第136号   愛命園だより「あゆみ」   平成19年8月

一歩を踏み出した新事業

園長 竹原 幹

 4月に障害者自立支援法に基づいた新体系に移行しました。事業としては日中が生活介護、夜間が施設入所支援です。移行して4カ月を経過しましたのでその間の愛命園の状況について報告してみたいと思います。
 [1] 障害の程度に応じた介護給付費
 支援費制度では障害の種別や区分、施設の種別などによって支援費が異なっていましたが、障害者自立支援法では障害の程度すなわち支援の必要度に応じた介護給付費が支給されるようになりました。このことは長年にわたって私たちが要望してきたことであり、その意味において障害者自立支援法は評価できるものと思っています。
 愛命園は利用者の障害の程度区分によって、生活介護3と施設入所支援3に該当することになりました。このことによって財政的には支援費制度の時より少し改善されましたので、4月に新体系に移行して良かったと思っています。
 [2] 利用者に対する支援の充実
 障害者自立支援法により新体系においてはサービス管理責任者を置くことが義務付けられました。サービス管理責任者は利用者に対する個別の支援計画を作成し、実施する中心的な役割を果たす職種です。愛命園では2名のサービス管理責任者がケース担当者とともに定期的にカンファレンスを実施しながら個々の障害の状況やニーズに応じた支援計画を作成し、実施しています。
 また、利用者の高齢化と障害の重度化さらに生活習慣病の発生などによって利用者に対する夜間の支援の必要性が高まってきています。3月までは職員の夜間の勤務態勢も宿直であり、充分な支援ができなかったように思います。しかし新体系に移行してからは夜勤が義務づけられました。愛命園は3人の職員が夜勤に就いており、定期的に巡回して利用者が必要とする支援をより適切に実施しています。
 このように新体系への移行による利用者の処遇の向上は安全に安心して生活できる施設としての理想に向かってまた一歩前進することができたように思います。
 [3] 膨大な事務量の増加
 昨年の4月障害者自立支援法が一部施行されたことにより、利用者の自己負担が大幅に増加したことは良く知られています。
 一方、事務的には支援費制度において支援費は月額単位で請求していましたが、障害者自立支援法では日額請求となったこと、さらに利用者一人一人の収入や預貯金の額によって補足給付費の有無や個別減免の有無などによる介護給付費の請求、それに伴う利用者の自己負担の請求など利用者個々の対応が必要になったことにより事務量が大幅に増加しました。
 加えて、今年度日中の生活介護と夜間の施設入所支援の二つの事業を実施することにより、施設会計も二つに分けなくてはならなくなりました。さらに給食費も1日単位で請求できていたものが一食単位での請求となり、一層事務量が増加しています。
 このように膨大な事務量の処理と事務のコンピュータ化に対応できる人材が必要となっています。
 新体系に移行して4カ月課題はつきませんが、予測される今後の福祉の動向を見ても愛命園としてはこの4月に新体系に移行して良かったのではないかと考えています。



よろしくお願いします。

生活支援員 沖田 美穂

 この四月より、愛命園に勤務して 早いもので もう三ヶ月が過ぎました。最初の頃は、新しい職場ということもあり、期待もありましたが 慣れない業務にとても 不安を感じていました。でも、利用者の方には そんな私の思いは関係無く、出勤二日目には もう沖田みほさん おはようと声をかけられた時は、とても嬉しかったです。私は まだ 名前も覚えていないのに。だけど それが励ましの言葉になり 助けてもらったと思っています。利用者の方は 皆それぞれの立場で、それぞれの役割を果たして 支え合っています。色んな発見を共有し、先へ先へと進むだけでなく、相手の目線で楽しむことができればと思っています。おっちょこちょいの私ですが、どうぞよろしくお願いします。



グループ外出

支援2係主任 石川 晃

 5月から6月にかけて「グループ外出」行事を実施しました。事前に希望地を聞くのですが、決まって「買物」か「温泉」です。以前はビール工場・自動車工場・酒造会社見学・ナイター・プラネタリュウム・芝居観劇・気象館etc・・職員主導で体験や学習的色彩が強いものでしたが、実はみなさんの関心はより直接的(分かり易い)なもののようです。利用者の希望を優先するようになってから外出に買物は欠かせないものになりました。今回も買物をくっつけての外出で、幾つかの候補地から選ばれたものは「温泉」「買物(ゆっくりコース)」「焼肉コース」「植物公園」でした。特に希望の殺到した「温泉」は付き添いの関係で2回に分けて実施しました。

