第126号   愛命園だより「あゆみ」   平成17年1月

年頭にあたって
社会福祉法人
広島県視覚障害者福祉協会

会長 前川 昭夫
 新年あけましておめでとうございます
 皆様におかれましては、2005年の新春をすこやかにお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
 昨年は、新潟中越地震を初め、数多くの台風が日本列島をかけめぐり、多大な被害をもたらしました、愛命園においても、かつて経験したことのない長期の停電があり、一時混乱しましたが、職員の皆さんのご努力と、地域の方々に支えられ、大きな事故もなく無事回復いたしました、あらためて関係者の皆様に敬意を表し心からお礼申し上げます。
 今年こそは「災い転じて福となす」といわれるように、穏やかで平和な年でありますよう念じています。
 支援費がスタートして2年が経過しますが、財源不足が大きくクローズアップし、先行き不透明な現状にあります。
 こうした中、国の基礎構造改革に伴ない、福祉も例外でなく改革グランドデザインが審議会等のテーブルで審議され、(仮称)障害者自立支援給付法が国会に提出されますが、現段階では詳細についてはわかりません。三位一体改革で地方6団体と国が議論し、17年度予算案が固まったとの情報が報じられています。
 政府の17年度障害保健福祉関係予算案は対前年度比8.5%増の7532億円となっているが、新たな障害保健福祉施策体系の構築をめざし、制度の抜本的な見直しをおこなうこととしており、次期通常国会に予算関連法案が提出されます。
 施設体系の全面的見直しや、応益負担の導入、そして支援費等福祉の財源についても改革論議が盛んにおこなわれています。愛命園は二重三重の重複障害をもつ方々が入所しておられ、高齢化も進み、最重度入所施設として体系化されなければなりません。関係機関のご理解とご支援を心からお願い申し上げます。
 私どもはこれまで、療護施設への転用を強く訴えて参りましたが、こんにちの国における福祉体系の全面的な見直し施策と湯来町が広島市に合併することに鑑み、今後はいち早い情報の入手と、動向を見極めて関係者が一丸となって処遇のの安定と安全をめざして努力して行きたいと考えていますので、皆様方の変わらぬご支援とご協力を心からお願い申し上げます。
 法人本部も、昨年は広島県立点字図書館が、県の制度改革により指定管理者制度が導入されることとなり、12月10日に県から管理者の公募があり、法人としても引き続き点字図書館を運営することとし、職員の皆さんの協力をいただき、応募し、現在県の審査待ちです。
 また、5月には全国盲人福祉大会が石川県で、中国ブロックグランドソフトボール大会が東広島市で行われ、熱戦の結果広島市チームが優勝しました。
 6月には網膜色素変性症協会の第1回全国大会が福山市で行われました。
 8月の中国ブロック盲人福祉大会は福山ニューキャッスルホテルで行ったが台風16号にみまわれご来賓や、各県から参加いただいた皆さんに多大なご迷惑をおかけしました。
 また、盲青年社会生活訓練、盲女性の家庭生活訓練事業、中途失明者緊急生活訓練事業などの社会参加促進事業が、市町村事業に移行するという方針が示されたが、法人としては会員の意見をまとめ、引き続き県事業として継続していただきたいと要望しましたが、結論がでないまま、他県の動向も考慮していただきたいとお願いし、年間凍結し協議を深めることとなりました。
 年頭にあたり法人本部の2種事業の一端を紹介いたしましたが、今年は8月25日から27日まで福山市県民文化センターと、福山ニューキャッスルホテルをメイン会場に第51回全国盲女性研修大会を予定しています。このことにつきましても皆様方のご支援とご協力をお願い申し上げます。
 終わりになりましたが、今年一年が皆様にとりましてすばらしい年でありますよう、そして皆様のご多幸とご健勝を心からお祈り申し上げまして年頭の挨拶とさせていただきます。



