周辺で訓練できる事業として行う必要があります。
 新たに訓練指導員を要請することとしていますが、愛命園から専門職を派遣し、共に協力し県内の歩行訓練指導の充実を図りたいと考えています。
 また、広島県立点字図書館もこれまで当法人が指定管理者として運営委託を受けていますが1期が満了し、4月1日より新たに指定管理者として委託される事となりました。これを機会に、点字図書館が名実共に視覚障害者情報提供施設として、利用者の要望に答えられる施設として事業が行えるよう、図書館の改名を県にお願いしているところです。
 また、福山市においても地域自立生活支援センター事業のメニューから一部の事業を委託させていただくこととなります。
 今後とも当法人に対し、皆様のご指導ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。終わりに関係者の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。



新春雑感

家族会会長 藤正 坂二

新年おめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。円高、ドル安、油高、新テロ対策特別措置法案成立。(こうなることはわかっていながら、1日三億円の一ヶ月あまりの延長国会…まぁ国の財布からでることじゃ)
今年は150インチテレビ登場、などなど話題には事欠かない。 −戊閏子年(つちのえうるうねどし)が明けました− しかも元旦が子の日からはじまるという、はたしてどんないい年になるでしょう。何が始まるでしょうか。
さて、私ども愛命園の家族会に目を戻しましょう。昨年久しぶりに面会日を3回設けてふれあいを密にしました。概ね22〜23家族のご出席を頂きました。またクリスマス会には30名のご参加のもと利用者のみなさんと楽しい1日でした。今年はどうすればいいでしょう。(まだ役員会はもっておりませんが、プラス思考で前進しなければなりません)
60余名の利用者で家族もいろんな行事に際し、たまには40名の大台に、と常に念願しているのですが、皆様無理な話でしょうか。ちなみにこの冬帰省の様子を園に伺ってみますと、帰省できたひと30名(23日帰園、30日帰省、明けて3日に帰園した人を含む)。こうしてみると、半数以上の人は園でお正月を迎えて、園が生活のすべてということになります。すなわち、ご家族40人という数字は大変なことだと思います。いずれにしましても、利用者の皆さんと共に歩もうではありませんか。今年もご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。皆様方のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。



信頼

愛命園園長 竹原 幹

新年明けましておめでとうございます。平成もちょうど20年目を迎えて福祉においても光明の差す年となることを期待しています。
 平成19年を一文字で表わす漢字として、「偽」(偽り)が選ばれました。昨年1年間を振り返ってみると、食品の偽装問題がこれほどマスコミを賑わした年はなかったのではないかと思います。これでもか・これでもか・こんな老舗でもかと、ただただ唖然とさせられるだけでなく、いったい安心して食べられるものが売られているのだろうかと思わせられました。これらのことは食の安全性を保つ上であってはならないことですが、さらに企業が多くの人の信頼を裏切る行為として許されない行為です。
 さらに、社会保険庁のずさんな年金管理がありました。老後の福祉が保証されていない日本であるが故に老後を少しでも安心して過ごすことができるようにとかけていた年金、それも社会保険庁という公の機関が管理してくれるということで国民は安心していました。ところがその掛け金が着服されていたり、ずさんな管理によって誰の年金か分からなくなっているものが5千万件もあったなどとは誰が予想したことでしょうか。このこともまさに社会保険庁は国民の信頼を裏切った行為に他なりません。
 良好な社会生活を営むためには言うまでもなく人と人、企業と人、政治と人それぞれにおいて信頼関係が不可欠です。その信頼関係がいとも簡単に崩れ崩壊してきていることへのむなしさと憤りを感じた1年でした。
 障害者福祉においても自立支援法が公布後まもなくから見直しが続き、施行後1年以上を経過した現在なお国会で抜本的な見直しがなされようとしています。交付直後から見直しが必要となるような法律が作られるようでは、福祉行政を信頼しながら日々福祉サービスを提供していくことが困難になるのではないでしょうか。一刻も早く安心して福祉サービスが受けられる、また福祉サービスを提供できるような福祉行政施策を示していただきたいと思います。
 障害がある人、まして重度の人こそ生きていく上で強い信頼関係が求められています。今年こそ何事においても信頼に基づいて安心して生活できる年になることを期待しています。