前回と特に変わった内容ではありませんが、外出された利用者さんの声を一部ご紹介しましょう。
問   「買いたい物が見つかりましたか」
Aさん 「色々みて(希望する物が)買えて良かった」「ゆっくり買物ができるけえ、ええんよ」
問   「(温泉組に)お風呂に入りましたか」
Bさん 「私は入らずに外で買物をしました」「まだ行ってなかったので、どんな雰囲気なのか・・まあ良かったですよ」
Cさん 「わたしは入りましたよ」「新しい温泉で広かった」「買物もしたよ」
問   「焼肉組は・・」
Dさん  「やっぱり肉はうまい」「酒もうまいし腹いっぱいになった」
問   「植物公園は・・」「お花がいっぱいありましたか」
Eさん 「・・・」「はい!」
問   「雨が降らなくて良かったですね」
Eさん 「はい!」「・・・]
ってな感じの感想でした。



〜木漏れ日〜

生活支援員助手 野上 好子

 創作活動(貝通し・手芸・陶芸)の中で利用者の方がどこまで自分の力で出来るのか。それを確かめて、利用者の持っている力を正しく把握した上で、手を出さずに見守りながら、どんなに小さな事でも最後まで。
 「よく頑張ったね!」、「ありがとう」と声をかけながら、みんなで助け合って活動しています。見学に来てくださいね。



AED設置しました。

生活支援員 高橋 義彰

 今年度からAED(自動体外式除細動器)が愛命園に設置されました。最近ではAEDも街中でよく見かけるようになりました。病院はもちろん、デパートやパチンコ屋さんにもAEDが設置さけるようになっています。ですがAEDがあっても使い方がわからない?ではいざ≠ニいう時に困るので、7月3日に愛命園職員に向けてのAED研修が行われました。当日は人工呼吸や心臓マッサージの蘇生法と合わせて使い方を教えていただきました。実際に体験してみると(電流は流しませんが)以外に簡単で、装置より事細かに指示が出され、指示に従って行動することで、慌てることなく対応できるものなのだと安心することができました。AEDの操作に限ったことではありませんが、もしもの時には焦らず慌てず冷静に対応できるようこれからも定期的な訓練や学習をしていきたいと思います。



神楽クラブ出演
湯来温泉夏休み親子神楽鑑賞会&
廿日市さくらぴあ神楽競演大会

来る8月24日(金)、湯来温泉にある湯来ロッジ、「白鷺殿」にて夏休み親子神楽鑑賞会に愛命園神楽クラブが出演させていただく予定です。練習不足なところもありますが、技術は二の次、楽しんで舞おうと意気込んでいます。また9月23日(日)、には廿日市さくらぴあ 神楽共演大会にも出演の予定ですので、みなさんお誘い合わせの上、お越しください。
チケットのお問い合わせは愛命園まで。



人の動き
<就 職>   
生活支援員(7月1日付)

石田 まゆみ,梅田 大作

生活支援員助手(7月2日付)

山田 美奈子,林 と志子


※ 平成18年度決算資料につきましては、当園HPにて掲載しております。
http://www.aimeien.jp
また、本部事務局でも公開しています。



【寄せられた善意】
[平成19年5月26日〜平成19年7月25日]
(順不同・敬称略)

《現  金》
青原 清美     藤正 坂二
前川 昭夫     清水 光信
川端歯科医院    藤原 幹男
湯来西小学校PTA 中野富貴子
安村 知子

《現  物》
キュウリ      藤本カツコ
玉ねぎ       角前 正明
ジュース      向井 重美

※いつも暖かいご支援ありがとうございます。諸般の事情で掲載を控えさせていただく場合もあります。

《朗読奉仕》
どんぐり会
湯来朗読サークル

《表  彰》
永年勤続表彰(15年)
 サービス管理責任者  宇田 辰彦
※ 6月1日の愛命園の開園記念日に社会福祉法人 広島県視覚障害者団体連合会会長より表彰状、愛命園家族会会長より感謝状が授与されました。 



【編集後記】
 先日、参議院議員選挙が行われましたが、愛命園の皆さんも希望される方は、投票に行かれました。選挙結果は、みなさんのご存知の通りですが、利用者のみなさんの中にも政治に関心がある方もおられ、遅くまで選挙速報を聞いておられました。自分ももう少し政治に関心を持たなければなぁと反省しました。もちろん投票には行きましたが…