第121号   愛命園だより「あゆみ」   平成15年10月



行ってきました
一泊旅行

 園長 山本八重

今年度の事業も上半期が終わりました。この6ケ月を振り返ってみますと、何といっても思い出に残ったのは、9月に行われた一泊旅行ではなかろうかと思っています。
平素あまり外出することのない利用者にとって、職員と一緒(1対1)で2日間を過ごすことが出来ることは最大の喜びであり、その意味で旅行は大きな意義があろうかと思っています。中にはお父さんと一緒みたいで「あまえ」がありありと伺える人もいました。これでいいのです……。



この旅行計画は、年度の始めから考えていますが、利用者にとっては、その年の旅行が終れば来年に夢をかけているのです。一年待ったその日ですから嬉しくて、嬉しくて、たまらないようです。
 今年度の旅行は、兵庫県の赤穂温泉と決まり9月は毎週木、金に旅行をしました。身近な歴史を考える機会として、有意義だったのではないかと思っております。お話の中で「大石内藏助ってすごい人なんだね」「昔の人は偉かったんだね」「ここで死んだの」等々、ガイドさんのお話を上手に聞いていました。中には先生「塩を作ったんよ」「海の音を聞いたよ」「つるつるの石をひろったよ」「ごちそうが沢山でたね」「ごはんがおいしかった」「コーヒーを飲んだらせんべいがついていたよ」「タクシーに乗ったよ」等々、旅行中体験した事が懐かしく思いだされるようで、色々と話してもらいました。
 職員にとってもこの機会が利用者とのコミュニケーションをはかる上でいい機会でもあります。平素は見ることの出来ない入所者の素顔を見ることが出来るのもこの機会です。いろいろな行事を通してこれからの支援に大きな役割を果たす事が出来ると信じています。
それにしても高齢化と重度化が重なってこの旅行も赤穂温泉行きを4回、近く(荒磯温泉)に行った人1回と計5回も出かけたことになりました。
来年の事はまったく見えませんが、消さないように一生懸命頑張ろうと思っています。皆様の楽しそうな顔を見、平素気付かなかった事も感じることができるなど、多くの感動をいただきました。



一泊旅行に
行きました
〜利用者の皆さんの感想から〜

生活支援員 宇田 辰彦

 今年の一泊旅行は、兵庫県の赤穂温泉、島根県の荒磯温泉に行きました。今年の旅行はどうだったでしょうか? 利用者の感想を掲載します。
 初めて行ったよ 赤穂温泉
井上 裕司
 前回の一泊旅行も兵庫県に行きました(去年は宝塚に行きました)が、今回は赤穂温泉に行きました。バスは、普段と、違って今まで乗ったことのないささき観光のサロンバスに乗りました。僕はバスの中では、園長先生の挨拶からバスガイドさんの声までたくさんテープにとりました。途中、小谷のサービスエリアでコーヒーとパンを買ってもらいました。岡山県の中山につくとブドウ狩りでした。ガイドさんがいろいろ説明をして下さいました。ブドウ狩りはハサミを使わないと出来ないのでぼくはブドウをもいでもらいました。とても蒸し暑かったですが、弁当を食べるときは幕の内弁当でデザートにブドウが出ました。
 ホテルに着くと、タクシーで観光し、お寺参りや、お土産を送ったりしました。僕は、太鼓が恐ろしいので鳴らしませんでした。タクシーの運転手さんとも話をしました。
 夜は、温泉の風呂へ入って僕は気持ちがよかったです。宴会で懐石料理が出ました。僕は今年、自治会の会長なので乾杯の音頭をとりました。みんな拍手をしてくれました。二日目の朝は市場に行き、バニラソフトクリームを食べました。そして嫁いらず観音に向かう途中、高速道路で交通事故があり、バスが全然動かなくなりました。そのあいだ、バスガイドさんがビデオをかけてくださいました。
 とてもよい旅になりました。添乗員さんをはじめガイドさん、本当にお世話になりました。体に気をつけて、来年も楽しい旅行に行きましょう!