新年を迎えて

園長 竹原 幹
 新年明けましておめでとうございます。昨年の4月に愛命園にお世話になって以来、入所者や職員・地域の方々に支えられて9カ月を経過することができました。新しい年を迎えて入所者の立場に立った施設作りをさらに進めて参りたいと決意を新たにしているところでございます。
 さて、昨年の10月12日に厚労省から障害者福祉の改革のデザイン(案)が出されて、今後の福祉の方向性が示されました。その主な内容は障害者福祉の一元化、応益負担、福祉事務の国から市町村への委譲、機能別の施設種別、施設福祉サービスから居宅サービスへの移行、一部介護保険との統合などです。
 このように福祉のあり方が根本から変わろうとしています。今年はより具体的な施策が打ち出されてくるものと思います。私たちは国や県・市町村の動向をいち早くキャッチして、愛命園の運営に活かして参りたいと思っております。
 どのように制度が変化しようとも、入所者の生活がより向上するものであって欲しいと思いますし、私たちはその方向性だけは見誤らないように対処して行きたいと考えております。
 次に今年の4月25日にいよいよ湯来町が広島市と合併します。それに伴って愛命園の監督官庁が広島県から広島市に移ります。広島市に移って具体的に何が変わるのかについてはまだよく分かりませんが一から広島市との関係を構築して行かなければなりません。更にかねてより懸案の療護施設への転換の行方など課題は山積しております。しかしこれらの課題を解決し愛命園の施設の安定と入所者が安全で安心して健康で生きがいのもてる生活が送れるよう職員一同がんばって行きたいと思いますので今後とも皆様のご協力ご支援をよろしくお願いいたします。



新年雑感
〜本家がえり〜
家族会会長 藤正 坂二
あの昭和20年、キノトトリ。あれから月日はめぐって60年。キノトトリの年が明けました。しかも今年の元旦がくしくも〜キノトトリ〜の日、これはめずらしいことだと思います。ともあれ新年おめでとうございます。
 干支にあやかって鳥の話題にはことかきませんが、中でも明治の頃までは、白くするほど沢山いたのに人間エゴと乱獲によって今その保護に懸命になっているという、あのアホウドリ(誰が言い出したでしょうか)でもあの英語読みにするとアルバトロスとか言って私はゴルフのことは全然わかりませんが、バーディよりも、イーグル(ワシ)よりも、凄いんだそうですね。また、あの鳥は大人になるまで7〜8年もかかる珍しい種族と聞いてビックリするやら、目からウロコが落ちるやら…
さて、のっけからくだらないことが長くなりましたが、愛命園には昨年青い鳥が三羽飛んできてくれました。看護棟、宿泊棟、納骨堂、ありがたいことでした。
ところで、翼の無い鳥では、定率減税廃止、所得税、住民税の抜本的見直し、消費税の大幅引き上げ論の見え隠れなどなど。トリられたり、トリられたり。愛命園においても昨年暮れの懇談会ではご参加頂いた多くの皆様はご存知の通りですが、18年1月から応益負担とかで、食費と居住費は本人負担となり、大きく負担増になるとの園の方からのお話がありました。また今年は前々からの願いである“療護施設”にも飛んできてもらうように努力しなければなりません。どうか皆さん、節目節目の懇談会や園の諸行事には一人でも多くの方に1回でも多くご参加いただいて、力の結集とご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。今年も元気を出しましょう。重ねてよろしくお願いいたします。



園祭り開催される

支援員 沖田幸久
昨年の11月23日(勤労感謝の日)に恒例の園祭りが開催されました。当日は好天にも恵まれ、多くのお客様に来園いただきとてもにぎやかな祭りとなりました。
今年の園祭りの特徴は、利用者の方により積極的に手伝っていただける場面を増やしたこと。今までは任意で行っていただいていた売り子役等を、売り場と時間帯を決めることで役割が明確になり参加している感がより強まったように思いました。特に作品販売を担当したNさんは声をからして売り込みです。自分たちの作ったものが目の前で売れていくことに日々の作業意欲を新たにされたようです。一方、焼き鳥販売担当のEさんはお酒が入りすぎ「もっと買ってよー」とお客にからむ場面も(笑)。これも彼の愛すべきキャラクター。私は大好きです。この他にも皆さんそれぞれに役割をこなし祭りを楽しんでおられる様子でした。
最近はどの行事もそうですが多くのボランティアの力を借りています。今回も100名近い方が手伝って下さいました。地域の方にもご協力いただきました。本当にありがとうございました。



