第122号   愛命園だより「あゆみ」   平成16年1月



あけましておめでとうございます



 昨年中、皆様からお寄せ頂きました善意に心から感謝申し上げます。本年も相変わりませぬご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。



社会福祉法人
広島県視覚障害者福祉協会会長  前川 昭夫
理事・監事・評議員        一同
本部職員            一同
愛命園園長           山本 八重
 〃 職員           一同
 〃入所者自治会        一同



年頭のご挨拶

社会福祉法人
広島県視覚障害者福祉協会
会長 前川 昭夫

皆様、新年明けましておめでとうございます。
2004年の初春は、比較的暖かい幕開けとなりましたが、皆様におかれましては健やかに新春をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
愛命園も全面改築を行い3年が経過し、新しい環境のもとで、充実した生活を取り戻していましたが、社会福祉法や身体障害者福祉法の改正に伴い、昨年4月には、従来の措置制度を改め、障害者が福祉サービスを自ら選択利用する仕組みであります、支援費制度が始まり、法人本部、点字図書館と共に新会計要領への移行など大きな変革がありました。
 支援費制度により、愛命園は、利用者の処遇がどのように守られるのか大変不安でありましたが、多くの皆さんのご支援と、行政関係者のご理解を賜り、処遇の安定が守られました。改めまして関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。
 しかし、本年度の国の支援費予算では、50億円の赤字が見込まれ、補正はなされるものの、景気回復も見込めず財政難が続けば、来年度以降の支援費について、単価の引き下げをはじめ、制度の見直しも議論になることが懸念されます。
 私たちはどのような状況にあっても、利用者の生活の安定を守る義務があると考えてはいますが、このところの障害の重度化と高齢化が進む中で、どのように施設運営を行うのがよいのか、将来を見つめつつ、いろいろと検討していますが、大半が知的障害を含む重複障害をもつ方々が入所しておられる施設であることから、療護施設として支援することが望ましいと考えています。
 さて法人本部も、収益事業が大きく落ち込み、委託事業も大幅に減額され、財源確保に苦慮いたしております、会員のご理解をいただき会費の倍増を提案し、本部の運営が安定するよう努力する考えですが、会費ですべてをまかなうことは困難な状況にあります、こうした現状に鑑み、今後第一種事業と第二種事業を効率的に運営し、法人の発展に努める覚悟でございます。
 また今年は、第33回中国ブロックグランドソフトボール大会が5月に東広島市で、8月末には日本盲人会連合第53回中国ブロック盲人福祉大会を福山市で、さらに来年は日本盲人会連合第51回全国女性部研修大会を開催いたします。
 このように、愛命園また法人本部も、大きな目標と、課題を抱えながら年明けを迎えましたが、法人理事、役員、会員が一丸となってがんばる所存でございます。
 本誌をお読みいただいた皆様を始め、関係者とご支援とご協力を心からお願い申し上げます。
 年頭にあたり、皆様方のご健康とご多幸を心から祈念申し上げ、私の挨拶といたします。



新春雑感

家族会会長 藤正坂二

 カレンダー
 掛けて五体に
 気が満つる

 このまんま
 夜よはよ来い
 初の夢

 明けましておめでとうございます。日本列島、天も地も穏やかなお正月風景でした。皆様、どんな初夢でしたでしょうか。今年もどうか宜しくお願い申し上げます。
 私の初夢は、一面識もない2人の人の訪問を受けて(申し添えておきますが男性)、一問一答を余り覚えておりませんが、お宮やら温泉の話をしました(これはちょうど、その夜、NHKラジオ深夜便新春特集寄席で柳家金五郎、五代目志ん生師匠など、大名人の芸を堪能した直後だったからかも知れません)。
 話し変わって、これは去年のことですが、ある時、5〜6人のグループで
夢談義が始まりました。夢の中で会話がどの程度できるか、服装などカラーか、白黒か、など盛り上がりました。カラーで見るはその中で一人だけ(若い30代)。結局、その場は「物心ついたころからカラーテレビで育ったか否かの違いだろう」とのオールド組の結論でした。
 話は戻って、私の話の中の見知らぬ2人ですが、私の白黒どころか、顔かたち、背格好まで目では見えない。それなのに、おおよその年頃からタイプまで頭に描かれているのです。面白いですねえ。有り難いですねえ。もう少し私が若くて才能でもあったら、夢の世界にのめりこんで見たい、それほど夢大好き人間なのです。
 新年早々くだらないことを言ってきましたが、ひるがえって起きているとき見るのも好きですねえ。皆さん、ご存知ですよね。今年は愛命園に「ファミリー棟」(仮称)、また、居室の建て増しもあるかも知れません。3年前のあの感激をもう1度。皆様、去年よりまず1回多く、愛命園に足を向け、相集おうではありませんか。
 盲重複研(全国盲重複障害者福祉施設研究協議会第24回松江大会・家族会共催)においても、家族会全国組織もスタート、動き始めます。組織の力、家族の関わりは不可欠です。そんなこんなで今年は統一した面会日を何度か設定し、併せて家族の懇談会も持ちたい。これも夢のひとつでございます。
 どうか皆様、今年もいっそうのご指導・ご支援のほど、宜しくお願い申し上げますと共に皆様方のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