※ 1班では、事故渋滞に巻き込まれ、2時間、高速道路で立ち往生…そんな経験もなかなかできるものではありませんから、それもまた、楽しい思い出に…



天保静子
9月18日に一泊旅行に出かけました。とてもいいお天気でしたが、皆の日頃の行いが良かったのでしょうか?
それとも雨男・雨女が少なかったのかな…私にも分かりません。
バスの中ではガイドさんが面白く点呼をとられて、だんだん私の番が近づくにつれ、天にも届きそうな気持ちになりました。途中岡山ではぶどう狩りをさせて頂きました。滅多にない体験をさせて貰ってとても良かったと思います。
播州赤穂には午後2時半に到着しました。さっそくホテルの部屋に入って疲れを癒しました。園長先生が腹痛で苦しまれ心配しましたけれど、お元気になられて安心しました。
ガイドさんと海辺に降りて海に手を浸けたり、宝石のような小石を拾って持ち帰りました。それからバスに乗って次の目的地に向かいました。これが私にとっていい思い出です。



一泊旅行の思い出
桑田尚明
私たち第3班は9月18日から19日に広交観光バスで赤穂浪士で有名な兵庫県の赤穂温泉に行きました。
私は小山君と支援課の新田先生と一緒でした。私が一番思い出に残ったことはホテルから観光タクシーで塩を作りに行ったことです。私は実際に塩作りを体験しましたが、塩水をガスコンロで過熱させなければ塩は出来ないので、とても熱かったし、それに「ヘラ」で塩水を混ぜなければいけないので、とても熱かったです。私は新田先生と一生懸命30分位塩水を混ぜました。
30分位経ってようやく塩ができました。塩水をヘラで混ぜるときは本当に熱かったけれど、塩が出来たときは本当に嬉しかったです。今回の旅行はいい体験ができたので本当に良かったなあと思っています。
ススキが
つなぐもの

作業指導員 長峯 公明

 初秋の恒例行事、ススキ配布を9月初めに行いました。開園当初から今年で29回目。昨年から町社協の広報紙面をお借りして、町内の皆様方にもご協力をお願いしています。今回も多くの方々からススキや花々のご提供をいただきました。改めてお礼申し上げます。おかげで約4,700本のススキ、またケイトウやオミナエシなど、昨年を上回る色とりどりで沢山の花を集めることができました。



 前日に長さを切り揃えたり、古葉を取り除いたりして整理を終え、明くる日に2班に分かれての配布。自治会役員は職員に付き添われて、日頃お世話になっている団体を回り、もう1班は広島市内での街頭配布を行いました。ご家族にも参加をいただいた福屋前での配布は開始早々から行列ができ、嬉しい悲鳴。5本一束にしたススキに花を添え、包装紙にくるんで手渡すという作業が間に合わないほどでした。休む間もなく、およそ800束を1時間半足らずで配り終えました。


 毎年、行事が終わって、幾人かの方からお手紙をいただきます。それに感激し、元気づけられ、続けてこられたのではないか、とも思っています。お断りもせず申し訳ないのですが、ここにその一部をご紹介させていただこうと思います。

 「過日は思いがけない初秋のプレゼントをいただき、ありがとうございました。高層住宅が建ち並び、自然にふれる機会が少なくなりました。すすきを眺めながら、子供が幼き頃、すすきを取ってきて、十五夜の日にお団子を作って月をながめながらいただいた頃をなつかしく思い出しました。本当に小さな秋、ありがとうございました。小さな秋を口ずさみながら、ペンを置きます」

 「一ヶ月遅れの真夏を汗を出しながら、日本中の人々、みんな頑張っていますね。9月2日、小さな秋をいただきました。5月末日に94歳で亡くなりました母の仏壇の前の花瓶の花に供えて、『ススキの季節になったよ』と話しかけて、一人胸を熱くしました。小さな秋・・・見知らぬ人々のあたたかい心と手のぬくもりを体中に感じました。本当にありがとうございました。感謝の気持ちを伝えたくて・・・」


 「先日はススキをいただき、ありがとうございました。暑いさ中、皆様で採取にあたられ、さぞお疲れになられたことでしょう。何も知らずにいただくばかりで申し訳なく思っております。ススキは我家の窓辺に今朝も大きく手を広げて陣取っています。1本1本見つめていると、気持ちが和んできます。愛命園の皆様、ススキをありがとうございました」