流行語が飛び交ったクリスマス会

生活支援員 新田 嘉弘

 2007年を象徴する漢字が「偽」であった。テレビをつけるたびに、幹部数人がテーブルの前で頭を下げる映像を何度みたことか。そんな暗い世相とは対照的に幾つかの流行語が飛び交った。その人のアクション、語り口に頬が緩んだ時もあったが、払拭するまでには至らなかった。
 前置きが長くなったが、本題に入りたいと思う。利用者が帰省する12月23日、クリスマス会を行った。飲んだり、食べたり、出し物に興じたりと楽しい一時であった。ゲストとしてお招きした朗読グループ「どんぐり会」の皆さんの出し物も流行語をふんだんに採り入れたストーリーになっていた。また、音楽療法士の金さんによるアコーディオン演奏の音色が会場の雰囲気作りに一役買っていたことも是非紹介しておきたい部分であった。
 さて、ここまでは良い流れを連想させてきたが、ここで職員の出し物について一言語っておきたい。昨年も利用者に好評だったとの理由により、懲りずに今年も登場したのだが、演技力、表現力、に抜群の力量を発揮した人物もいたが、「どんだけえ〜」と思いたくなるような人々も沢山含まれていたことはご想像の通りである。「どげんかせんといけん」職員もいたようで、私自身もその一人であったことはいうまでも無い。ともあれ、15時終了予定を何とかクリアーし、家路に着く人々を見送りながら行事担当としての役目を終えた。
 年末のあわただしいこの時期、今年最後の行事が無事終了した。毎年のことではあるが、一年を振り返ると何と早いことか、やり残したことが悔やまれる。新しい年は「そんなの関係ねえ」と自信を持って言える自分でありたいものである。



園まつり

生活支援員 伊藤 章

愛命園に勤めさせていただき3年になりますが、園まつりを迎える度に1年が経つのを本当に早く感じます。
11月に入ると利用者のみなさんは、園まつりに対する気持ちが日に日に高まってきます。実行委員を始め他の職員も、会場づくりの為の片付けや準備で日に日に迫ってくる当日に向けてますます慌しくなってきます。
昨年の園祭りは雨天だった為、数日前に建て終えていたテントを急遽雨天バージョンに配置し直すという作業に見舞われていました。
しかし、今年度は天も味方してくれ、当日はまさに“まつり日和”となり、多くのお客様が来園して下さり大いに賑わいを見せていました。
アトラクションでは、園まつりには欠かせなくなった湯来南高校の和太鼓、佐伯ジャズダンスクラブ、原ソーラン元気組とすばらしい演目の他、今回新たな顔ぶれとして快く参加して下さった、音楽療法士の金先生と、法人バンドの生演奏に利用者は勿論、来園された方々を大いに楽しませて下さいました。
愛命園の一大行事とも言える園まつりを無事終えることができましたのも、ご家族の方、地域の方のご支援、ご協力をいただいたお陰だと心から感謝しております。
また、バザー用品のご提供、アトラクションの出演、ボランティア等、ご多用中にもかかわらず貴重な休日をさいて多くの方にご協力を頂きましたこと、関係者一同心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

(園まつり)



チャリティーコンサートにいって

利用者 岡野 克則
 僕はチャリティーコンサートにいって、とても感動しました。クラッシックというので堅いものだと思っていましたが、知っている曲ばかりだったのでよかったです。また面白いジョークも加えてのコンサートで、とても楽しかったです。僕は涙がでるほどうれしかったです。まだ頭の中でオーケストラが鳴り響いている気分です。できればまた行きたいと思います。ありがとうございました。(本人、談)