 アンテナを 
立てりゃ腹立つことばかり
  見ざる聞かざる言わざるが花

 振り返りゃ 暗くむかつくこと多し 前見て明るい方へ歩まん
 平和なくして福祉なし




新年を迎えて

園長 山本 八重

 明けましておめでとうございます。
皆様、ご壮健にて新しい年への夢をふくらませていらっしゃることとお喜び申し上げます。
 愛命園でも支援費制度1年目を何とか通り抜けた感じではございますが、次々と入ってくる改革のニュースに、「これからの施策はどの様に変化していくのだろう?」と一抹の不安を感じております。
 しかし、私たちは施策がどのように変化しようと「共に生きる」ことへのお手伝いをすることに変わりはありません。「朝の来ない夜はない」と聞いております。必ず来る朝に期待をして、前向きに努力をしていきたいと考えております。
 毎日毎日、「忙しい」とぼやいておりますが、忙しいとは心をなくしてしまうことだと聞いております。どんなに忙しくても「心」をなくさないよう、現実をしっかり見きわめ、「安全と安心」が約束されて、信頼される施設であるよう努力していきたいと思っております。
 どうかよろしくお願い申し上げます。



園祭り開催される

生活支援員 沖田 幸久

11月23日勤労感謝の日に恒例の愛命園園祭りが開催されました。当日は好天に恵まれ、屋外の屋台や餅まき等とても盛況でした。また、今回は新たな試みとしてアトラクションに太田川学園の太鼓グループをお迎えし、当園の神楽クラブと交流ステージを持ち大変好評でした。愛命園は多くの方々に支えられています。今回も地域の方や保護者、ボランティア等多くの方にお手伝い頂きました。本当にありがとうございました。
最終ページに当日の様子を写真で載せておきます。



園まつりに想うこと

 湯来町社会福祉協議会 大江美代子

 毎年、11月23日といえば「愛命園まつり」というくらい、 私のなかで園まつりへの関心は高いものです。これは私だけではなく、地域住民、愛命園での実習を体験した学生たち、様々な人たちが同じ想いではなかろうかと感じます。
 11月23日は園まつりだから日程を空けておこうー、そんな妙な意気込みです。今回も、地域の方をはじめ多くの方の多様な形でのボランティアが展開されました。ボランティアに参加する度に思うことは、「来て良かった」。利用者の方との話のやりとり、また利用者とご家族との会話に触れること。あたたかい人のつながりが感じられます。
 平成15年4月から障害者の福祉制度の改革により支援費制度が始まりました。これにより、ハード面の整備は勿論のこと、これまで以上に利用者一人ひとりの個別性を大切にした支援が重要になってきています。ここ十数年の福祉制度の大きな動きのなかで、措置の時代にも増して「利用者本位」ということが今、改めて見直されつつあります。
 この大きな変革のなかで、作業活動や訓練活動など生活支援を基盤に、従来から続けられている旅行や買物、外出、各種行事への取り組みなど、利用者の多様なニーズに応えようと努力を重ねられている前向きな姿勢に拍手を送りたいと思います。
 これからも余暇活動を含めた利用者の生活の質の向上に向け、地域のネットワークの中で様々な人々の参画を得、より一層地域に根ざした施設であってほしいと願い、私自身も地域に暮らす一人として何らかの形でこれまで以上に関わっていければ、と思っています。