色々あった忘年会

作業指導員  新田 嘉弘
 一国の総理が国会で、「人生色々」と発言するわが国では、さまざまな出来事があった。猛暑から暖冬、自然の営みに影響は無いのか、そんな一年を振り返り、当園は昨年の暮れクリスマス忘年会なるものを実施した。暗いニュースがいつも新聞やテレビを独占し、どこかに明るい話題は無いものかと探しているうちに、いよいよラストの12月23日、その行事は始まった。その会に集まった130名余りの人たちには、世間のしがらみを一瞬忘れさせる暖かい雰囲気があった。その中で私が一番印象深かったものは、感謝状を授与されたM君が一瞬みせた感無量の表情であった。365日、自らの手で園内から出されるごみを集め、処理する地道な活動に対してのご褒美であった。不正を働き、自分の都合でしか物事を考えない人たちが多い中、まさに人生色々である。前置きが長くなったが、当然飲み食いで盛り上がるごく一般的なシーンもあり、そこに篠笛の演奏や朗読などが加わり、十大ニュースの発表が時間を忘れさせてくれた。一日早いクリスマスの会でもあり、当然因んだ歌も披露された。前途多難を思わせる今の時代にあって、自分を見失わないで生きていかなければならない。新しい年は「酉年」である。酉とは、酒を盛る器を表した象形文字だそうで、さんずいをつけると確かに酒になる。一年の計は酒を控えて立てることとして、元旦早々職場に向かった。「やれやれ、正月から仕事かよ」、そう心の中でつぶやきながら、素面の私は降り積もった雪の中、車を走らせていた。



【寄せられた善意】
[平成16年10月26日〜平成17年1月25日]
(順不同敬称略)
【 現金 】
湯来東小学校   青原 清美
上原 利枝    向井 重実
森  洋子    藤正 坂二
村本 幸信    宮本  進
芸南カントリークラブ
付添看護共済事業愛命園支部
愛命園家族会
(神楽共演大会)
ゆき葬祭     新庄 務
(園まつり)
西部環境(有)    (株)クリンプロ
中村 絹子    西本 友則
吉松 江子    中曽  修
湯来東小学校   湯来中学校
鰍らい     中本建設
庄原市評議員   前川 昭夫
竹原  幹    佐々木浩二
越智 節子    林  豊子
一村 信子    吉見 昭夫
藤谷 光三    永尾 博雄
林  高士    小橋 佳江
和田4農区町内会長福島利通
福島サヨ子    益田クリーニング商会
吉見 斉     北本  望
清水カツミ    巨炊 満子
水内地区民生委員児童委員協議会
伊藤イチエ    青木シズコ
清水 光信    田村ハヤミ
佐々木博巳    荒木コユキ
沖本スズ子    新川 陽子
森本 辰登    藤本カツコ
上野 俊雄    新庄チドリ
新庄 竹子    沖野ヨリ子
国沢紀代子    伊東カズエ
田中 正樹    和田 幸利
増田鮮魚店    平岡衣料品店
上野与三郎    白井儷准子
町教育長寺岡崇  愛命園家族会
湯来中学校ボランテイアクラブ
広島佐伯ライオンズクラブ
※諸般の事情により掲載を控えさせていただいた方もございます。ありがとうございました。

【 現物 】
新米       坂口クリーニング店
もち米      佐々木博好
もち米      湯来東小学校
ウインドブレーカー・トレーナー
     広島佐伯ライオンズクラブ
みかん      村上 芳正
大根       新庄 務
大根       山根 誠康 
豆もち      坂口クリーニング店
生かき      宮本海産
<クリスマスケーキ>
中国新聞社会事業団を通じてクリスマスケーキの寄贈ありました.
寄贈者 ホシザキ中国
潟Tニクリーン広島 
<点字カレンダー>
広島テレビより今年も点字カレンダー
の寄贈がありました。
クリスマス忘年会の席で園長より入所者に贈呈されました。
(園まつりバザー提供物品)
風早 修平    和田 和江
下手 光子    松田 敬子
松内 文子    清政 幸子
西部防災     芝 奈々江
宮田恵美子    大久保清司
竹田 孝幸    沖野ヨリ子
上原 利枝    平岡衣料品店
梅木産業     寺尾 静夫
大旗連合建築設計(株)
白井 勝子    下前美佐江
原田八重子    小西 静子
新井 鐘哲    泉 サトコ
和田 幸利    越智 節子
山本 倉蔵    新庄 敏之
どんぐり会    向井 重実
橋本 貴左-    広島銀行石川
太田ふみえ    大場 竹子
田村 泰子    松下 武夫
沖村 和美    中曽  修
林  幸子    岡本 孝子
井家上洋子    米田  実
新川日出男    岡田 英明
石井 邦子    松尾 幸子
小笠原季恵    角前 正明
藤本カツコ    伊東 照子
吉本加代子    吉松 江子