給食だより

管理栄養士 青木 ましず

 園にいながら全国の味を楽しんでいただくため、日本全国郷土料理を平成18年10月から毎月一回平日の昼食に提供しています。第一回沖縄県から始まり15都道府県を回っているところです。
「来月はどこへ行くんかのお」
「何県にするんかのお」
「もう一回、海鮮丼を出してえや」
「広島県はいつかのお?」
利用者さんとの会話はこのように弾みっぱなしです。食材を手に入れるのに少し苦労しますが、地方の珍しい食材に利用者のみなさんも楽しんで
おられます。
これまでの好評郷土料理を紹介します。


新潟県 (けんさ焼き・鮭の焼き浸し・
のっぺ・ささだんご)



〜木漏れ日〜

生活支援員 高橋 義彰

毎年、雪シーズンになると朝の通勤がとても、不安になります。地球温暖化が危惧される昨今、そのうち雪も降らなくなるのではないかと心配になっていましたが、今年もちゃんと雪が降って、安心したような、運転が怖いような…。
現在、僕は支援課支援1係に所属しています。支援課の中には医務係・支援1係・支援2係・支援3係と4つの係がありますが、その中で支援1係は利用者の生活がより豊かになるよう、特別活動を中心に、利用者の教養、趣味、体力の向上等を目指して、日々の生活が楽しみや生きがいを持って過ごせるよう支援していこうという活動を行っています。昨年四月にできたばかりで日々手探り状態ですが、利用者から「楽しかった、もっともっと」といった感想を聞かせてもらうと、さらに質の高い活動を提供したいと自分自身のやりがいにつながっています。
これまで、職場の中では若いつもりでいましたが、気がつけば、いつの間にか中年代なのだと感じるようになりました。後輩職員に負けぬよう、これからもがんばっていきたいと思います。



【寄せられた善意】
[平成19年10月24日〜平成20年1月23日]
(順不同・敬称略)

《現  金》
あおぞらバレーボールクラブ
湯来東小学校     向井 重美
大森神楽団      きんさい湯の山
愛命園家族会     愛命園神楽クラブ
小迫 雅敏      宮本 進
よもぎの会
青原 清美      尾崎 重実
藤正 坂二      宮木 文子
橘高 則行      石本 晃子
芸南カントリークラブ
YMCYコンフォレスト湯来
森 洋子       村本 幸信

 (園まつり)
田中 初枝      西本 友則
広島佐伯ライオンズクラブ
越智 良夫・節子   田島 定
西部環境有限会社   株式会社クリンプロ
竹原 万里子     中曽 修
林 燻m       佐々木 浩二
丸田 義行      白兼 ツタ子
田尾 秀春      藤井 貢
湯来中学校      谷川 和江
中本建設株式会社   上野 澄子
前川 昭夫      則末 信夫
伊藤 イチエ      明法寺
白井 儷准子     清水 カツミ
新庄 チドリ     湯来東小学校
広島市視覚障害者福祉協会
荒木 コユキ     佐々木 博巳
森本 辰登      田村 ハヤミ
北本 望       沖本 スズ子
巨炊 満子      青木 シズコ
森本 光英      森井旅館
白井 禮子      福島 サヨ子
伊東 悟       田中 ウメミ
益田クリーニング商会
国沢 紀代子     矢口 タマ子
沖野 ヨリ子     清水 光信
新庄 竹子      和田 幸利
宮本 進       平岡衣料品店
付添看護共済事業愛命園支部
湯来中学校特別支援学級
環境福祉委員会
《現  物》
もち米      森田 弘
二重焼き     森野 栄
みかん      村上 芳正
みかん      石井 巌
みかん      田島 定
ポッキー     佐々木 浩二
みかん      湯来朗読サークル
 軍手       広島ひかり園園長
 みかん      向井 重美
 みかん      徳永 達
 みかん      森 文江