ホールに響いた歓喜の歌声そして琴の音

作業指導員 新田 嘉弘

 秋の3大行事(一泊旅行、運動会、園まつり)を終え、今年を締めくくる行事が昨年の暮れに開催された。暮の行事といえば忘年会にクリスマスと相場は決まっている。当園はそれらをミックスし、一日でしかも限られた時間に行うのである。私のように呑んべーの立場からは歓迎するところではあるが、悲しいかな仕事で、しかも幹事とくればこの会が一刻も早く終了することを願っていたように思う。
中身は琴とフルートの演奏で心が癒され、職員の合唱で気持ちが優雅となり、朗読によりその情景が浮かび、そうした皆さんの演出効果により、楽しい会となった。とかく暗いニュースが多かった2003年が静かに幕を閉じていった。
このあゆみが皆さんの手元に届く2004年は申年である。それぞれが持っている悪いものをすべて取り去るリセットの年であって欲しいと願っている。



デイサービス事業の「いま」と「これから」

作業指導員 長峯 公明

 既にお知らせのように昨年4月から町の委託を受け、「精神障害者デイサービス事業」を開始しました。それまで町社協が運営する「心身障害者デイサービス事業」に通っていた人が、支援費制度への移行に伴い利用できなくなってしまいました。その受け皿として湯来町が町内居住の在宅精神障害者を対象に上記事業を立ち上げ、その運営を当園に委託されたものです。
 当初の利用者は男性2名、月曜から金曜までの週5日でスタートしました。町社協のデイサービスでは、他利用者の介助や活動場面での役割を確立し、良好な人間関係を築いていたと聞きます。果たして当園の入所者とサービスになじんでもらえるのかどうか、双方が不安を抱えた中での事業開始だったと感じています。
 受入れ当初に話し合いの場を持ち、その要望を確認しながら作業中心のメニューを組みました。以前、町内の共同作業所に通所していた頃に経験のある「貝通し」作業が基本、他に給食・入浴サービスの提供、レクリエーションや外出行事などにも希望に応じて参加してもらっています。大勢の仲間と席を並べる作業棟は何より手狭、そして賑やかな事この上ないのですが、黙々と仕事に取り組んでいます。当初、ぎこちなかった当園入所者との交流も段々と深まり、特に作業場面では援助・協力の関係が定着してきました。昨年12月には女性の利用者1名も加わり、より和やかな雰囲気に包まれています。
 また、毎月の作業実績、利用日数を勘案しながら、僅かな金額ではありますが、月末に「工賃」を支払っています。未だ渡す工賃よりもいただく利用料の方が多く、薄い袋を手渡す度に申し訳なく思っています。現在の作業種では自ずと限界があり、今後、更に利用者が増えるとすれば、利用者自身の希望に根ざした新しい仕事の開拓も検討しなければならないかと感じています。
 もうひとつの大きな課題は、「作業所」作りです。町独自の施策とあって、町村合併の問題もからみ、この先、恒久的に事業が継続されるのかどうか、その見通しは立っていません。当面、財源的な基盤を確立する意味でも就労促進事業としての「共同作業所」作りが差し迫った課題だと考えています。昨年末から湯来町や町社協、地域保健所など関係団体と協議しながら、その足掛かりを探り始めたところです。
 ところで先日の新聞によれば、制度発足時から噂されていた支援費制度と介護保険との統合が改めて検討され、近い将来、精神障害者のサービスもその中に位置づけられそう、とのこと。今後の動きを見守りたいと思います。




【寄せられた善意】
[平成15年10月26日〜平成16年1月25日]
(順不同・敬称略)
【現 金】
湯来建設業協会  石川 晃
藤正坂二     橘熨・行
中川ハナコ    石本一憲
村本幸信     上原利枝
愛命園家族会   吉松江子
向井重美     山本八重
森田繁義     青原清美
芸南カントリークラブ