杉並台幼稚園父母会
岡本 廣子    向井 八月
大野 政道    横山 美子
橋本 正彦    清水カツミ
湯来東小学校   平木 幸恵
広島市視覚障害者福祉協会
巨炊 満子    森本 辰登
小田 信治    清水 義清
谷口登志喜    杉原 春子
小橋 佳江    内藤 勝巳
イワキ梶@    川中醤油
ピーターパン   宝来書店
八洲管理     リスロン
トヨタL&F広島小原義徳
佐伯醤油     中国電気保安協会
日本基準寝具   広島銀行加計支店
清水建設主田和明 ニックストラベル
梶川石油商店   中西製作所
湯来弁当仕出しセンター冨田輝吉
富田吉蔵     平田 邦子
日清医療食品   益田クリーニング商会
政岡薬店     オムエル
清水建設北丸博章 ケービーエム
藤原組中村徳治  坂口クリーニング店
ミヤモト緑化産業 岡野かも子
ベネット中国   木村酒店
リョーコクショウジ    前川 昭夫
石原 國靖    伊東みこと
西 ウメヨ    沖本スズ子
蔵田ファイリング 木村酒店
カーレックスユニバーサルリンク
湯来モータース  クリームファット
砂谷梶@     嶋川青果
佐伯 森人    藤正 坂二
山口 孝雄    岡本 悦子
岡野 朝良    越智マキ子
村本 幸信    大島 幸子
桑原 芳人    亀井 里之
高橋 啓光    大嶋 宏史
江野脇 貢    宮本  進
田中フミコ    徳永  保
古浦 利明    畠山 安江
宮木 文子    永田 正友
則末 義人
※諸般の事情により掲載を控えさせていただいた方もございます。ありがとうございました。
【園まつりボランテイア】
湯来西小PTA有志
湯来中奉仕会
湯来南高校
安芸教区仏教青年連盟
永光寺
広島福祉専門学校
広島YMCA健康福祉専門学校
広島YMCAボランテイアグループ
湯来町社協有志
地域の人たち(もちつき)

※毎年の事ながら暖かいご支援ありがとうございます。

【朗読ボランテイア】
どんぐり会
湯来朗読奉仕会

【訪問演奏】
クリスマス忘年会のアトラクションに湯来町にお住まいの篠笛奏者梶川さま来園、クリスマスソングを演奏していただき、美しい笛の音色に参加者のみなさん、大変感動いたしました。本当にありがとうございました。



雑 感
生活支援員 宇田辰彦
地震・津波・異常気象など世界でさまざまなことが起こっています。国内でも、ノロウイルスなどの問題が起こっています。いろいろな犯罪も多発しているようです。スキミングや振込め詐欺など、犯罪の手口が巧妙なものになり、被害が広がっているようです。その中で、企業のこれまでの体質があらわになってきているのではないかと思います。スキミングなど、被害者が知らないうちにカードを偽造され、引き落とされたお金について銀行は、被害者に落ち度がないと証明できない限り、保障してくれないのだそうです。銀行が作ったカードを預金者は信用して使っているのに…スキミングでカード情報だけを盗まれている為、本人は偽造されたことに気づかずにいることが多いそうです。偽造されたカードで引き落とす際の手数料は犯人が銀行に支払ってるって…おかしいですよねえ…素人は銀行を信用してお金預けてるんだもん。
どこかの銀行が保障しますって言ったら預金者殺到するんだろうに…利用者負担で保険にしようみたいな話も出てるみたいです。被害者の落ち度がなかった証明をする為には、カードを受け取ってからずーっと、どこでどのようにカードを使ったのかをメモってないとだめみたいです。無理だよ…。被害にあった人が悪いっていうような銀行の対応はやっぱりいただけませんよね。障害者をとりまく福祉制度も大きく変わっていくようです。利用する人が、安心して使えるような制度に変わるといいなあ。使えない人が悪いんだ、というようなことにならなければいいと思います。



【編集後記】
昨年末に『広報誌を魅力あるものに・・・』という研修会に参加させて頂きました。広島県内にある各施設の広報誌担当職員が参加して、各施設の機関紙を持ち寄り、構成や広報誌作りの進め方、いろいろな意見交換を行いました。大変参考になる内容でした。講義の中で印象に残ったことの一つに、読者の皆さんの意見を聞くことが大切ということでした。
どうしてもマンネリ化しがちな広報誌作りです。『えかったよ』『ありぁおもしろくない』などなんでもかまいません。
あゆみ作りの励みになりますので、読者のみなさんの感想やご意見を、お聞かせ頂けると嬉しく思います。よろしくお願いします。 (高橋)