 クリスマスリース 広島YMCA
          広島ワイズメンズクラブ

(園まつりバザー)
 井家上 洋子     池田 はやみ
 石井 巌       泉 サトコ
 伊東 加       井上 市子
 上垣 邦子      梅田 美恵子
 榎 瑞恵       大上 友子
 大島 幸子      大嶋 宏史
 大野 いずみ     大野 百合子
 大場 竹子      岡野 かも子
 大旗連合建設設計(株)
 岡本 孝子      岡本 悦子
 岡本 廣子      沖本 スズ子
 小田 健恵      小田 タケコ
 越智 節子      株式会社西部防災
 湯来モータース(株) 沖村 和美
 (株)ニックストラベル
 亀井 里之      川口 町子
 木下 百合枝     共栄金物株式会社
 木村神経科内科クリニック
 清政 幸子      桑原 芳人
 蔵田ファイリング(株)
 古池 竹之      古浦 利明
 小林 利数      坂口 月子
 坂口クリーニング   佐々木 一美
 サラヤ株式会社    清水 利則
 清水 義清      清水建設株式会社
 白井 一良      白井 勝子
 白井 儷准子     白石 ミチ子
 白兼 ツタ子     新庄 竹子
 末田 弘明      杉原 忠枝
 陶山 博子      伊達 光子
 田中 隆之      谷川 和江
 田村 隆義      津村 みさを
 中国電気保安協会   富重 博
 トヨタL&F広島(株)
 どんぐり会      内藤 静子
 中井 康江      中神 誠
 中川 勝子      永田 正友
 中田 美代      中西製作所
 中本 茂子      西 耕三


 西中 博       新田 憲光
 日本基準寝具(株)  ネオス株式会社
 畠山 安江      佐方会館、山中
 林 敦子       平岡衣料品店
 ビューティーサロンゆき
 平木 ゆきえ     平田 邦子
 広島市視覚障害者福祉協会
 福島 サヨ子     藤正 坂二
 藤本 カツコ     ブルーネ
 宝来書店       前 博昭
 政岡薬店       増原 朋子
 益田クリーニング商会 
 松田 敬子      宮木 文子
 宮田 恵美子     宮本 進
 ミヤモト緑化産業   妙法寺
 向井 重美      向井理容院
 村本 幸信      森 文江
 矢口 昌子      山口 孝雄
 八洲管理株式会社   山下 冨美子
 山根 圭蔵      山根 幸美
 山本 久人      湯来中学校
 湯来東小学校     横山 美子
 吉見 尚子      米田 孝
 リコー中国株式会社  JA広島市水内支店
 清水 美帆      杉並台幼稚園父母会
 YMCAコンフォレスト湯来
 和久野 静江     愛命園職員

《園まつりボランティア》
 湯来中奉仕会
 湯来南高校
 安芸教区仏教青年連盟
 広島福祉専門学校
 広島YMCAボランティアグループ
 日清医療食品株式会社有志
 大江 美代子     田仲 孝子
 長峯 敦子      清政 幸子
 芝 奈々江      松田 敬子
 宮田 恵美子     西 梅代
 新庄 アツ子     森井 和明
 森井 康子      吉本 幸子
 下前 美佐江     上野 俊雄
 宮本 妙子      藤沢 由紀子
 上野 ツル枝     東 敬子
 上田 満音      竹田 孝子
 林 敦子       竹岡 久子
 上野 富子      林 燻m
 森本 一子      清水 利則
 下前 政幸      児玉 和子
 岩鼻 久子      木村 佐代子
 西本 タカ子
《招  待》
ケイリン福祉ニューイヤーコンサート 
(厚生年金会館)   広島ホームテレビ

《門松作り》
葉 牡 丹       谷川 和江
門松作成及び材料    新田 嘉弘

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。

《朗読奉仕》
どんぐり会      湯来朗読サークル

《表  彰》
広島県身体障害者施設協議会会長表彰
 副園長    藤原 幹男
広島市長表彰
 防火管理者  新田 嘉弘
広島市社会福祉協議会会長表彰
 サービス管理責任者
        宇田 辰彦



【編集後記】
 皆様、新年明けましておめでとうございます。
記事の中にもいくつか出てきましたが、2007年の文字は「偽」だそうで、何を信じていいのかわからなくなるような1年だったのかと悲しくなります。ちなみに2005年は「愛」、2006年は「命」だったそうです。2007年が「園」だったら面白かったのになあ。まあ、僕は2005年も6年もさっぱり覚えていませんでしたが(^_^;) (U)