(園まつり)
(株)クリンプロ    西部環境(有)
西本友則      林 医院
前川昭夫      竹原 幹
湯来中学校     湯来東小学校
佐々木浩二     中本政登
新井鐘哲      斉藤猷子
越智良夫      北本 望
伊東みこと(庄原市視覚障害者会代表)
平岡衣料品店    増田鮮魚店
林豊子・一村信子  沖本スズ子
大竹市視覚障害者福祉協会
小橋佳江      田室照雄
白井勝行      田村はやみ
吉見 斉      吉見 昭夫
永尾博雄      白井禮子
水内地区民生委員児童委員協議会
梶川典之(梶川石油商店)
益田クリーニング商会
青木シズコ     藤谷光三
広瀬茂登子     国沢紀代子
清水光信      上田 源
田中正樹      新庄竹子
沖野ヨリ子     新庄チドリ
藤本カツコ     上野俊雄
伊東カズエ     小田新治
矢口タマ子     五三会
上野与三郎     愛命園家族会
庄原市北地区社会福祉協議会

いつもありがとうございます。諸般の事情により掲載を控えさせていただいた方もあります。

【現 物】
もち米     湯来南小学校
 〃      政岡薬店
 〃      佐々木博好
白 菜     中曽 修
ジャガイモ   YMCAみのち学荘
大根菜     下手光子
みかん、りんご (株)ニックス

(園まつり)
磯崎 薫    太田克子
岡本孝子    山根圭蔵
林 摩耶    木山孝子
水内郵便局   白井勝子
佐々木瑞生   下手光子
梅田美鈴    伊藤イチエ
佐々木(湯来町社協) 
松田敬子   寺尾 清
石川 勉   林 幸子
湯来中学校  上原利枝
堅田宗男   砂田六枝
新庄竹子   大場竹子
白井妙子   ブルーネ
下前政幸   松内文子
萬所仁志   小田タケ子
山手康敬   宮本三千雄
森本辰登   泉 義隆
松田敬子    愛命園園芸班
沖野ヨリ子   白井光男
橋本貴左    中川勝子
石井邦子    宮田恵美子
伊東三喜枝   伊東照子
新井鐘哲    杉並台幼稚園父母の会
佐伯ライオンズクラブ会員の方々
井家上洋子   槙 瑞穂
向井八月    平木幸恵
清水カツミ   中本茂子
清水チエ子   湯来南高校
伊東やよえ   清水義清
小田広徳    古家睦子
イワキ   クリームファット
湯来建材    佐伯醤油(有)
トヨタL&F広島西営業所長
大神(大旗連合建築設計梶j
主田(清水建設)  北丸(清水建設)
八洲菅理    中電工
バブ日立ソフト有志
ミヤモト緑化産業
YMCAみのち学荘
大旗連合建築設計
清水建設    武田養鶏場
オムエル    向井理容院
益田クリーニング商会
平岡衣料品店  坂口クリーニング店
湯来モータース   焼肉すうちゃん
広島県北部ヤクルト販売
リョーコクショウジ
木村神経科内科クリニック
北本 望   伊東みこと
江野脇 貢   岡野かも子
河村和典   山口孝雄
佐伯森人   高橋啓光
藤正坂二   越智マキ子
大島幸子   村本幸信
畠山安江   徳永 保
岡本悦子   古浦利明
宮本 進   桑原芳人
越智良夫   古瀬和恵
田中フミコ   向井重美
宮木文子   河内春夫
永田正友   亀井里之
細川幸子   平田邦子
越智節子   村本幸信
池田はやみ  大嶋宏史

【朗読奉仕】
どんぐり会 湯来朗読奉仕会

【出張コンサート】
1月14日 湯来東小学校5年生13名の児童のみなさんと先生方が来園され、児童の皆さんの楽器演奏等で入所者のみなさんと楽しい時間がもてました。
度々のご来園、ありがとうございます。


人の動き  

【入 所】
森田政子   11月1日付け
安芸郡府中町出身です。
ショートを利用されていましたが、
入所となりました。よろしくお願いします。
(園まつり:画像紹介)

(もちつき実演販売)

(二重焼き)

(利用者作品販売)

(バザー会場)


(アトラクション会場)

(太田川学園による太鼓の披露に利用者も参加しました。)

【編集後記】
 明けましておめでとうございます。年越しの瞬間に、家族で、「今年の目標」をそれぞれ発表しました。子供は、「無駄使いをしないようにする」「1年生になる」と元気に。妻は「小言をいわない」という立派な目標(笑) で、僕は「外国人とアメリカンジョークで大笑いする!」と、答えたのですが、家族から、「もう少しまともな目標ないの?」とさんざん言われました。けっこう本気だったんですが…そんな今年の初笑いは、イッセー尾形の「アトムおじさん」でした(笑) (U)