平成15年度 
運動会

作業指導員 高橋 義彰

 10月13日(体育の日)に愛命園運動会を無事に行うことができました。当日はあいにくの曇り空にて、いつ雨が降ってもおかしくないような状況ではありましたが、最後まで雨が降り出すこともなく無事に終了することができました。内容についても、今年は愛命園30周年ということもあり、それにちなんだ競技を行うことができ、特大くす玉が割れた瞬間に盛大な拍手を頂くことができました。  
それにしても愛命園の秋は行事が目白押し。一泊旅行に運動会、それに園まつりと慌しい雰囲気に包まれる時期です。今回の運動会も多くのボランティアや保護者、来賓の皆さんに支えられながら無事に実施できました。愛命園の行事は多くの方々のご協力により成り立っているのだと、しみじみ思います。どうぞ今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。園まつりへのご来園、待ってます。
【寄せられた善意】
[平成15年7月26日〜平成15年10月25日]
【現 金】
中野富貴子
妙安寺
森原大一郎
石本憲正
桑田幸子
青原清美
平岡衣料品店

(運動会)
広島佐伯ライオンズクラブ
林 医院
広島県立盲学校
湯来中学校
湯来東小学校
竹原 幹
中本 政登
佐々木浩二
白兼ツタ子
寺岡 崇
伊藤 守夫
湯来町社会福祉協議会
佐々木浩二
太嶋 宏史
清水 光信
吉見 昭夫
梶川石油商店
国沢・広瀬
川口 勝巳
上野 俊雄
寺本ユリ子
高野 正明
仁井山真次
益田クリーニング商会
佐々木瑞生
新庄 チドリ
新庄 竹子
沖野ヨリ子
森本 直美
佐々木博巳

【現 物】
胡瓜         佐々木みえこ
胡瓜           竹岡数春
オクラ         佐々木文昭
切花       湯来弁当センター
二輪車          和田幸利
色紙輪鎖     因島市 宮地谷子
はがき          越智良子
新米       坂口クリーニング
トマト、胡瓜他      杉田 弘
飲物他色々        中野眼科
花(プランター)    湯来中学校
もち米        湯来東小学校

*いつもありがとうございます。諸般の事情により、掲載を控えさせていただいた方もあります。

【朗読奉仕】
どんぐり会
湯来朗読奉仕会
ヽ(^o^)丿

人の動き
【着 任】
平成15年8月25日付
◎ 支援第一係 作業指導員助手
新庄 よし子

  よろしくお願いします。


神楽クラブ
 新聞に載る!

生活支援員 沖田 幸久

 9月29日の中国新聞に神楽クラブのことが載っていたのをご覧になった方も多いと思います。取材を受けているときは「まあ、ほんの数行書いてもらえるのかな」ぐらいに思っていたのですが、当日紙面を見るとビックリ!地域欄に大きな写真入で紹介されていました。以下に当日の新聞記事を抜粋しました。ご覧にならなかった方どうぞ。
中国新聞 '03/9/29地域ニュースより
視覚障害者施設の神楽クラブが熱演
◇廿日市の大会出演
   おはこ八岐大蛇披露
広島県湯来町の視覚障害者施設「愛 命園」の神楽クラブが発足から十五周年を迎えた。二十八日、廿日市市の文化ホールさくらぴあであった神楽共演大会にメンバー十五人が出演、千百人の観衆から盛大な拍手を受けた。 津田神楽団など廿日市市や湯来町の八つの神楽団と技を披露した。演目は最も得意な「八岐大蛇(やまたのおろち)」。舞台から落ちないようボランティアがステージ下に待機するなど、上演を支えた。
クラブ員は二十〜六十歳代の入園者十人。職員五人に手伝ってもらい、毎月二回練習する。位置を移動するには、お互いが手に持ったひもで誘導し合う。舞台では客席に向かって右側に太鼓があるため、太鼓の音が右側から聞こえる向きを正面と意識するなど工夫。演者が舞に集中するために、せりふ専門の役も置いている。
メンバーの中本良二さん(59)は「練習の成果が出せて拍手をもらって感動した。これからも続けたい」と喜んでいた。
「園内の忘年会の余興に」と1988年10月、神楽好きの入園者三人が集まったのがきっかけ。年を追って活動を広げ、ひろしまフラワーフェスティバル(FF)のステージなどにも出演。老人福祉施設などから依頼を受け、ステージに年三、四回立っている。

【写真説明】八岐大蛇を演じる愛命園神楽クラブのメンバー。ステージ下でボランティアが見守る

(一泊旅行写真集)

(マスカット狩りにて…)


(宴会のカラオケ大会!!)

(大石神社に参拝)

(ホテルの前で記念写真)

(5班は浜田お魚センターに)

(編集後記)
 一ヶ月に及ぶ一泊旅行でしたが、終わってみれば、やっぱり楽しい思い出。運動会も無事終わり、次は園まつりです。秋の行事目白押しですね